卵型スピーカーの秘密<その4>
左はタイムドメインミニ、右は富士通パソコン付属のスピーカー |
(株)タイムドメインの「タイムドメインミニ」と、富士通パソコンに付属の「タイムドメインスピーカー」が実は違う! ということを前回話題にしたが、今回はその違いについてを取り上げよう。
まず、ひとこと。ズバリ、「性能的に、違いがある」ということだ。それは、パソコンの熾烈な市場競争から来ている。
製品というのは発売に至るまで、当初の構想をもとに開発したものから製品化までに数々の試作が行われ、その間に改善はもとより、製造工程などの合理化も行われていく。
パソコンの付属品であれば、オーディオ機器などに比べてその流れはより徹底され、顕著なことだろう。富士通パソコンに付属の「タイムドメインスピーカー」には、パソコン付属品としての合理化が行われているのである。
一方、「タイムドメインミニ(TIMEDOMAIN mini)は、この“銀の小卵”のコアとなっている「タイムドメイン理論」を開発した、(株)タイムドメインが単品で販売している製品だ。このため過度な合理化は本来の狙いとしていない。
ご承知の方も多いことと思うが、富士通パソコンに付属の「タイムドメインスピーカー」の方が、世の中に先に登場してきている。「タイムドメインミニ」の方が付属品よりも後発で、価格は\18,000(1セット・税別)。中には“高い”とか、“人気があるので値上げした……”と思う人がいるかもしれない。
その要因の一つに、富士通パソコンの付属品の小卵は、最近パーツとしてのストックが流出し始めており、その販売価格はこれよりも安い価格となっていることもある。
しかし、先の話のように、パソコン付属品として銀の小卵に行われた合理化のいくつかを取りやめ、タイムドメイン理論を提唱する由井啓之(よしい ひろゆき)氏と、富士通側の音響開発担当セクションとが、当初に意図した設計と音に戻して近づけようとしたのが、「タイムドメインミニ」ということなのだ。
価格の違いはもちろんここから来ている。パーツなど、さまざまな部分で違いがあるわけだ。
(季刊・オーディオアクセサリー編集部)
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