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アジアパシフィック社長が語る

4K/HDR時代をリードする存在となるか? BenQがプロジェクター「HT2550」で躍進に挑む

公開日 2018/02/20 10:00 鴻池賢三
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民生用DLPプロジェクターで世界ナンバーワンのシェアを誇り、日本のホームシアター市場でも豊富なラインナップで存在感が増しているBenQ。2018年2月12日には、4K/HDR対応で実売が20万円を切るというリーズナブルな「HT2550」の発売するなど、勢いは止まらない。

今回は、BenQアジアパシフィック地域の社長を務めるJeffrey Liang氏とベンキュージャパン代表執行役社長の菊地正志氏にインタビュー。その躍進を支える背景や戦略について聞いた。

左から筆者の鴻池賢三、Jeffrey Liang氏、菊地正志氏

デジタル時代の映像表示を担うエキスパート

まずはBenQの概要についておさらいしておこう。本拠地は台湾で、前身となる企業が電子機器のOEM/ODMビジネスを十数年営んだ後、2001年に「BenQ」を設立する。言うまでもないが、第三次産業革命と言われるコンピューター産業を、高い品質と低コスト化で飛躍させたのが台湾企業であり、同社もまたその流れを汲んでいる。

現在、BenQの主要事業は、全世界で見ると、LCDディスプレイが約50%、DLPプロジェクターが約50%という比率で、デジタル時代の映像表示を担うエキスパートと言える。特にDLPプロジェクターは “GLOBAL #1 DLP Projector Brand” を掲げ、名実共に世界一を誇る。ちなみに日本国内では、LCDディスプレイが約70%、DLPプロジェクターが約30%との事だが、近年はプロジェクターが年々10%の伸びを示していて、大型映像への強いニーズを感じているという。

DLPプロジェクターのトップシェアを誇る

BenQホームシアタープロジェクターの歴史を見ると、プロジェクター、ひいてはホームシアターの流れが良く分かる。BenQの名を知らしめたのは、2008年登場の「W2000」。当時、DLP方式による1080pモデルの登場は衝撃的で、その緻密な映像美は、映画館を超えたと思えるものだった。本格的な高品位ホームシアター時代の幕開けだ。

BenQホームシアタープロジェクターの歴史

その後、1080pモデルの低価格にチャレンジして世界ナンバーワンブランドに上り詰め、2013年の「W1070」では、3D対応で10万円未満という圧倒的なコストパフォーマンスとコンパクトボディを実現。幅広いユーザーがリビングでも手軽にスクリーン大画面を楽しめる「カジュアルホームシアター」というスタイルを生み出した。

「W1070」

Jeffrey氏の言葉からは、720pから1080pへ、2Dから3Dへと、ホームシアター史の節目においてリードしてきたのがBenQであるという自負が感じられた。こうした積極的な姿勢が、同社をナンバーワンブランドへと導き、ひいては、ホームシアター文化の発展にもつながったように思う。

BenQ製品の魅力は独自の開発工程から生まれる

筆者は製品レビューを通じて、BenQ製品に高い魅力を感じてきた。それは「小型で手頃な価格」というだけでなく、良心的な画質、洗練された外観デザインや質感の良さ、日本語フォントを含むOSDの美しさ、ストレスを感じさせない操作性など、細部まで配慮が行き届いた総合力の高さである。

こうした魅力の源泉をJeffrey氏に尋ねてみたところ、興味深い回答を得た。社内に「ライフデザインセンター」と呼ぶ特別な部署を設け、1つの製品に対し1つのチームが、製品の魅力を高めるべく、外観や構造を含む使い勝手まで一貫して取り組んでいるという。

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