公開日 2017/04/27 14:11
続々増えるUHD BDプレーヤー・レコーダー。パナソニック・シャープ・OPPOの4モデルを一斉比較!
<連載:折原一也の“いまシュン!”ビジュアルプロダクト>
■各社のUHD BD再生対応機を一斉視聴
現在、一般ユーザーが入手できる最も高画質な映像ソースである「UltraHD Blu-ray(UHD BD)」。2016年3月よりソフトの登場が始まり、2017年4月時点では日本国内では100タイトル以上と、作品のリリースは業界関係者の予想以上のペースで進んでいるようだ。
そんな流れもあってか、日本でもUHD BD再生対応ハードが続々と登場。昨年発売のパナソニックのプレーヤー・レコーダーの5製品に加えて、2017年に入ってからはAVファンから期待の高いOPPO「UDP-203」、シャープ“AQUOSブルーレイ”「BD-UT3100/UT2100/UT1100」が発売された。このように、プレーヤーでもレコーダーでもUHD BD対応機が増えてきている。
そこで今回は、そんな各社のUHD BDプレーヤー/レコーダーを集めて一斉視聴を実施。OPPO「UDP-203」とシャープ「BD-UT3100」の2モデルと、前回からの比較としてパナソニックのレコーダー「DMR-UBZ1」「DMP-UB90」を加えた合計4モデルを見比べた。
今回の対決は、再生に用いているシステムLSIからして各社で全く異なる対決だ。パナソニックは自社開発のLSIで、OPPO「UDP-203」はMediaTek製クアッドコアプロセッサを、シャープ「BD-UT3100」が搭載している「4KマスターエンジンBD-PRO」はViXS製のシステムLSIを採用している。こうした違いがどのように現れるだろうか?
なお、組み合わせたテレビは東芝のレグザ「Z810X」で映像モードは『映画プロ』にて視聴。再生ソフトは『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』と、『ハドソン川の奇跡』のUHD BD版を視聴した。
■質感たっぷりのUBZ1/ナチュラル志向のUDP-203
まずは今回のモデル中で最もハイエンドかつ前回の取材でも好印象だった「DMR-UBZ1」からチェック。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』は前回も視聴しているがモニターを変更しているため、改めて画質チェックを試みた。
以前と同じチャプター1から再生すると、モニターが変わってもやはり冒頭の葬儀のシーンからして質感たっぷりの艶かしい映像。これがUBZ1の特性であることが改めて確認できた。
夜の闇とネオンのシーンでも高輝度分抜けは素晴らしく、銃器の金属の色の切れ味もシャープ。スーパーマンが国会に出頭するチャプター8のシーンはシネマ的な深があり、映像のノイズ感までも鋭利に描き出す。
雨と雷の下でバットマンとスーパーマンが対峙するチャプター11は、雷の閃光で描き出されるディテールにHDRらしい煌めきも現れるし、暗いトーンの階調性も豊か。
『ハドソン川の奇跡』はチャプター4の不時着までのシーンを視聴すると、高解像度に撮影されたコクピット内の見通しとディテールが素晴らしい。機内のシーンの人肌の描写、窓の外の眩しい情報も、画面全体を抜けよく存分に引き出す。
続いてはOPPOの「UDP-203」。こちらの映像の質感はナチュラル志向といったところ。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』チャプター1のロングショットのフォーカス感は自然で、夜のシーンの肌色は若干明るめのトーン。
印象的だったのはチャプター8で、ノイジーな映像も実にクリアに表現。バットマンとスーパーマンが対峙するチャプター11は、雨の降り注ぐ画面全体の質感をうまく映し出した。
『ハドソン川の奇跡』はフラットにクセなく描写。画面全体をナチュラルタッチなニュアンスで表現する。一方で人肌の色調は見た目としての説得力がある。
ちなみに、「UDP-203」は画質をはじめ設定項目が豊富。自分好みの画質に追求していけるのも魅力のひとつだ。
■BD-UT3100/DMP-UB90は全体を通してよくできた画質
シャープ「BD-UT3100」は、輪郭を鮮明に出す力強い画質。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』チャプター1を見ても画面全体としての鮮鋭感があり、夜の街のシーンは特に明るく照らされた箇所の表現が素晴らしい。
チャプター8のノイジーな映像も、今回のモデル群のなかで最も輪郭を強めに出していた。バットマンとスーパーマンが対峙するチャプター11も、光に照らされた地面のディティールが一瞬で目に焼き付く。
『ハドソン川の奇跡』もコクピット内の計器の表示の精緻さ、機長と副機長の着ているシャツの素材感も描き出す。俯瞰ショットは高解像度の写真のようだ。
最後にパナソニックのUHD BDプレーヤーのエントリー機「DMP-UB90」は、全体を通してよくできた画質。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』は深みこそ現れないがクセなく自然に観られるし、チャプター8のスーパーマンの肌の質感の表現、中間階調もバランス良く引き出す。
『ハドソン川の奇跡』でも極端なトーンこそないが、画面全体の情報量は良く、映像の持つ情報をストレートに描き出しているようだ。
あらためてまとめると、OPPO「UDP-203」は描写傾向としてはナチュラルでノイズの多いシーンに強いタイプ。シャープ「BD-UT3100」は明るくキレある描写に振り切り、予想以上の高画質だった。なお同機には画質調整関係の機能はない。
「DMR-UBZ1」は発売は2015年11月の古株ながら最も高価なだけあり、質感たっぷりに描き出す表現には説得力がある。「DMP-UB90」は特にクセなくよくできたエントリー機といったところだろうか。
今回のテストでは前回以上に画質差を確認できた。だが、いずれも現時点で相当にハイレベルなことが確認できたテストとなった。
現在、一般ユーザーが入手できる最も高画質な映像ソースである「UltraHD Blu-ray(UHD BD)」。2016年3月よりソフトの登場が始まり、2017年4月時点では日本国内では100タイトル以上と、作品のリリースは業界関係者の予想以上のペースで進んでいるようだ。
そんな流れもあってか、日本でもUHD BD再生対応ハードが続々と登場。昨年発売のパナソニックのプレーヤー・レコーダーの5製品に加えて、2017年に入ってからはAVファンから期待の高いOPPO「UDP-203」、シャープ“AQUOSブルーレイ”「BD-UT3100/UT2100/UT1100」が発売された。このように、プレーヤーでもレコーダーでもUHD BD対応機が増えてきている。
そこで今回は、そんな各社のUHD BDプレーヤー/レコーダーを集めて一斉視聴を実施。OPPO「UDP-203」とシャープ「BD-UT3100」の2モデルと、前回からの比較としてパナソニックのレコーダー「DMR-UBZ1」「DMP-UB90」を加えた合計4モデルを見比べた。
今回の対決は、再生に用いているシステムLSIからして各社で全く異なる対決だ。パナソニックは自社開発のLSIで、OPPO「UDP-203」はMediaTek製クアッドコアプロセッサを、シャープ「BD-UT3100」が搭載している「4KマスターエンジンBD-PRO」はViXS製のシステムLSIを採用している。こうした違いがどのように現れるだろうか?
