公開日 2011/01/21 16:37
クリエイティブのAndroid搭載マルチメディアプレーヤー「ZEN Touch 2」を使ってみた
手軽にマルチエンターテインメントが楽しめる
Android OS 2.1とタッチパネルインターフェースを搭載したポータブルAVプレーヤー「ZEN Touch 2」がクリエイティブから発売された。
ラインナップには8GBメモリーを内蔵したレギュラーモデル「ZN-T28G」をベースに、直販モデルとなるGPS機能を追加した「ZN-T2G8G」、フラッシュメモリーが16GBの「ZN-T216G」の3機種が揃う。今回は「ZN-T28G」の使い勝手を実機で検証してみた。
■音楽・動画再生だけじゃない、多彩なエンターテインメントが楽しめる
記者が普段使っている第3世代のiPod touchとサイズを比べてみた。ZEN Touch 2の方が長辺が長く、やや本体の厚みもある。重さはZEN touch 2が約122gなのに対し、iPod touchは115g。iPod touchに保護ケースを装着した状態では、手に持った重さの実感はほとんど変わらない。
本体搭載のタッチパネル液晶は抵抗膜方式で、マルチタッチ操作には対応しない。画面サイズは3.2型で、解像度は480×320ピクセル、約26万色の表示が行える。加速度センサーも内蔵されており、画面の縦横回転表示に対応している。なおGPS対応モデルでは、別途サードパーティ製アプリケーションをインストールすればGPSナビとしても活用できる。
文字入力は日本語IMEがプリインストールされていないため、別途「Simeji」など日本語対応の文字入力アプリをインストールする必要がある。なお、本機はGoogleのAndroid Marketが利用できないので、独自のポータルサイト「ZiiO Space」を経由し、ベクターの「AndroApp」やNECビッグローブの「andronavi」などへアクセスし、アプリを入手・導入する必要がある。
本体背面には2メガのカメラが内蔵されており、静止画と動画の両方が撮影できる。ほかにもボイスレコーディング機能や内蔵スピーカーが設けられていたり、オプションのAVケーブルを利用して本体に保存したビデオファイルをテレビに出力して楽しむこともできる。GPSモデルにはワールドワイド対応のFMラジオも搭載されている。
■外部機器との連携・拡張性も充実
本機をUSBケーブルでPCにつなぐとマウントの許可を訊ねられるので、「マウントする」を選ぶとUSBマスストレージデバイスとして認識され、フォルダ構造などが一望できるようになる。PCはWindows 7/Vista/XP搭載機が対象となっているが、Mac OS X 10.6/10.5でも認識され、ファイルの転送なども問題なく行えた。
なお音楽や動画、写真ファイルの転送については、それぞれ対象のフォルダにドラッグ&ドロップでコピーできる。「doubleTwist」など同期アプリケーションを使って管理してもよいが、ドラッグ&ドロップ操作の方がシンプルで手っ取り早いように思う。本機で再生可能なオーディオファイルのフォーマットはMP3/AAC/WMA9/FLAC/OGG/MIDI/WAV/Audible。ビデオ対応フォーマットはH.264/MPEG4/WMV9/AVI。Macユーザーの場合、アップルロスレスのファイルは読み込めても再生できないので注意が必要だ。
本体にはmicroSDカードスロットを搭載しており、最大32GBのmicroSDHCカードと組み合わせてメモリー容量が拡張できる点は魅力的だ。
ワイヤレス接続機能はIEEE802.11b/g/n規格のWi-Fiと、Bluetooth 2.1+EDRに対応。Bluetoothについては、同時期に発売されたクリエイティブのタブレットデバイス「ZiiO」に採用された、低遅延かつ高音質なオーディオフォーマットのapt-Xには、本機は対応していない。
■ハンドリング、音楽再生との連携・拡張性も充実
タッチパネル液晶はレスポンスがやや鈍いようで、タップ操作の反応はまだしも、スクロール操作の感度が今ひとつという印象。ウェブブラウジングや本体設定の際に、誤まってリンクやメニューボタンをタップ操作してしまうことがあった。ゲームアプリをダウンロードして遊んでみたが、シビアな操作を要求されるゲームの場合は少し辛いかもしれない。また屋外で使用した際、液晶画面に外光が飛び込んで見づらく感じることもあったが、こちらは画面の明るさ調整で克服できた。
