公開日 2010/09/30 17:12
【をんなもすなるLINN DS】第5回:ネットラジオが聴けてホクホクな私
ネットラジオが聴けてホクホクな私
SEKRIT DS-Iを使い始めてから半年余り経ったが、ようやくここへ来て、何も考えずにリッピングをし続けてきたツケが回ってきた。
NASのなかに入ったフォルダの名前が「unknown artist」となっており、その中のファイル名がtrack1、track2……というものが延々と続いている。何の曲か判別できないものがあまりにたくさん画面に現れてしまって、困ってしまった。
しかしどうやらこのことは、ネットオーディオに足を踏み入れた人の多くが、一度、体験する道のようである。使ってみてこそ、音源管理はある程度必要なのだということが分かるものらしい。落ち込まないで、ボチボチ整理していくことにしよう。
気を取り直して、インターネットラジオにでも挑戦してみることにしよう。
インターネットラジオが、DSを通して聴けるのである。これを“DS RADIO”と呼ぶ。DSのファームウエアがCara6にアップデートされた時に、インターネットラジオがDSで聴けるようになったのである。
正直なことをいうと、そのニュースを知った当初は、インターネットでラジオというものが、なんだか地味めなイメージだった。
しかし、オーディオショップ朝日電気商会の森永さんが電話口で言うのである。「インターネットラジオはものすごく楽しいですよ。ライフスタイルとしてスマートですし。ホームシアターの世界ではもうスタンダードですよ」と。
このことばに突き動かされた私であった。
なにかDSでやりたいことがあるときは、リンジャパンのサイトのDSソフトウエアのページを、とりあえず見てみる。たいていのものはそこに案内されているからだ。
やはりあった。「DS RADIO」というマニュアルが独立してある。読みながら設定してみたら、所要時間1〜2時間で、この私にもできてしまった。
RADIO TIMEというネットラジオ局がたくさん集まったサイト(ポータルサイトのひとつであろう)があって、そこからいける局の放送を聴く時に、リンのDSが再生をするというしくみである。
インターネットラジオのポータルサイトは他にもいくつかあるらしい。また基本的にインターネットにつながれば、DSを通さなくても、PC内蔵のスピーカーで聴くこともできるわけであるが、そこのところをDSを使って聴いてみようということである。
DSの操作ソフトKinsky Desktopを最新バージョンにすると(こちらもさっきのページからアップグレードできる)、再生ソースを選ぶ場所があり、そこから「radio」を選べばいいのだ。
RADIO TIMEには音楽系だけでも500以上の放送局が集まってきているが、Konfig(DSのセットアップソフト)から放送局の国を指定したり、自分がプリセットしたものを表示させることができる。
音が鳴った。おぉ、世界とつながった!
ラジオというのは、「いま、現在」が点と点で伝わる感覚だ。世界各国のラジオの音声がDSから流れ出すと、かなりエキサイティングな気分になった。
ロシア、ポーランド、ブルガリア……文化的に遠そうな国の放送ほど聴いてみたくなり、たくさん登録して聴いた。
外国語は話せないし聴き取れないが、音楽なら世界共通。音楽や局からお国柄がうかがえて楽しい。
日本にも局がたくさんあることが分かった。「76.7 Smile FM」という放送局は副タイトルが「Adult Comtemporary」となっており、シックな音楽が流れているかと思いきや、いきなり植木等がかかっていて驚いた。ディスクジョッキーのお話を聴くのもラジオの醍醐味だ。
学生の頃、J- Waveを聴いていたのを思い出した。あの頃はアンテナをあっちに向けたりこっちに向けたりしながらノイズ混じりのラジオを聴いていたものだ。ノイズが乗っている放送音を聴くと、「やっとこさ、こちらへ来てくれたんだね」という気持ちで耳を傾ける。
しかし、DSで聴くラジオは、音がきれいだ。ノイズはない。
放送局によってデータ転送速度はまちまちで、64kbps以下で音楽が流れているのを聴くと高域が伸びていないのが分かるが、いまのところ、すべての局において、そして局を換えるときにも、ノイズは出ない。
そのうえ、DS RADIOの設定であらかじめ入っている3つのLINN RECORDS系のラジオ局は、ビットレートが320kbps。こちらを聴くと他からずば抜けて高音質であった。
