特別インタビュー敢行
Suara&ディレクター有村氏に訊く!最新シングル「赤い糸」Blu-spec CD盤の魅力
アニメ/ゲームソングの数々を手がける、女性実力派ボーカリスト、Suara(スアラ)さん。去る10月28日に9枚目となるシングル『赤い糸』を発売し、初回生産盤はBlu-spec CDとしてリリースされた。先月速報でお伝えしたが、発売に合わせて編集部を訪ねていただいた折にSuaraさんと、Suaraさんが所属する、F.I.X.RECORDS(フィックスレコード)のディレクター/レコーディング・エンジニアである有村健一さんに、今回のBlu-spec CDを採用した経緯を含めた特別インタビューを敢行。『赤い糸』の楽曲にまつわるエピソードや、間近に迫った2010年1月2日&3日に開催される、Suaraさんの4枚目のアルバム『キズナ』(2009年8月19日発売・SACDハイブリッド盤)発売記念のワンマンライブに向けての意気込みを伺った。
■4thアルバム「キズナ」もSACDハイブリット盤で登場
まずは8月に発売されたSuaraさんのアルバム『キズナ』についても紹介をさせていただきたい。インタビューも行った2008年発表の前作『太陽と月』(インタビュー記事)でアコースティックな要素を増やし、それまで以上に表情豊かな歌の数々を披露してくれたが、今作はロックテイストの新境地にも挑み、さらに『静』・『動』のダイナミクスが広がり、表現力もより深くなったように感じられた。
昨年秋、『オーディオアクセサリー』誌の取材にて本作の収録を行った『STUDIO AQUA』に伺った折、初のアップテンポなロックソングとなる「Free and Dream」のラフ・ミックスを聴かせて頂いたのだが、それまでのSuaraさん“らしくない”曲調に驚きつつも、独特なはまり具合を実感。Suaraさんは「歌い出しのアタックがマイルドになってしまって、歌入れには苦労しました」と、その心境を語っていた。そうした経緯からも、明らかにこの「Free and Dream」が今作『キズナ』の鍵になるであろうと内心思っていたのだが、「大好きな90年代の歌謡ロックテイスト」とSuaraさん自らが語るラスト曲「天使がみる夢」や「フレンズ」など、「Free and Dream」と同系列であるアップテンポな楽曲が増えることで鮮やかな“彩り”となり、静かで深みのある「春夏秋冬」や「舞い落ちる雪のように」など、Suaraさんの十八番であるバラードが映える、素晴らしい相乗効果を生んでいる。
この『キズナ』もSACDハイブリッド盤としてリリースされ、11月6日には“妹分”である後輩ボーカリスト、上原れなさんの最新アルバム『Jewelry Songs』も同様にSACDハイブリッド盤として発売された。ともに楽器の“素”の音を重視した『Pure〜AQUAPLUS LEGEND OF ACOUSTICS〜』とは違い、歌や楽曲を活き活きと見せるため、複数の曲が集まるアルバムにおいてはSACDという大きな器を必要とし、コンプレッサーを多用しないダイナミクスを重視したミックスを実践している。J-POPにSACDは不向きであるとする声も少なからず耳にするが、こうした一般作品をマージンが稼げるメディアに収録することにより、自然な定位感と空間性、細やかなフレーズのすっきりとした分離感、ボーカルの表情豊かな描写が実現し、より深く楽曲を楽しめるようになるのである。
■Suaraさん&ディレクター有村さんに訊く
シングル「赤い糸」Blu-spec CD盤のサウンドの魅力とは?
それでは本題のシングル『赤い糸』についてのインタビューである。今回、お二人には音元出版の試聴室にて、通常盤CDと初回盤Blu-spec CDの聴き比べを実施。初めてその違いを聴いた直後にお話を伺った。
ーー初めて通常のCDとBlu-spec CDを聴き比べられて、どのように感じられましたか?
