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公開日 2020/07/21 16:47
4K放送対応製品、五輪延期の売上不安をステイホーム需要がカバー。A-PABが普及状況を発表
4K放送体験者の満足度は高いが一般の認知度は低下
(一社)放送サービス高度化推進協会(A-PAB)は、オンラインでの記者発表会を開催。新4K8K衛星放送の普及状況を説明するとともに、相子宏之理事長ら新執行部があいさつした。
■五輪延期による売上不安もステイホーム需要がカバー
新4K8K衛星放送の視聴可能機器台数は、2020年6月までで476万7,000台にまで増加。6月単月の伸び率は前年同月の20万7,000台から36万5,000台へと176パーセントで、単月としては今までで3番目に大きな数字だとのこと。4-6月の四半期で見ても、前年同期の一月あたり14万7,000台から27万4,000台へと186パーセントの大きな伸びとなった。
6月出荷分を製品ジャンル別で見ると、新チューナー内蔵テレビが28万5,000台、外付け新チューナーが2,000台、新チューナー内蔵録画機が3万3,000台、新チューナー内蔵CATV STBが4万5,000台だった。
なお、4-6月では、テレビ全体で「50型以上」が昨年の29万1,000万台から41万2,000台(前年同期比142パーセント)に伸長。全体に占める比率も前年の26パーセントから35パーセントへと伸びた。また、流通での4Kテレビの前年同月比販売台数の伸び率調査では、4月が123.4パーセント、5月が154.5パーセント、6月が156.8パーセント(BCN調べ)だったという。
こうした好調な動きを支えた原動力は「新チューナー内蔵テレビ」だったと説明。台数比では、6月単月で78パーセント、4-6月でも75パーセントを占めているとした。
この状況について、新たに理事長に就任した相子氏は、「すでに家電店では4Kチューナー内蔵テレビがメインになっており、価格も以前より手が届きやすくなっている。オリンピック延期で販売台数減が心配されたが、ステイホームなどによって順調に普及している」とコメント。「インターネットの普及やテレビの高機能化などにより様々なサービスが広がっているが、放送は日本人にとって欠かせない情報を発信し続けている。今後も放送が人々にとって不可欠なもので有り続けられるよう活動していく」と、A-PAB自体の今後についても語った。
また、対応機器普及状況の調査結果ついて説明を担当した木村氏は、4Kテレビなどの機器の低価格化に加えて4K放送の魅力が浸透してきたことなどが要因にあると分析した上で、「一番は新型コロナウイルス感染拡大予防のステイホームによって家族でテレビを見る機会が増えて、大画面テレビへの買い替えニーズが顕在化したのが大きかったのではないか」とコメント。
「販売店からは、特別給付金の存在が非常に大きかった、後押ししたという声が多く聞かれた」とも語り、「目標の一里塚として500万台を早期実現したいと言ってきたがそこが見えてきた。さらなる普及推進に努めていく」とした。
加えて、「個人的な思いになるが、来年7月に延期された東京オリンピック・パラリンピックまでに1,000万台普及を達成したい」とコメント。「1000万台というのは(4K放送視聴可能機器の)普及率が10数パーセントという数字。民放各局の今の状況をみると、そこまでいけばスポットCMがとれる。そうなるとますますピュア4K比率も上がっていくのではないか」と述べた。
「一方で、これは相当無理しないといけない数字。今までのペースの5割増でやらないと到達しない」ともコメント。「そのためには買い替え需要をどれだけ顕在化できるかだ。アナログ放送終了の時に、2008-2011の4年間で、薄型テレビは6,840万台を出荷していた。単年で、2010年のように2,500万台超を出荷している年もあった。前回のテレビ購入から10年を経過しているご家庭も多く、大画面テレビへの買い替えを強く望んでいるという声も多い。そこにプロモーションをかけて1,000万台を達成したい」と語った。
■4K放送体験者の満足度は高いが一般の認知度は低下
新4K8K衛星放送に対する認知度を始めとする市場調査の結果も発表。「新4K8K衛星放送」という言葉を知っている人は、全体の4割弱となる37.3パーセントで、前回調査(2019年7月)と比較して4ポイント減少したという。
また、チューナーのない4K8K対応テレビの場合は別途対応チューナーが必要であることを知っている人は28.1パーセントで、前回調査から10.3パーセント低下。そのほかの項目も前回調査より認知度が下がっており、「引き続き、認知度向上、理解浸透を図る必要がある」としている。