本体に保存した音楽ファイルを試聴してみた。IDタグ情報の埋め込みに対応しているファイル形式であれば、PCアプリケーションで編集した楽曲タイトルやアーティスト名の日本語表示、アルバムカバーアートの表示も行える。音楽ファイルはFLAC形式の再生も可能なので、CDのリッピングをFLAC形式で統一しているユーザーは重宝するだろう。
Bluetoothによるワイヤレスリスニングが簡単に行えるところも本機の魅力。機器同士のペアリングは、プリインストールされている「Pure Android Audio」のウィジェットを使用すれば、Bluetooth設定に素早くアクセスできる。あとはペアリングしたいスピーカーやヘッドホンなど対応機器の電源を入れ、スキャンして接続するだけ。今回はクリエイティブのBluetoothヘッドホン「WP-300」と組み合わせていくつかの音源を試聴してみたが、快適な使い勝手でワイヤレスリスニングが楽しめるメリットは大きいと感じた。
動画ファイルについてもPCからのドラッグ&ドロップで本体にコピーして視聴を行った。ファイル管理アプリ「Explorer」を選択すると、プレーヤー内に保存したコンテンツがフォルダごとに一望でき、「Video」フォルダに保存したコンテンツファイルを選択すれば再生が行える。なお、本体のカメラで撮影した動画、静止画は「Recordings」フォルダに格納され、アプリを使ってダウンロードしたYouTube動画はExplorerのルート直下にそのまま落ちてきた。Explorer上でフォルダを作成したり、ファイルをリネームすることが可能で、PCと接続した状態であればファイルの移動もできるので、保存ファイルをこまめに管理しておくと、より使い勝手が良くなるはずだ。
■手軽にAndroid OSの魅力に触れられるプレーヤー
Androidスマートフォンが人気となっている一方、Androidアプリの使い勝手などを試してみたいが、通信費用などのランニングコストが理由で断念しているという方も多いだろう。比較的手軽にAndroid入門を果たせるマルチメディアプレーヤーとして、本機は有意義な存在だ。
海外ではサムスンがCESで「Galaxy Player」を発表したり、フィリップスの「GoGear Connect」など、世界各地でAndroid搭載マルチメディアプレーヤーの商品化が活発になってきている。
iPod touchが開拓してきた「タッチインターフェース採用のマルチエンターテインメントプレーヤー」というジャンルが、今後Android系デバイスの拡大で、どのように進化していくか注目していきたい。
ラインナップには8GBメモリーを内蔵したレギュラーモデル「ZN-T28G」をベースに、直販モデルとなるGPS機能を追加した「ZN-T2G8G」、フラッシュメモリーが16GBの「ZN-T216G」の3機種が揃う。今回は「ZN-T28G」の使い勝手を実機で検証してみた。
■音楽・動画再生だけじゃない、多彩なエンターテインメントが楽しめる
記者が普段使っている第3世代のiPod touchとサイズを比べてみた。ZEN Touch 2の方が長辺が長く、やや本体の厚みもある。重さはZEN touch 2が約122gなのに対し、iPod touchは115g。iPod touchに保護ケースを装着した状態では、手に持った重さの実感はほとんど変わらない。
本体搭載のタッチパネル液晶は抵抗膜方式で、マルチタッチ操作には対応しない。画面サイズは3.2型で、解像度は480×320ピクセル、約26万色の表示が行える。加速度センサーも内蔵されており、画面の縦横回転表示に対応している。なおGPS対応モデルでは、別途サードパーティ製アプリケーションをインストールすればGPSナビとしても活用できる。
文字入力は日本語IMEがプリインストールされていないため、別途「Simeji」など日本語対応の文字入力アプリをインストールする必要がある。なお、本機はGoogleのAndroid Marketが利用できないので、独自のポータルサイト「ZiiO Space」を経由し、ベクターの「AndroApp」やNECビッグローブの「andronavi」などへアクセスし、アプリを入手・導入する必要がある。
本体背面には2メガのカメラが内蔵されており、静止画と動画の両方が撮影できる。ほかにもボイスレコーディング機能や内蔵スピーカーが設けられていたり、オプションのAVケーブルを利用して本体に保存したビデオファイルをテレビに出力して楽しむこともできる。GPSモデルにはワールドワイド対応のFMラジオも搭載されている。
■外部機器との連携・拡張性も充実
