次の付加価値としてネットワークに大きく注力
−− 多くの金賞を受賞され、誠におめでとうございます。
栗田 有り難うございます。昨今のテレビ市場は32インチ以下の低価格が中心になっていますが、ソニーは高付加価値で勝負する主力のラインナップを構成し、ビジュアルグランプリでのご評価を頂戴することができました。X-Reality PROによる画質のよさ、3D、ネットワーク、デザインという4つがポイントであり、来年度以降もこの流れでラインナップ強化を行っていきたいと考えています。
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データベース型複数枚超解像を搭載した新高画質回路「X-Reality PRO」は、技術賞を受賞。「X-Reality」と「XCA7」の2チップ構成。 |
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−− アナログ停波後の戦略をあらためてお聞かせいただけますか。
栗田 当初、7月25日以降のテレビ需要は対前年30〜40%になるのではないかと思っていましたが、昨今ではそれなりの需要はあるのではないかとの見方になってきました。エコポイント特需がまだそれほど顕著ではなかった09年度と同等程度になることを期待しています。まずは7月24日迄の需要増にお応えできるようしっかりと準備し、それ以降については需要の変化に柔軟に対応できる体制を整えておきたいと思います。
価格下落の傾向は今後も続くと思いますので、付加価値訴求をすすめるのは喫緊の課題です。高付加価値のラインナップにおいて、3Dは標準のフィーチャーとして搭載しており、加えてネットワークの訴求を強化します。30%を目指すネット接続率は、現時点では10%程度。しかし大型サイズでは20%を超える状況となってきていますから、まずは大型サイズでの接続率を確保していきたいと思います。
一方32インチ以下の接続率は5%程度に止まっており、ここでの啓発活動も肝心です。6月から「ネットにつながるのはソニー」という切り口でテレビコマーシャルも始め、店頭でもYouTubeやSkypeといったネットワーク機能を中心にデモンストレーションを行なっており、お客様からの反響をいただいています。
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Twitter、Facebook、ニコニコ実況などインターネット機能に対応する〈ブラビア〉。専用アプリ「Media Remote」を使用することで、スマートフォンからの操作も行える。 |
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一般のご家庭内に無線LANも普及してきていますが、居間の大画面テレビをネットに接続している家庭はまだ少なく、つながるメリットをしっかりお伝えすることが必要です。
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