HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2019/05/22 17:03
「144Gbpsの光ケーブル」「HDR自動変換機」など新世代技術が多数登場。After NAB Showレポート
5月22日から23日の2日間、秋葉原で開催
世界最大の放送・映像業界のイベントとしてラスベガスで開催されたNAB Show2019(4月8日〜11日)。そこで出展された最新機器やサービスを、日本の放送局や映像制作プロダクションなどに向けて展開するのが、After NAB Showだ。本日5月22日から23日の2日間、秋葉原にて開催される。
今回のAfter NAB Show Tokyo 2019で出展されたラインナップの中でトピックになっていたのは「8K」「4K」「HDR」だ。撮影から映像・音声信号の伝送、ディスプレイ表示といったさまざまなフローで、これら3つのキーワードがポイントになっている。
Cominixは「次世代の8K」を掲げ、144Gbpsの伝送に対応したHDMIケーブルを参考出展した。プラスチック製の光ファイバーと金属線を組み合わせたハイブリッドケーブルとなっており、機器に接続するだけで動作する。また光を用いるため、100m以上の長距離設計も可能だという。なおデモで使用されていたものは、パナソニックが開発したプロトタイプ。このケーブルの端子部に使用されている、光伝送を行うためのCWDM伝送モジュールをCominixが提供している。
説明員によると、「今の8Kは通過点」とのこと。4K接続に対応するHDMI2.0では18Gbpsだが、8K対応の次期規格 HDMI2.1の速度は48Gbps。これでは4Kの4倍に満たないため、8Kではさらに高速なケーブルが必要だという。またレーザーダイオードによる光伝送は発展中の技術であるため、「伝送速度の向上は青天井。16Kやさらにその先への対応もできる」と話していた。
デモ使用のケーブルは実際に動作する完成品であり、現状では製造プロセスは確立したものの、価格面や対応機器、対応規格などの課題も多く、販売の見通しはないという。しかし将来的には、「家電量販店にも並ぶ価格」にしたいと説明員は話しており、一般向けの販売を目標にしているとのことだ。
伊藤忠ケーブルシステムでは、SDRをHDRに自動変換するシステムも展示。同社が扱うCOBALT社の「9904-UDX-4K」では、SDRとHDRの双方向変換が可能なほか、HDと4Kでの双方向のコンバートにも対応する。HDRの変換はテクニカラー社の独自技術「Technicolor HDR Intelligent Tone Management」「SL-HDR1」を採用することで、自動的に変換が可能という。
同社の展示でもう1つ注目したいのが、参考出品されたb<>com社のSDR-HDRコンバータモジュール「Universal HDR Converter Box」だ。NAB Show2019では「Product of the year」を受賞した製品で、手のひらの大きさほどの筐体に映像信号を入力するだけで、SDRコンテンツをHDRにリアルタイム変換することができる。解像度は4K UHDに対応しており、HDRではHLG/S-Log3/PQ(1000nits)に対応する。
出展されたモデルはプロトタイプで、現在開発中とのこと。最終的な調整はこれから行われるため、デモが行われていた映像では、SDRが自然にHDR化されていたものの、色に関しては彩度が強く赤みがかっていた。また小型の製品ではあるものの、予定価格は300万円程度と高額。いずれ、より小型化・大幅な低価格化が実現すれば、さまざまな場面で活用されることが期待できるだろう。
エーディーテクノでは、HDRや4Kがトレンドのなか、あえてこれを避けることで低価格化させたフィールドモニターの新製品「75HB/SB(7インチ)」「55HB(5インチ)」を出展。ともに4月12日に発売されており、価格は75HB(HDMIモデル)が約3万円後半、75SB(SDIモデル)が約6万円、55HBが3万円前半となっている。なお「デジタルカメラグランプリ2019」では金賞を受賞した。
パネルにはIPS方式を採用し、75HB/SBでは1,980×1,200、55HBでは1,920×1,080となっている。パネルは4Kでは無いものの、4K/30pの入出力は可能。パネルの表面に高硬度6Hの強化ガラスを高額透明接着剤で装備することで、クリアな映像表示を目指している。
ソニーのバッテリー「NP-F970」、キヤノンの「LP-E6」などでの動作も可能となっている。そのほか同社ブースでは、プラスチック光ファイバー採用の4K/HDR対応HDMIケーブル「AHT-xxBシリーズ」(関連ニュース)をはじめ、4K対応モニターなどを展示していた。