そのほか、ケーブルテレビなど、アンテナで直接受信する以外での視聴方法については、半数以上が「知らない」と回答。「ケーブルテレビ」や「光回線テレビ(フレッツ・テレビ、eo光テレビなど)」で視聴可能であることを知っていると答えた人は約3割。同様に「インターネット回線テレビ(ひかりTVなど)」と答えた人は2割強だった。
一方、新4K8K衛星放送を視聴した人は6.0パーセントと、前回調査より2ポイント上昇。視聴場所としては、「自宅の4Kテレビまたは8Kテレビ」がそのうちの7割弱と、前回調査から15ポイントスコアを伸ばし、「電気店の店頭」が4割強と続いた。「自宅で見た人は増えたが認知は低下している。魅力の訴求がまだ足りてない状況だ」とした。
また、新4K8K衛星放送を視聴した人の8割以上が「(非常に+まあ)満足である」と回答しており、「満足」という人の割合は、前回調査から1.5ポイント上昇。ただし「非常に満足である」という回答は前回の38.2パーセントから28.9パーセントへと減少した。
4K(8K)テレビ所有の内訳をみると、4K(8K)チューナー内蔵テレビ、4K(8K)対応テレビ、全てにおいて所有率が上昇。また、チューナー非内蔵テレビ所有者のうち、既にチューナー設置済みの人の割合は増加しているものの、いずれ対応チューナーを買うという人は減少した。
そして、4K(8K)テレビ所有者の8割強がテレビについて「(非常に)+(まあ)満足」と回答。満足点としては「画質のキレイさ」を挙げる人が最も多く4割を超え、「4K(8K)番組あるいは4K(8K)映像を見ているから」と回答した人が3割と、前回調査と同様の傾向がみられるという。
一方、不満と回答した人の主な理由は「コンテンツの少なさ」「価格」など。
コンテンツの少なさについて、A-PABでは、番組を4K制作を行っている “ピュア4K率” が「現在およそ2割前後で、特番時期はもう少し上がるという状況」だと紹介。「ただ、新型コロナウイルスの影響で番組制作がストップしていたり、花火大会やスポーツなど4K放送に向いているイベント等も中止になっている。年末年始に向けて新型コロナの状況を見ながらどんなことができるか考えていきたいと各局とも言っている」と説明した。
4K(8K)テレビ非所有者のうち、「購入する予定である」「いずれ購入する予定である」と回答した人は、合わせて3割を超え、前回調査から微増。購入予定の理由としては、「これからは4K(8K)の時代だから」「4K(8K)映像を見たいから」という回答が約3割となり、「4K(8K)に対する期待感が伺える」と説明した。
そのほか、地上波での4K放送については、総務省の技術試験事務を受託してA-PABが昨年度から調査検討を続けているということを紹介。「昨年度はインフラづくりを主に行った。今年度は4ヶ年計画の2年目としてより詳細な検討をしていきたい」と述べた。
■五輪延期による売上不安もステイホーム需要がカバー
新4K8K衛星放送の視聴可能機器台数は、2020年6月までで476万7,000台にまで増加。6月単月の伸び率は前年同月の20万7,000台から36万5,000台へと176パーセントで、単月としては今までで3番目に大きな数字だとのこと。4-6月の四半期で見ても、前年同期の一月あたり14万7,000台から27万4,000台へと186パーセントの大きな伸びとなった。
6月出荷分を製品ジャンル別で見ると、新チューナー内蔵テレビが28万5,000台、外付け新チューナーが2,000台、新チューナー内蔵録画機が3万3,000台、新チューナー内蔵CATV STBが4万5,000台だった。
なお、4-6月では、テレビ全体で「50型以上」が昨年の29万1,000万台から41万2,000台(前年同期比142パーセント)に伸長。全体に占める比率も前年の26パーセントから35パーセントへと伸びた。また、流通での4Kテレビの前年同月比販売台数の伸び率調査では、4月が123.4パーセント、5月が154.5パーセント、6月が156.8パーセント(BCN調べ)だったという。
こうした好調な動きを支えた原動力は「新チューナー内蔵テレビ」だったと説明。台数比では、6月単月で78パーセント、4-6月でも75パーセントを占めているとした。
この状況について、新たに理事長に就任した相子氏は、「すでに家電店では4Kチューナー内蔵テレビがメインになっており、価格も以前より手が届きやすくなっている。オリンピック延期で販売台数減が心配されたが、ステイホームなどによって順調に普及している」とコメント。「インターネットの普及やテレビの高機能化などにより様々なサービスが広がっているが、放送は日本人にとって欠かせない情報を発信し続けている。今後も放送が人々にとって不可欠なもので有り続けられるよう活動していく」と、A-PAB自体の今後についても語った。
また、対応機器普及状況の調査結果ついて説明を担当した木村氏は、4Kテレビなどの機器の低価格化に加えて4K放送の魅力が浸透してきたことなどが要因にあると分析した上で、「一番は新型コロナウイルス感染拡大予防のステイホームによって家族でテレビを見る機会が増えて、大画面テレビへの買い替えニーズが顕在化したのが大きかったのではないか」とコメント。