ラジオなのに、ノイズがないなんて…だから気分が出ないという方もおられるかもしれない。
ところが実際に聴いてみると、“やっとこさ”の味わいの代わりに、“ありのままの真実”が伝わってくる感じがする。どちらもいいけれど、どちらかを選ぶのならば、私なら真実を知りたいかな、と思う。
大仰ではあるが、オーディオはそういう時代に来ている、という気がなんとなくしている。
スタジオマスターをファイルで聴くことも、似たものを感じるからである。
この原稿を書いた後、DS以外にも、いろいろなネットワークプレーヤーを取材で聴く機会があったが、他社のネットワークプレーヤーでは、ノイズが乗って昔のラジオ風に聴こえるものもあり、驚いた。インターネットラジオも、ノイズがまったくないというわけではなかったのだ。興味がわいて、パソコンの内蔵スピーカーで、RADIO TIMEを聴いてみたら、もっとひどい音で鳴ったので、笑ってしまった。やはりネットラジオは、すぐれたネットワークプレーヤーで聴く方が楽しいと思う。
SEKRIT DS-Iを使い始めてから半年余り経ったが、ようやくここへ来て、何も考えずにリッピングをし続けてきたツケが回ってきた。
NASのなかに入ったフォルダの名前が「unknown artist」となっており、その中のファイル名がtrack1、track2……というものが延々と続いている。何の曲か判別できないものがあまりにたくさん画面に現れてしまって、困ってしまった。
ここへきてアルバム管理の重要さに気付いてしまった。Unknownというフォルダのなかにtrack1、track2……ばかりが羅列されてしまっている私のNASの中。アルバムアートとアーティスト名くらいはタグ情報として入れることが私の目標なので、これから頑張ろう | 気をとり直してインターネットラジオに挑戦。RADIO TIMEというインターネットラジオのポータルサイトがある。DS専用というものではないので、もちろん、そのままパソコン内蔵のスピーカーで聴くことも可能だが、DSをプレーヤーとして高い音質でラジオを聴いてみる |
しかしどうやらこのことは、ネットオーディオに足を踏み入れた人の多くが、一度、体験する道のようである。使ってみてこそ、音源管理はある程度必要なのだということが分かるものらしい。落ち込まないで、ボチボチ整理していくことにしよう。
気を取り直して、インターネットラジオにでも挑戦してみることにしよう。
インターネットラジオが、DSを通して聴けるのである。これを“DS RADIO”と呼ぶ。DSのファームウエアがCara6にアップデートされた時に、インターネットラジオがDSで聴けるようになったのである。
正直なことをいうと、そのニュースを知った当初は、インターネットでラジオというものが、なんだか地味めなイメージだった。
しかし、オーディオショップ朝日電気商会の森永さんが電話口で言うのである。「インターネットラジオはものすごく楽しいですよ。ライフスタイルとしてスマートですし。ホームシアターの世界ではもうスタンダードですよ」と。
このことばに突き動かされた私であった。
なにかDSでやりたいことがあるときは、リンジャパンのサイトのDSソフトウエアのページを、とりあえず見てみる。たいていのものはそこに案内されているからだ。
やはりあった。「DS RADIO」というマニュアルが独立してある。読みながら設定してみたら、所要時間1〜2時間で、この私にもできてしまった。
RADIO TIMEというネットラジオ局がたくさん集まったサイト(ポータルサイトのひとつであろう)があって、そこからいける局の放送を聴く時に、リンのDSが再生をするというしくみである。
インターネットラジオのポータルサイトは他にもいくつかあるらしい。また基本的にインターネットにつながれば、DSを通さなくても、PC内蔵のスピーカーで聴くこともできるわけであるが、そこのところをDSを使って聴いてみようということである。
DSの操作ソフトKinsky Desktopを最新バージョンにすると(こちらもさっきのページからアップグレードできる)、再生ソースを選ぶ場所があり、そこから「radio」を選べばいいのだ。
RADIO TIMEには音楽系だけでも500以上の放送局が集まってきているが、Konfig(DSのセットアップソフト)から放送局の国を指定したり、自分がプリセットしたものを表示させることができる。
音が鳴った。おぉ、世界とつながった!
