【特別企画】RockDiskNextの音質徹底検証!
かないまる×アイ・オーが明かす、高音質NAS「RockDiskNext」DSD対応の裏側
アイ・オー・データ機器の“高音質設計”NAS「RockDiskNext」。本機は、β版ファームウェアのアップデートでDSDファイルのネットワーク配信に対応したことでも注目が集まっている(<前編>山之内正による音質レビューはこちら)。
後編では、本機の企画を担当したアイ・オー・データ機器の開口東史氏と、このDSD対応アップデートのきっかけを作ったというオーディオ機器設計者、金井隆氏による特別対談を実施した。メーカーとしての立場はもとより、オーディオファンとしての目線から、RockDiskNextがDSDに対応したストーリー、そしてNASの高音質化によって楽しみが一段と広がるネットワークオーディオの世界を語る。
ハイレゾ対応NASが
ネットワークオーディオの裾野を広げる!
−− 今回は、“高音質設計のオーディオ向けNAS”として注目を集めるRockDiskNextがDSD対応に至った経緯を語って頂く対談ということで、よろしくお願います。まず、RockDiskNextについて改めて教えてください。
開口東史氏(以下、開口): はい。まず、2011年11月に発売した「RockDisk」という旧モデルがあります。当時としてはまだ珍しかった、スマートフォン/タブレット連携機能を本格的に導入したNASキットでした。この製品は、スマホで撮影した写真や動画を外出先から直接NASに保存したり、スマホアプリからNAS内に保存したコンテンツをストリーミング再生するといったスマホ連携機能を低価格で実現できるモデルでした。
初代のコンセプトを継承しつつ、使い勝手を高めたのが2012年に発売したRockDiskNextです。オーディオ的な要素はこのモデルから導入しました。そして今年10月のβ版ファームウェアの公開で、DSDファイルのネットワーク配信に対応しました。ここから本格的なオーディオ向けの提案をさせて頂いています。
−− そのDSDアップデートを提案されたのが、実は金井さんだったということですが、そもそもどういった経緯でお二人はコンタクトを取り合うことになったのでしょうか?
金井隆氏(以下、金井): 私がAVアンプの開発を行うにあたり、リファレンスのNASとしてRockDiskNextを使おうと思いまして。今年の7月下旬に、RockDiskNextの使用方法をアイ・オー・データ機器さんに問い合わせたのがきっかけです。
開口: お問い合わせを受けた私が、ソニーさんのAVアンプ「STR-VZ555ES」や「TA-DA7000ES」のユーザーだったことが幸いしました。実は私、金井さんが運営されている「かないまるのホームページ」で直接ご相談メールをお送りしたこともあるんですよ。なのでサポートチームから相談を受けたときには驚きました。オーディオに関わるお問い合わせである可能性が高かったため、私が引継いで対応する事になりました。
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