• ブランド
    特設サイト
公開日 2020/12/22 06:45

iPhoneのカメラ撮影がより本格的に!新機能「Apple ProRAW」でできること

アップルTIPS
山本敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
12月15日にiPhone向けの最新「iOS 14.3」が公開された。今回は、iPhone 12シリーズのフラグシップであるiPhone 12 Pro/12 Pro Maxで新たに使える「Apple ProRAW」を紹介したい。

iPhone 12 Proシリーズの新機能としてiOS 14.3から追加された「Apple ProRAW」を試してみた

iPhoneでは2016年にリリースされたiOS 10から、Adobe LightroomやProCamなどサードパーティのカメラアプリを使ってRAWフォーマットでの撮影が可能になった。

RAW撮影とは、デジタルカメラのイメージセンサーが捉えた画像信号を未加工の生データに近い情報として記録する技術だ。通常のスマホの場合、イメージセンサーが捉えた情報をカメラの内部でより汎用性が高く、ハンドリングも有利なJPEGなどの形式に圧縮してファイルに記録する。

iPhone 12 Pro/12 Pro Maxの2機種は、iOS 14.3にアップデートを済ませるとメインのトリプルレンズカメラ、およびフロント側のTrueDepthカメラの両方で、純正「カメラ」アプリによるRAW撮影ができる。さらに「写真」アプリを使えばRAW画像データの簡易な加工編集、およびJPEG画像データへのRAW現像までの作業がiPhoneで完結する。

Apple ProRAWで撮影したデータを「写真」アプリで簡易に加工編集できる

iPhone 12 Proシリーズには最新の「A14 Bionic」チップが搭載されている。チップのパワフルな処理能力が実現するコンピュテーショナルフォトグラフィ体験が、Apple ProRAWフォーマットによるシングルショットの写真撮影時にも活きてくる。

具体的にいうと、明暗差の大きな被写体もディテールの情報を残しながら色合いや明るさをバランスよく仕上げるスマートHDR 3、複数枚の画像データを一度に記録して、Neural Engineによる機械学習アルゴリズムにより高品位な1枚の静止画を生成するDeep Fusion、そして暗所でも明るく色鮮やかな写真記録をサポートするナイトモードの機能などがRAW撮影時にも使えるのだ。

左側黄色く囲ったアイコンをタップしてApple ProRAWモードを切り換える。ナイトモードの撮影効果がRAWデータにも反映される

RAW撮影を行うには、iPhone 12シリーズのカメラを起動して、画面に表示される「RAW」アイコンをタップする。この状態でシャッターを切るだけでApple ProRAWによる静止画が記録される。ファイルの保存形式は業界標準のDNG。1件の画像ファイルはHEIFやJPEG形式の画像データよりも容量が大幅に増えるため、多用するとiPhoneのストレージ残量が残り少なくなっていることもある。この点は撮影時に注意したい。

撮影後のデータを写真アプリでプレビュー。Apple ProRAW撮影のデータは「RAW」と表示される

iPhone 12 Proシリーズで記録したApple ProRAW画像データは、ユーザーのiCloudアカウントでログインしている全てのデバイスからアクセスできる。一見すると、見た目にはApple ProRAW、HIEF/JPEGの写真の画質に大きな違いはない。

RAW形式のファイルは、RAW現像という作業を経て一般的なJPEG画像データに書き出す前に、明るさや色合い、ホワイトバランスの調整がJPEG形式に圧縮済みのファイルよりも柔軟にできるところにメリットがある。

iOS標準の写真アプリではRAW現像がiPhoneを使って手早く簡単にできる。機能やインターフェースはHEIF/JPEG形式の画像を加工編集する場合と同じなので、操作も直感的。今後はよりプロフェッショナルライクなフィルタ設定をプリセットに揃えたり、ユーザーのカスタム設定値を保存して繰り返し使えるようになれば、Apple ProRAWのクリエイティブな使い道に一段と広がりが生まれそうだ。

iPhoneのAdobe Lightroomアプリで撮影した通常のRAW画像データと、Apple ProRAWの画像データを比較してみると、明るい昼間の逆光の風景ではスマートHDR 3とDeep Fusionの効果が存分に発揮され、白飛びや暗部の潰れを抑えたディテールに富んだ写真を残せた。

暗い場所での効果はよりわかりやすく、Apple ProRAWで撮影しておけば暗所に隠れがちなディテールの情報、鮮やかな色を残しながらRAW現像の段階で手を加えることができる。

MacのAdobe LightroomアプリケーションでRAW現像を丁寧に行うと、夜間に撮影した写真もまるで昼間に撮ったみたいに明るく色鮮やかに加工できる

MacにApple ProRAWの画像データを転送して、より細かく丁寧にRAW現像を仕上げることもできる。iPhoneからMacにファイルを転送する方法はAirDropを使ってもいいし、デバイスをLightningケーブルで接続して、macOSに標準搭載されているアプリケーションの「イメージキャプチャ」で読み出す方法もある。

少し手間をかけてからJPEG画像に書き出せば、iPhoneやその他のアプリにプリセットされているフィルタを使うよりも、一段とアーティスティックで “SNS映え” もする写真が仕上がるだろう。iPhone 12 Proシリーズのユーザーならばぜひ、差が付く写真が撮れるApple ProRAWを使い倒したい。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 マランツ、未踏の領域へ。「次元が異なる」弩級フラグシップコンビ「MODEL 10」「SACD 10」レビュー!
2 JBL、楽天ブラックフライデーで人気完全ワイヤレスやサウンドバーが最大36%オフ。11/21 17時より
3 DAZN、登録なしで一部コンテンツを無料視聴できる新機能。11月導入予定
4 松村北斗と上白石萌音のW主演!PMSとパニック障害を抱える男女のかけがえのない物語
5 Sonos、ブランド初のプロ向けスピーカー「Era 100 Pro」発表。PoE採用で自由かつ簡単な設置を実現
6 妥協なきデノン “もうひとつの旗艦AVアンプ”。「AVC-A10H」がデノンサラウンドアンプのあらたな一章を告げる
7 iBasso Audio、初エントリーライン「iBasso Jr.」からポータブルDAC/アンプとイヤホンを発売
8 ケーブル接続の「バランス/アンバランス」ってつまり何?
9 ビクター“nearphones”「HA-NP1T」速攻レビュー! イヤーカフ型ながら聴きイヤホンを女性ライターが使ってみた
10 ビクター、実売5000円以下の完全ワイヤレス「HA-A6T」。耳にフィットしやすいラウンド型ボディ
11/18 10:32 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX