シャープ、mini LED搭載4Kテレビ「AQUOS XLED」“GP1ライン”。斜めからでも色鮮やかな新パネル搭載

シャープは、mini LEDバックライトを搭載した4K液晶テレビ「AQUOS XLED」の「GP1ライン」「GP2ライン」の2シリーズ／全5機種を、6月15日より発売する。ラインナップの詳細と予想実売価格（税込）は以下の通り。

＜GP1ライン＞
・75V型「4T-C75GP1」 715,000円前後
・65V型「4T-C65GP1」 473,000円前後
・55V型「4T-C55GP1」 363,000円前後

＜GP2ライン＞
・50V型「4T-C50GP2」 253,000円前後
・43V型「4T-C43GP2」 242,000円前後

「AQUOS史上最高の明るさと、引き締まった黒との美しいコントラスト」を掲げる、mini LED搭載4K液晶テレビ。75型、65型、55型サイズを展開する「GP1ライン」に加えて、同社が「新・コンパクトファミリーサイズ」と位置づける50型、43型の「GP2ライン」という2シリーズを展開する。

両シリーズはパネル仕様やスピーカー構成など一部仕様が異なっており、GP1ラインのみの特長として、液晶パネルに量子ドット技術を採用した新開発の「N-Black Wideパネル」を搭載する。既存のパネルよりも視聴位置による色の変化が軽減されており、斜めから見た際でも、つややかな黒と鮮やかな色彩を表現できるという。

また、パネルの表面の低反射コートに空気を封じ込めたナノカプセル配合素材を採用。映り込みの原因となるパネル表面と空気の屈折率の差を最小化することで、外光の反射や照明の映り込みを抑えるとしている。なおGP2ラインの液晶パネルには、従来から引き続き「N-Blackパネル」を採用している。

両シリーズの共通仕様として、高密度に敷き詰めたmini LEDバックライトの明暗を、映像に合わせて細かく制御する「アクティブmini LED駆動」技術を採用した。これにより、同社の従来モデルと比較して輝度が約15％向上している。

また色表現能力では、液晶パネルのカラーフィルターに適した純度の高い3原色（赤・緑・青）の光によって色再現範囲を拡大する「量子ドットリッチカラー」を採用。HDRフォーマットはHDR10、HLG、Dolby Vision IQの3つの規格に対応する。

画像処理エンジンには、次世代AIプロセッサーを採用した「Medalist S5X」を搭載する。従来エンジンと比較して、約1.3倍となるAI高画質／高音質処理性能やマルチ画面処理性能、グラフィック性能を備えていると謳っている。

コンテンツに応じて画質と音質を “おまかせ” で自動調整する「AIオート」に対応。画質面ではAIが人の顔や空などのオブジェクトを検知し、色味や精細感を調整する。また、部屋の明るさに応じて画質を自動調整する「環境センシング」機能も進化。新たに視聴部屋の色温度を検知することが可能になり、照明の明るさや色温度に応じた画質に調整するほか、外光に影響を受ける陰影を自然に復元できるという。

さらに高画質化映像処理回路の進化により、AIを活用してより精細感を高めて4Kアップコンバートを行う新機能「AI超解像」を搭載する。AIの画像解析に基づきアップコンバート処理を行うことで、従来では少し違和感を生じていたような部分が、より自然で見やすい画質に調整されるとのこと。

また、アニメやネット動画などで発生しやすいデジタル圧縮によって発生する背景のバンディングノイズや被写体のブロックノイズを低減する「アニメ・ネットクリア」機能も追加。ほか、映像全体だけでなく映像内をエリア毎に動的に解析して、照明の輝き感や人物の陰影の際立ちを活かす最適なコントラストに自動調整する「スマートアクティブコントラスト」も新たにサポートする。