「販売店からは、特別給付金の存在が非常に大きかった、後押ししたという声が多く聞かれた」とも語り、「目標の一里塚として500万台を早期実現したいと言ってきたがそこが見えてきた。さらなる普及推進に努めていく」とした。
加えて、「個人的な思いになるが、来年7月に延期された東京オリンピック・パラリンピックまでに1,000万台普及を達成したい」とコメント。「1000万台というのは(4K放送視聴可能機器の)普及率が10数パーセントという数字。民放各局の今の状況をみると、そこまでいけばスポットCMがとれる。そうなるとますますピュア4K比率も上がっていくのではないか」と述べた。
「一方で、これは相当無理しないといけない数字。今までのペースの5割増でやらないと到達しない」ともコメント。「そのためには買い替え需要をどれだけ顕在化できるかだ。アナログ放送終了の時に、2008-2011の4年間で、薄型テレビは6,840万台を出荷していた。単年で、2010年のように2,500万台超を出荷している年もあった。前回のテレビ購入から10年を経過しているご家庭も多く、大画面テレビへの買い替えを強く望んでいるという声も多い。そこにプロモーションをかけて1,000万台を達成したい」と語った。
■4K放送体験者の満足度は高いが一般の認知度は低下
新4K8K衛星放送に対する認知度を始めとする市場調査の結果も発表。「新4K8K衛星放送」という言葉を知っている人は、全体の4割弱となる37.3パーセントで、前回調査(2019年7月)と比較して4ポイント減少したという。
また、チューナーのない4K8K対応テレビの場合は別途対応チューナーが必要であることを知っている人は28.1パーセントで、前回調査から10.3パーセント低下。そのほかの項目も前回調査より認知度が下がっており、「引き続き、認知度向上、理解浸透を図る必要がある」としている。
そのほか、ケーブルテレビなど、アンテナで直接受信する以外での視聴方法については、半数以上が「知らない」と回答。「ケーブルテレビ」や「光回線テレビ(フレッツ・テレビ、eo光テレビなど)」で視聴可能であることを知っていると答えた人は約3割。同様に「インターネット回線テレビ(ひかりTVなど)」と答えた人は2割強だった。
一方、新4K8K衛星放送を視聴した人は6.0パーセントと、前回調査より2ポイント上昇。視聴場所としては、「自宅の4Kテレビまたは8Kテレビ」がそのうちの7割弱と、前回調査から15ポイントスコアを伸ばし、「電気店の店頭」が4割強と続いた。「自宅で見た人は増えたが認知は低下している。魅力の訴求がまだ足りてない状況だ」とした。
また、新4K8K衛星放送を視聴した人の8割以上が「(非常に+まあ)満足である」と回答しており、「満足」という人の割合は、前回調査から1.5ポイント上昇。ただし「非常に満足である」という回答は前回の38.2パーセントから28.9パーセントへと減少した。
4K(8K)テレビ所有の内訳をみると、4K(8K)チューナー内蔵テレビ、4K(8K)対応テレビ、全てにおいて所有率が上昇。また、チューナー非内蔵テレビ所有者のうち、既にチューナー設置済みの人の割合は増加しているものの、いずれ対応チューナーを買うという人は減少した。
そして、4K(8K)テレビ所有者の8割強がテレビについて「(非常に)+(まあ)満足」と回答。満足点としては「画質のキレイさ」を挙げる人が最も多く4割を超え、「4K(8K)番組あるいは4K(8K)映像を見ているから」と回答した人が3割と、前回調査と同様の傾向がみられるという。
一方、不満と回答した人の主な理由は「コンテンツの少なさ」「価格」など。
コンテンツの少なさについて、A-PABでは、番組を4K制作を行っている “ピュア4K率” が「現在およそ2割前後で、特番時期はもう少し上がるという状況」だと紹介。「ただ、新型コロナウイルスの影響で番組制作がストップしていたり、花火大会やスポーツなど4K放送に向いているイベント等も中止になっている。年末年始に向けて新型コロナの状況を見ながらどんなことができるか考えていきたいと各局とも言っている」と説明した。
4K(8K)テレビ非所有者のうち、「購入する予定である」「いずれ購入する予定である」と回答した人は、合わせて3割を超え、前回調査から微増。購入予定の理由としては、「これからは4K(8K)の時代だから」「4K(8K)映像を見たいから」という回答が約3割となり、「4K(8K)に対する期待感が伺える」と説明した。
そのほか、地上波での4K放送については、総務省の技術試験事務を受託してA-PABが昨年度から調査検討を続けているということを紹介。「昨年度はインフラづくりを主に行った。今年度は4ヶ年計画の2年目としてより詳細な検討をしていきたい」と述べた。