Blackmagic Designでは、NAB Show2019で発表した製品を一挙展示。8K対応製品として、スイッチャー「ATEM Constellation 8K(1,138,000円・以下税抜)」、レコーダー「HyperDeck Extreme 8K HDR(567,800円/6月発売予定)」、レコーダー用コントローラー「HyperDeck Extreme Controller(147,800円/6月発売予定)」、コンバーター「Teranex Mini SDI to HDMI 8K HDR(147,800円/6月発売予定)」、SSDドック「Blackmagic MultiDock 10G(67,980円/6月発売予定)」を1セットにしてデモを実施した。
また映像用カメラでは「Blackmagic URSA Mini Pro 4.6K G2(681,800円)」「Blackmagic URSA Broadcast(397,800円)」を展示した。そのほか、夏に正式発売予定の編集ソフト「DaVinci Resolve 16」のベータ場案のデモを実施。こちらもNAB Show2019で発表された編集用キーボード「DaVinci Resolve Editor Keyboard(113,800円/8月発売予定)」。
4K関連では、ニューエックスが、同社が扱うCISのカメラを展示。「VCC-4K2」は4K/HDRに対応したビデオカメラで、ソニーの1インチグローバルシャッターCMOSを採用する。価格は約65万円。設置や組み込み用途に適しているとのことで、平昌オリンピックでは、選手を追尾するカメラとして組み込まれたという。また被写体の形が歪まないグローバルシャッターという特徴を生かして、サーキットなどでゴール判定にも使われていると説明員は話していた。
また横にはフルHDながらもHDRに対応したカメラ「VCC-HD3」も展示されていた。ソニーの1/1.8インチグローバルシャッターCMOSを搭載し、価格は約25万円。主に業務用の使用が想定されているが、説明員は、「ヘヴィメタル・バンド、アイアンメイデンのドラマーが4つ持っていて、ミュージックビデオでも使用していた」とアピールしていた。
そのほか、メディア・インテグレーションは、新たに編集に対応したビデオプレイバックソフトの新バージョン「Video Slave 4」、EIZOはSDI→HDMI変換のコンバーターをモニタ裏に取り付けるブラケット「CB-01(5月27日発売予定)」といった新製品を日本初展示するなど、各社が新製品をアピール。会場にはテレビ局の関係者など放送や映像に関わる多くの方が来場し、説明や商談などで賑わっていた。
今回のAfter NAB Show Tokyo 2019で出展されたラインナップの中でトピックになっていたのは「8K」「4K」「HDR」だ。撮影から映像・音声信号の伝送、ディスプレイ表示といったさまざまなフローで、これら3つのキーワードがポイントになっている。
Cominixは「次世代の8K」を掲げ、144Gbpsの伝送に対応したHDMIケーブルを参考出展した。プラスチック製の光ファイバーと金属線を組み合わせたハイブリッドケーブルとなっており、機器に接続するだけで動作する。また光を用いるため、100m以上の長距離設計も可能だという。なおデモで使用されていたものは、パナソニックが開発したプロトタイプ。このケーブルの端子部に使用されている、光伝送を行うためのCWDM伝送モジュールをCominixが提供している。
説明員によると、「今の8Kは通過点」とのこと。4K接続に対応するHDMI2.0では18Gbpsだが、8K対応の次期規格 HDMI2.1の速度は48Gbps。これでは4Kの4倍に満たないため、8Kではさらに高速なケーブルが必要だという。またレーザーダイオードによる光伝送は発展中の技術であるため、「伝送速度の向上は青天井。16Kやさらにその先への対応もできる」と話していた。
デモ使用のケーブルは実際に動作する完成品であり、現状では製造プロセスは確立したものの、価格面や対応機器、対応規格などの課題も多く、販売の見通しはないという。しかし将来的には、「家電量販店にも並ぶ価格」にしたいと説明員は話しており、一般向けの販売を目標にしているとのことだ。
伊藤忠ケーブルシステムでは、SDRをHDRに自動変換するシステムも展示。同社が扱うCOBALT社の「9904-UDX-4K」では、SDRとHDRの双方向変換が可能なほか、HDと4Kでの双方向のコンバートにも対応する。HDRの変換はテクニカラー社の独自技術「Technicolor HDR Intelligent Tone Management」「SL-HDR1」を採用することで、自動的に変換が可能という。