本機をUSBケーブルでPCにつなぐとマウントの許可を訊ねられるので、「マウントする」を選ぶとUSBマスストレージデバイスとして認識され、フォルダ構造などが一望できるようになる。PCはWindows 7/Vista/XP搭載機が対象となっているが、Mac OS X 10.6/10.5でも認識され、ファイルの転送なども問題なく行えた。
なお音楽や動画、写真ファイルの転送については、それぞれ対象のフォルダにドラッグ&ドロップでコピーできる。「doubleTwist」など同期アプリケーションを使って管理してもよいが、ドラッグ&ドロップ操作の方がシンプルで手っ取り早いように思う。本機で再生可能なオーディオファイルのフォーマットはMP3/AAC/WMA9/FLAC/OGG/MIDI/WAV/Audible。ビデオ対応フォーマットはH.264/MPEG4/WMV9/AVI。Macユーザーの場合、アップルロスレスのファイルは読み込めても再生できないので注意が必要だ。
本体にはmicroSDカードスロットを搭載しており、最大32GBのmicroSDHCカードと組み合わせてメモリー容量が拡張できる点は魅力的だ。
ワイヤレス接続機能はIEEE802.11b/g/n規格のWi-Fiと、Bluetooth 2.1+EDRに対応。Bluetoothについては、同時期に発売されたクリエイティブのタブレットデバイス「ZiiO」に採用された、低遅延かつ高音質なオーディオフォーマットのapt-Xには、本機は対応していない。
■ハンドリング、音楽再生との連携・拡張性も充実
タッチパネル液晶はレスポンスがやや鈍いようで、タップ操作の反応はまだしも、スクロール操作の感度が今ひとつという印象。ウェブブラウジングや本体設定の際に、誤まってリンクやメニューボタンをタップ操作してしまうことがあった。ゲームアプリをダウンロードして遊んでみたが、シビアな操作を要求されるゲームの場合は少し辛いかもしれない。また屋外で使用した際、液晶画面に外光が飛び込んで見づらく感じることもあったが、こちらは画面の明るさ調整で克服できた。
本体に保存した音楽ファイルを試聴してみた。IDタグ情報の埋め込みに対応しているファイル形式であれば、PCアプリケーションで編集した楽曲タイトルやアーティスト名の日本語表示、アルバムカバーアートの表示も行える。音楽ファイルはFLAC形式の再生も可能なので、CDのリッピングをFLAC形式で統一しているユーザーは重宝するだろう。
Bluetoothによるワイヤレスリスニングが簡単に行えるところも本機の魅力。機器同士のペアリングは、プリインストールされている「Pure Android Audio」のウィジェットを使用すれば、Bluetooth設定に素早くアクセスできる。あとはペアリングしたいスピーカーやヘッドホンなど対応機器の電源を入れ、スキャンして接続するだけ。今回はクリエイティブのBluetoothヘッドホン「WP-300」と組み合わせていくつかの音源を試聴してみたが、快適な使い勝手でワイヤレスリスニングが楽しめるメリットは大きいと感じた。
動画ファイルについてもPCからのドラッグ&ドロップで本体にコピーして視聴を行った。ファイル管理アプリ「Explorer」を選択すると、プレーヤー内に保存したコンテンツがフォルダごとに一望でき、「Video」フォルダに保存したコンテンツファイルを選択すれば再生が行える。なお、本体のカメラで撮影した動画、静止画は「Recordings」フォルダに格納され、アプリを使ってダウンロードしたYouTube動画はExplorerのルート直下にそのまま落ちてきた。Explorer上でフォルダを作成したり、ファイルをリネームすることが可能で、PCと接続した状態であればファイルの移動もできるので、保存ファイルをこまめに管理しておくと、より使い勝手が良くなるはずだ。
■手軽にAndroid OSの魅力に触れられるプレーヤー
Androidスマートフォンが人気となっている一方、Androidアプリの使い勝手などを試してみたいが、通信費用などのランニングコストが理由で断念しているという方も多いだろう。比較的手軽にAndroid入門を果たせるマルチメディアプレーヤーとして、本機は有意義な存在だ。
海外ではサムスンがCESで「Galaxy Player」を発表したり、フィリップスの「GoGear Connect」など、世界各地でAndroid搭載マルチメディアプレーヤーの商品化が活発になってきている。
iPod touchが開拓してきた「タッチインターフェース採用のマルチエンターテインメントプレーヤー」というジャンルが、今後Android系デバイスの拡大で、どのように進化していくか注目していきたい。