ソニー、振動板拡大で音質向上と小型化を両立したネックスピーカー「HT-AN7」。個人最適化で立体音響も進化

ソニーは、同社のテレビ「BRAVIA」と親和性を高めたシアターシステム「BRAVIA Theatreシリーズ」から、ワイヤレスネックバンドスピーカー「HT-AN7（BRAVIA Theatre U）」を6月14日に発売する。価格はオープンだが、市場予想税込価格は40,000円前後としている。

本モデルは、ワイヤレスネックバンドスピーカー「SRS-NS7」の後継機種であり、ネックスピーカー本体のサイズはコンパクトなまま、スピーカーユニットサイズを拡大することで音質向上を図っている。新開発のフルレンジスピーカー「X-Balanced Speaker Unit」を搭載しており、スピーカーの有効振動板面積を、SRS-NS7と比較して1.5倍に拡大した。

さらに剛性に優れたアルミ振動板の採用、オフセット駆動や振動計パーツの重量バランスも最適化した独自設計を施している。これらの技術によって、音圧レベルのアップや歪みを抑えたクリアさの実現、さらに声やセリフの明瞭度も高めているという。アンプは、「S-Master」を採用する。

同社の認知特性プロセッサー「XR」を搭載したテレビ「BRAVIA」と、別売のワイヤレストランスミッター「WLA-NS7」と接続することで、立体音響を楽しむことできるのも特徴的。Dolby Atmosなどの3Dオーディオフォーマットが収録されたコンテンツや、ステレオ音声が収録されているコンテンツもアップミックス処理によって3Dサウンドで再生可能だ。

併せて、音場をユーザーに合わせて最適化する「360Spatial Sound Personalizer」も搭載。個人の聴感特性に合わせて最適化することで、リアリティの高い3Dサウンドを体感できる機能で、スマートフォンアプリから設定できる。Bluetooth対応テレビとの接続でステレオ再生で使用する場合は、ワイヤレストランスミッターを介さずとも、HT-AN7とテレビをBluetoothで直接接続することで使用できる。

HT-AN7は、小型軽量化とロングバッテリー搭載を両立した点もポイント。外形寸法が約235W×48H×178Dmm、質量約268gとなっているが、SRS-NS7と比較して幅11mm、高さ5mm、奥行き7mmが小型化され、質量50gが軽量化されている。そして約4時間充電で約12時間の使用、約10充電で約60分使用できる急速充電にも対応しており、バッテリー性能はSRS-NS7と同等になっている。充電はUSB Type-C接続となる。

装着性を高める機構には「アジャスタブルネックバンド」を採用。ネックバンド部分に形状記憶を可能とした特殊素材が投入されているため、各ユーザーの首の太さに合わせて幅を調整できる。また、身体と設置するスピーカーの背面部には合皮素材を使用することでズレを防止、併せてソフトマテリアル素材を導入することで装着時の快適さも向上させている。


付属品として、ステレオミニ端子をUSB Type- C端子に変換できる「専用オーディオアダプター」とステレオミニ端子を装備した長さ1.2mの専用オーディオケーブルを同梱し、有線接続にも対応する。オーディオケーブルとアダプターの同梱によって、例えばPlayStation 5のコントローラーと有線接続することで低遅延でのゲームプレイが可能な点をアピールする。

Speaker Add機能を活用した、ワイヤレスネックスピーカーの2台同時接続にも新対応。テレビとBluetooth接続した1台目のネックスピーカーが親機となり、2台目を親機に接続することで2台同時接続が可能となる。Speaker Addボタンは本体側面部に設置されている。

集音性能の高いマイクと、同社のヘッドホンでも採用実績のある「高精度ボイスピックアップテクノロジー」を採用したことで、内蔵マイクの性能も進化。小さい声でも拾い上げ、騒音のある環境下でもノイズを軽減してクリアに声を届けることが可能だという。

Bluetooth 5.2対応で、コーデックはSBC／AAC／LDAC（ハイレゾ再生非対応）をカバー。最大通信距離は約30cm、対応プロファイルはA2DP／AVRCP／HFP／HSP／SPP。

なお、主なXR搭載BRAVIAは、4K有機ELテレビが「A95Kシリーズ」「A90Kシリーズ」「A80Lシリーズ」「A90Lシリーズ」、4K液晶テレビが「X95Lシリーズ」「X95Kシリーズ」「X90Kシリーズ」。