ラジオというのは、「いま、現在」が点と点で伝わる感覚だ。世界各国のラジオの音声がDSから流れ出すと、かなりエキサイティングな気分になった。
ロシア、ポーランド、ブルガリア……文化的に遠そうな国の放送ほど聴いてみたくなり、たくさん登録して聴いた。
外国語は話せないし聴き取れないが、音楽なら世界共通。音楽や局からお国柄がうかがえて楽しい。
RADIO TIMEのホーム(家)画面には「注目の音楽」というコーナーがあり、「R&B」「アダルト・コンテンポラリー」「オールディーズ」「オルタナティブ・ロック」など、細かくジャンル分けされている | ジャズ/ニューエイジラジオというジャンルを選ぶとジャズ/ニューエイジに属する世界のラジオ局が500以上も現れた |
ジャズ/ニューエイジラジオから「Piano Jazz / Jazz Radio / Enjoy Great Jazz | RADIO TIME から私がプリセットした放送局の一覧 |
さて、ここからDSの出番。Konfig画面を開いて、「RADIO TIME」の項目の「User Name」のところから聴きたい局の国を設定する。そのお国のネットラジオ放送がDSで聴けるのだが、それら国の名前と並列に、自分のユーザー名(RADIO TIMEに登録したもの)を入れると、自分がプリセットした放送局も聴くことができるのだ。これがなかなか楽しい | DSで聴くには、Konfigでの設定後に、Kinsky Desktopを立ち上げて、「sources」を「Radio」に選べばOK。ただし、Kinsky Desktopのバージョンは3.3.6以上にしておくこと。私は、Kinsky Desktopの画面の様子が、少しおかしいなと感じたので、Kinsky Desktopを最新バージョンにアップデートしてみたら、正常に動いた。ソフトウエアのアップデートは、リンジャパンのホームページの「DS Software」というページから、必要なソフトをダウンロードすることができる |
Konfig 画面のRADIO TIMEの項目で「Japan」を選んでみたら、Kinsly Desktop画面に、19個もののラジオ局が現れた | RADIO TIMEでは、「Linn Radio(Variety)」「Linn Jazz(Jazz)」「Linn Classical(Classical)」の3局をLinn Recordsが開局している。他の一般のインターネットラジオは32〜128kbpsであるが、このLinn系列の3局は320kbpsであり、明らかに音質が高い |
日本にも局がたくさんあることが分かった。「76.7 Smile FM」という放送局は副タイトルが「Adult Comtemporary」となっており、シックな音楽が流れているかと思いきや、いきなり植木等がかかっていて驚いた。ディスクジョッキーのお話を聴くのもラジオの醍醐味だ。
学生の頃、J- Waveを聴いていたのを思い出した。あの頃はアンテナをあっちに向けたりこっちに向けたりしながらノイズ混じりのラジオを聴いていたものだ。ノイズが乗っている放送音を聴くと、「やっとこさ、こちらへ来てくれたんだね」という気持ちで耳を傾ける。
しかし、DSで聴くラジオは、音がきれいだ。ノイズはない。
放送局によってデータ転送速度はまちまちで、64kbps以下で音楽が流れているのを聴くと高域が伸びていないのが分かるが、いまのところ、すべての局において、そして局を換えるときにも、ノイズは出ない。
そのうえ、DS RADIOの設定であらかじめ入っている3つのLINN RECORDS系のラジオ局は、ビットレートが320kbps。こちらを聴くと他からずば抜けて高音質であった。
ラジオなのに、ノイズがないなんて…だから気分が出ないという方もおられるかもしれない。
ところが実際に聴いてみると、“やっとこさ”の味わいの代わりに、“ありのままの真実”が伝わってくる感じがする。どちらもいいけれど、どちらかを選ぶのならば、私なら真実を知りたいかな、と思う。
大仰ではあるが、オーディオはそういう時代に来ている、という気がなんとなくしている。
スタジオマスターをファイルで聴くことも、似たものを感じるからである。
この原稿を書いた後、DS以外にも、いろいろなネットワークプレーヤーを取材で聴く機会があったが、他社のネットワークプレーヤーでは、ノイズが乗って昔のラジオ風に聴こえるものもあり、驚いた。インターネットラジオも、ノイズがまったくないというわけではなかったのだ。興味がわいて、パソコンの内蔵スピーカーで、RADIO TIMEを聴いてみたら、もっとひどい音で鳴ったので、笑ってしまった。やはりネットラジオは、すぐれたネットワークプレーヤーで聴く方が楽しいと思う。