音質調整の面では、従来までは「映画」や「音楽番組」といった大まかな番組ジャンルに紐づけてAIが調整を行っていたところ、今回からAIが音声信号をリアルタイムで解析して調整することが可能に。これにより、音楽番組においてスタジオトークやMC中は話し声が聞き取りやすい音、音楽演奏時はより迫力あるサウンドを再生するといった、各シーンに適した音質調整を自動で行ってくれる。

音響面では、GP1ラインが画面下部にトゥイーター×2基、ミッドレンジ×4基、画面上部にハイトトゥイーター×2基、ハイトミッドレンジ×2基、背面部にサブウーファー×1基を搭載し、画面上下のスピーカーの音を前方に向けてダイレクトに届ける「AROUND SPEAKER SYSTEM PLUS」を採用。ハイトスピーカーは視聴者方向に20度傾けて配置するとともに、保護用の金属製パンチングネットの開口率を10％高めることで音の抜けと広がり感を向上させた。

加えて、全スピーカーをクリアでパワフルなサウンドを再現する「パワーボイススピーカー」に刷新した。これにより、最大100Wの高出力を実現し、映像と音の一体感や、まるで包みこまれるような立体音響空間を実現するという。

GP2ラインでは、トゥイーター×2基、ミッドレンジ×2基、サブウーファー×1基を搭載した、最大50W出力の「FRONT OPEN SOUND SYSTEM PLUS」を採用。同じく全スピーカーでパワーボイススピーカーを使用するほか、両シリーズともDolby Atmosに対応、音響補正技術「Eilex PRISM」もサポートする。

OSはGoogle TVを搭載。Googleアシスタントに対応するほか、GP1ラインのみハンズフリー音声操作もサポートする。Chromecast built-inにも対応し、別売のUSBカメラを接続することで、ビデオ通話アプリ「Google Meet」や、カメラの映像を鏡代わりに表示する「リビングカメラ」などが利用できる。

新機能として、2つの番組や映像を画面の左右に同時表示できる「ズーム2画面」機能を搭載する。放送＋放送、放送＋HDMI入力の組み合わせに対応し、画面サイズは9通りを用意。付属リモコンに搭載された専用ボタンから本機能を起動でき、十字キーの左右で音声出力する映像を選び、上下で画面サイズの変更が行える。

チューナーはBS4K／110度CS 4Kチューナー、地上デジタル、BS／110度CSチューナーを2基ずつ搭載。保護者によるアプリ使用制限や、誤操作による突然の大音量を防止する「最大音量の制限」機能を備える。HDMI端子はeARC/ARC対応で、入力3／4のみVRR／ALLMもサポート。GP1ラインは4K／144Hz、GP2ラインは4K／120Hz入力に対応する。無線LANはWi-Fi 6Eに対応する。

ほか録画機能では、別売のUSBハードディスクに録画した番組をタイトル名ごとに表示する「まと丸」機能や、録画番組を効率的に視聴できる「早見早聞き再生」、「オートチャプター」機能などをサポートする。

付属のリモコンには、10種類の動画サービスにワンタッチでアクセスできるダイレクトボタンを搭載。対応サービスは、YouTube／Prime Video／Netflix／Disney+／U-NEXT／NHK+／hulu／ABEMA／TVer／Net-VISIONなど。上掲の通り2画面表示ボタンも備える。

そのほか、スタンドは見やすい向きに調整できる回転式で、付属のネジで回転をロックすることも可能。スタンドカバーなどテレビの一部の部品には再生プラスチック素材を使用している。

消費電力（待機時）／外形寸法／質量は、GP1ラインの4T-C75GP1が約589W（0.5W）／1667W×1021H×330Dmm／約48.5kg、4T-C65GP1が約436W（0.5W）／1443W×897H×302Dmm／約37.0kg、4T-C55GP1が約347W（0.5W）／1224W×774H×302Dmm／約28.0kg。GP2ラインの4T-C50GP2が約168W（0.5W）／1110W×707H×238Dmm×約18.5kg、4T-C43GP2が約137W（0.5W）／957W×621H×238Dmm／約15.5kg。