同社の展示でもう1つ注目したいのが、参考出品されたb<>com社のSDR-HDRコンバータモジュール「Universal HDR Converter Box」だ。NAB Show2019では「Product of the year」を受賞した製品で、手のひらの大きさほどの筐体に映像信号を入力するだけで、SDRコンテンツをHDRにリアルタイム変換することができる。解像度は4K UHDに対応しており、HDRではHLG/S-Log3/PQ(1000nits)に対応する。
出展されたモデルはプロトタイプで、現在開発中とのこと。最終的な調整はこれから行われるため、デモが行われていた映像では、SDRが自然にHDR化されていたものの、色に関しては彩度が強く赤みがかっていた。また小型の製品ではあるものの、予定価格は300万円程度と高額。いずれ、より小型化・大幅な低価格化が実現すれば、さまざまな場面で活用されることが期待できるだろう。
エーディーテクノでは、HDRや4Kがトレンドのなか、あえてこれを避けることで低価格化させたフィールドモニターの新製品「75HB/SB(7インチ)」「55HB(5インチ)」を出展。ともに4月12日に発売されており、価格は75HB(HDMIモデル)が約3万円後半、75SB(SDIモデル)が約6万円、55HBが3万円前半となっている。なお「デジタルカメラグランプリ2019」では金賞を受賞した。
パネルにはIPS方式を採用し、75HB/SBでは1,980×1,200、55HBでは1,920×1,080となっている。パネルは4Kでは無いものの、4K/30pの入出力は可能。パネルの表面に高硬度6Hの強化ガラスを高額透明接着剤で装備することで、クリアな映像表示を目指している。
ソニーのバッテリー「NP-F970」、キヤノンの「LP-E6」などでの動作も可能となっている。そのほか同社ブースでは、プラスチック光ファイバー採用の4K/HDR対応HDMIケーブル「AHT-xxBシリーズ」(関連ニュース)をはじめ、4K対応モニターなどを展示していた。
Blackmagic Designでは、NAB Show2019で発表した製品を一挙展示。8K対応製品として、スイッチャー「ATEM Constellation 8K(1,138,000円・以下税抜)」、レコーダー「HyperDeck Extreme 8K HDR(567,800円/6月発売予定)」、レコーダー用コントローラー「HyperDeck Extreme Controller(147,800円/6月発売予定)」、コンバーター「Teranex Mini SDI to HDMI 8K HDR(147,800円/6月発売予定)」、SSDドック「Blackmagic MultiDock 10G(67,980円/6月発売予定)」を1セットにしてデモを実施した。
また映像用カメラでは「Blackmagic URSA Mini Pro 4.6K G2(681,800円)」「Blackmagic URSA Broadcast(397,800円)」を展示した。そのほか、夏に正式発売予定の編集ソフト「DaVinci Resolve 16」のベータ場案のデモを実施。こちらもNAB Show2019で発表された編集用キーボード「DaVinci Resolve Editor Keyboard(113,800円/8月発売予定)」。
4K関連では、ニューエックスが、同社が扱うCISのカメラを展示。「VCC-4K2」は4K/HDRに対応したビデオカメラで、ソニーの1インチグローバルシャッターCMOSを採用する。価格は約65万円。設置や組み込み用途に適しているとのことで、平昌オリンピックでは、選手を追尾するカメラとして組み込まれたという。また被写体の形が歪まないグローバルシャッターという特徴を生かして、サーキットなどでゴール判定にも使われていると説明員は話していた。
また横にはフルHDながらもHDRに対応したカメラ「VCC-HD3」も展示されていた。ソニーの1/1.8インチグローバルシャッターCMOSを搭載し、価格は約25万円。主に業務用の使用が想定されているが、説明員は、「ヘヴィメタル・バンド、アイアンメイデンのドラマーが4つ持っていて、ミュージックビデオでも使用していた」とアピールしていた。
そのほか、メディア・インテグレーションは、新たに編集に対応したビデオプレイバックソフトの新バージョン「Video Slave 4」、EIZOはSDI→HDMI変換のコンバーターをモニタ裏に取り付けるブラケット「CB-01(5月27日発売予定)」といった新製品を日本初展示するなど、各社が新製品をアピール。会場にはテレビ局の関係者など放送や映像に関わる多くの方が来場し、説明や商談などで賑わっていた。