なお、組み合わせたテレビは東芝のレグザ「Z810X」で映像モードは『映画プロ』にて視聴。再生ソフトは『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』と、『ハドソン川の奇跡』のUHD BD版を視聴した。
■質感たっぷりのUBZ1/ナチュラル志向のUDP-203
まずは今回のモデル中で最もハイエンドかつ前回の取材でも好印象だった「DMR-UBZ1」からチェック。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』は前回も視聴しているがモニターを変更しているため、改めて画質チェックを試みた。
以前と同じチャプター1から再生すると、モニターが変わってもやはり冒頭の葬儀のシーンからして質感たっぷりの艶かしい映像。これがUBZ1の特性であることが改めて確認できた。
夜の闇とネオンのシーンでも高輝度分抜けは素晴らしく、銃器の金属の色の切れ味もシャープ。スーパーマンが国会に出頭するチャプター8のシーンはシネマ的な深があり、映像のノイズ感までも鋭利に描き出す。
雨と雷の下でバットマンとスーパーマンが対峙するチャプター11は、雷の閃光で描き出されるディテールにHDRらしい煌めきも現れるし、暗いトーンの階調性も豊か。
『ハドソン川の奇跡』はチャプター4の不時着までのシーンを視聴すると、高解像度に撮影されたコクピット内の見通しとディテールが素晴らしい。機内のシーンの人肌の描写、窓の外の眩しい情報も、画面全体を抜けよく存分に引き出す。
続いてはOPPOの「UDP-203」。こちらの映像の質感はナチュラル志向といったところ。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』チャプター1のロングショットのフォーカス感は自然で、夜のシーンの肌色は若干明るめのトーン。
印象的だったのはチャプター8で、ノイジーな映像も実にクリアに表現。バットマンとスーパーマンが対峙するチャプター11は、雨の降り注ぐ画面全体の質感をうまく映し出した。
『ハドソン川の奇跡』はフラットにクセなく描写。画面全体をナチュラルタッチなニュアンスで表現する。一方で人肌の色調は見た目としての説得力がある。
ちなみに、「UDP-203」は画質をはじめ設定項目が豊富。自分好みの画質に追求していけるのも魅力のひとつだ。
■BD-UT3100/DMP-UB90は全体を通してよくできた画質
シャープ「BD-UT3100」は、輪郭を鮮明に出す力強い画質。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』チャプター1を見ても画面全体としての鮮鋭感があり、夜の街のシーンは特に明るく照らされた箇所の表現が素晴らしい。
チャプター8のノイジーな映像も、今回のモデル群のなかで最も輪郭を強めに出していた。バットマンとスーパーマンが対峙するチャプター11も、光に照らされた地面のディティールが一瞬で目に焼き付く。
『ハドソン川の奇跡』もコクピット内の計器の表示の精緻さ、機長と副機長の着ているシャツの素材感も描き出す。俯瞰ショットは高解像度の写真のようだ。
最後にパナソニックのUHD BDプレーヤーのエントリー機「DMP-UB90」は、全体を通してよくできた画質。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』は深みこそ現れないがクセなく自然に観られるし、チャプター8のスーパーマンの肌の質感の表現、中間階調もバランス良く引き出す。
『ハドソン川の奇跡』でも極端なトーンこそないが、画面全体の情報量は良く、映像の持つ情報をストレートに描き出しているようだ。
あらためてまとめると、OPPO「UDP-203」は描写傾向としてはナチュラルでノイズの多いシーンに強いタイプ。シャープ「BD-UT3100」は明るくキレある描写に振り切り、予想以上の高画質だった。なお同機には画質調整関係の機能はない。
「DMR-UBZ1」は発売は2015年11月の古株ながら最も高価なだけあり、質感たっぷりに描き出す表現には説得力がある。「DMP-UB90」は特にクセなくよくできたエントリー機といったところだろうか。
今回のテストでは前回以上に画質差を確認できた。だが、いずれも現時点で相当にハイレベルなことが確認できたテストとなった。