Suaraさん(以下、敬称略):違いが判るのか、はじめはドキドキと緊張しましたが(笑)。はっきりとその差を感じられました。Blu-spec CDは、まるで自分がステージ上にいるかのような空気感が伴っていて、リバーブ感も増えて、より良く感じ取れるようになりました。そうですね・・・より生っぽいという感じかな。
有村さん(以下、敬称略):私は実際に録音、ミックス、マスタリングを自分で行った楽曲なので、マスターとの差という観点からも比較させていただきました。通常のCDだと、プレス後どのようにサウンドが変化するかというのは経験則として持っていますが、今回Blu-spec CDでどんな音の変化があるのか、非常に興味がありました。Blu-spec CDはマスターと遜色なく、サウンド作りの意図が汲み取りやすくなるように感じました。通常盤と初回Blu-spec CD盤とはマスター音源が全く同一なので、これだけ如実に差が出るというのは驚きましたね。楽器それぞれの質感、空間の描写力、透明感も向上しているように感じました。そうした点でBlu-spec CDに合わせた音作りをしているわけではないのですが、私たちにも“未知の領域”ですし、お客様にもどういった音質差が生まれるのかを楽しんでいただきたいという側面もありました。
「赤い糸」ではバンド的な空気感を作るように音作りをしたのですが、Blu-spec CDではSuaraも話しているように生のようなサウンド、細かく言えば、ドラムが奥の方から聞こえるようなステージの雰囲気を立体的に感じられるようになりましたね。
Suara:曲の理想形っていうんでしょうか、『こうあるべきだ』という姿がBlu-spec CDの方でより良く感じられました。本当、自分自身も意図した表現が見易くなっているように思います。
■4thアルバム「キズナ」もSACDハイブリット盤で登場
まずは8月に発売されたSuaraさんのアルバム『キズナ』についても紹介をさせていただきたい。インタビューも行った2008年発表の前作『太陽と月』(インタビュー記事)でアコースティックな要素を増やし、それまで以上に表情豊かな歌の数々を披露してくれたが、今作はロックテイストの新境地にも挑み、さらに『静』・『動』のダイナミクスが広がり、表現力もより深くなったように感じられた。
昨年秋、『オーディオアクセサリー』誌の取材にて本作の収録を行った『STUDIO AQUA』に伺った折、初のアップテンポなロックソングとなる「Free and Dream」のラフ・ミックスを聴かせて頂いたのだが、それまでのSuaraさん“らしくない”曲調に驚きつつも、独特なはまり具合を実感。Suaraさんは「歌い出しのアタックがマイルドになってしまって、歌入れには苦労しました」と、その心境を語っていた。そうした経緯からも、明らかにこの「Free and Dream」が今作『キズナ』の鍵になるであろうと内心思っていたのだが、「大好きな90年代の歌謡ロックテイスト」とSuaraさん自らが語るラスト曲「天使がみる夢」や「フレンズ」など、「Free and Dream」と同系列であるアップテンポな楽曲が増えることで鮮やかな“彩り”となり、静かで深みのある「春夏秋冬」や「舞い落ちる雪のように」など、Suaraさんの十八番であるバラードが映える、素晴らしい相乗効果を生んでいる。
この『キズナ』もSACDハイブリッド盤としてリリースされ、11月6日には“妹分”である後輩ボーカリスト、上原れなさんの最新アルバム『Jewelry Songs』も同様にSACDハイブリッド盤として発売された。ともに楽器の“素”の音を重視した『Pure〜AQUAPLUS LEGEND OF ACOUSTICS〜』とは違い、歌や楽曲を活き活きと見せるため、複数の曲が集まるアルバムにおいてはSACDという大きな器を必要とし、コンプレッサーを多用しないダイナミクスを重視したミックスを実践している。J-POPにSACDは不向きであるとする声も少なからず耳にするが、こうした一般作品をマージンが稼げるメディアに収録することにより、自然な定位感と空間性、細やかなフレーズのすっきりとした分離感、ボーカルの表情豊かな描写が実現し、より深く楽曲を楽しめるようになるのである。
■Suaraさん&ディレクター有村さんに訊く
シングル「赤い糸」Blu-spec CD盤のサウンドの魅力とは?
それでは本題のシングル『赤い糸』についてのインタビューである。今回、お二人には音元出版の試聴室にて、通常盤CDと初回盤Blu-spec CDの聴き比べを実施。初めてその違いを聴いた直後にお話を伺った。
ーー初めて通常のCDとBlu-spec CDを聴き比べられて、どのように感じられましたか?
Suaraさん(以下、敬称略):違いが判るのか、はじめはドキドキと緊張しましたが(笑)。はっきりとその差を感じられました。Blu-spec CDは、まるで自分がステージ上にいるかのような空気感が伴っていて、リバーブ感も増えて、より良く感じ取れるようになりました。そうですね・・・より生っぽいという感じかな。
有村さん(以下、敬称略):私は実際に録音、ミックス、マスタリングを自分で行った楽曲なので、マスターとの差という観点からも比較させていただきました。通常のCDだと、プレス後どのようにサウンドが変化するかというのは経験則として持っていますが、今回Blu-spec CDでどんな音の変化があるのか、非常に興味がありました。Blu-spec CDはマスターと遜色なく、サウンド作りの意図が汲み取りやすくなるように感じました。通常盤と初回Blu-spec CD盤とはマスター音源が全く同一なので、これだけ如実に差が出るというのは驚きましたね。楽器それぞれの質感、空間の描写力、透明感も向上しているように感じました。そうした点でBlu-spec CDに合わせた音作りをしているわけではないのですが、私たちにも“未知の領域”ですし、お客様にもどういった音質差が生まれるのかを楽しんでいただきたいという側面もありました。
「赤い糸」ではバンド的な空気感を作るように音作りをしたのですが、Blu-spec CDではSuaraも話しているように生のようなサウンド、細かく言えば、ドラムが奥の方から聞こえるようなステージの雰囲気を立体的に感じられるようになりましたね。
Suara:曲の理想形っていうんでしょうか、『こうあるべきだ』という姿がBlu-spec CDの方でより良く感じられました。本当、自分自身も意図した表現が見易くなっているように思います。