1500REが1600NEへ
デノン、ディスク再生に特化したSACDプレーヤー「DCD-1600NE」。デジタル入力非搭載
デノンは、ディスク再生に特化したSACDプレーヤー「DCD-1600NE」を11月上旬より発売する。価格は120,000円(税抜)。
デノンのHi-Fiコンポーネントの中核ラインナップである1500シリーズが、「1600NEシリーズ」へと刷新。SACDプレーヤーである本機 DCD-1600NEと、プリメインアンプ「PMA-1600NE」(関連ニュース)が登場した。
本機は「DCD-1500RE」(関連ニュース)の後継モデルとなるが、製品コンセプトは転換。DCD-1500REはUSB-DAC内蔵だったが、DCD-1600NEでは非搭載。CD、SACDなどのディスク再生に特化したプレーヤーとなった。
一方でプリメインアンプのPMA-1600NEは、新たにUSB-DACを内蔵。SACDプレーヤーはディスク再生に特化して、プリメインアンプがUSB入力を備えるという仕様は、先行して登場した上位シリーズ「2500NE」を踏襲した格好だ。DCD-1600NEも上位モデル「DCD-2500NE」の成果を継承したモデルとなった。
プレス向け発表会には、本機の設計を担当した出口昌利氏が登場。「本機はSX11、2500NEの流れを継承しつつ設計されたモデルで、従来機1500REをブラッシュアップしたというものではありません」と本機の開発コンセプトを説明した。
ディスクドライブは、DCD-SX11(関連ニュース)で開発されたAdvanced S.V.H Mechanismを採用している。
同じドライブメカを採用するものの、クラスの違いやサイズ上の制約もあり、制御基板には本機に特化した専用の基板を使用。また、DCD-SX11およびDCD-2500NEがアルミダイキャストトレイを採用しているのに対して、本機ではザイロン製トレイおよびモールドメカを使用している。
上位機同様に、ピックアップの制御とデコードを担う回路の最短・最小化を行い、余分な電流やノイズの発生を抑制。トレイに用いたザイロン素材は、共振対策に寄与する。また、メカを低重心化することでディスクの回転による内部振動を低減させ、外部振動にも強い構造とした。こうした不要振動の排除によりサーボ系の動作を最小限にとどめられ、不要な制御や電流の消費を抑えることで高精度で安定した読み出しを可能にしたという。
新ドライブの採用に合わせて、ハイレゾ音源を記録したデータディスクの再生に対応。192kHz/24bitまでのWAV・AIFF・FLAC・ALAC、5.6MHzまでのDSDの再生を保存したDVD-R/-RWやDVD+R/+RWを再生できる。なおCD-R/RWは、48kHzまでのファイルが再生可能だ。
また、ディスク再生の品質を最大限に引き出すため、外部からのデジタル入力は省略。従来モデルで搭載していたUSB-B(USB-DAC)、USB-A(USBメモリー/iPhone)、同軸/光デジタルの入力はいずれも削除された。
デノンのアナログ波形再現技術“αプロセッシング”は、従来の「Advanced AL32 Processing」から、「Advanced AL32 Processing Plus」へと進化。48kHzは16倍、96kHzは8倍、192kHzは4倍にアップサンプリングし768kHzで出力して処理を行うことで、原音に近い補間処理を行うことができるとする。
DACをマスターとしてクロック供給を行い、各デジタル回路を正確に同期させるDACマスター・クロック・デザインを本機も採用。これはDCD-SX11やDCD-2500NEで培われた技術。マスタークロックをD/Aコンバーター直近に配置することで、ジッターも抑制し、高精度なD/A変換を実現する。
なおマスタークロックには、DCD-2500NEと同じ超低位相雑音クリスタルを44.1kHz系・48kHz系ごとに個別搭載する。
また、この高精度クロックの性能を十分に引き出すために、DCD-2500NE同様にクロック発振器の電源を大幅強化。具体的には、クロック電源の根元には、高周波インピーダンス特性に特に優れた音質用導電性高分子コンデンサーを配置。クロック近傍には超小型フィルムコンデンサーを配置した。
各所にDCD-SX11やDCD-2500NEと同様の音質パーツを採用したことも特徴だ。デジタル基板については、DCD-2500NEのデジタル基板をベースに、再度の音質検討を実施、高音質コンデンサーを随所に採用したという。
アナログオーディオ回路用の電源には、デノンオリジナルの3,300μFのブロックコンデンサーが採用された。アナログオーディオ基板も徹底したチューニングを実施して、新規コンデンサーを開発・採用した。
筐体や内部構成は、ディスクの回転や電源トランスにより内部で発生する振動、スピーカーの音圧による空気振動による音楽信号の劣化を防ぐ、デノン自の振動抑止構造「ダイレクト・メカニカル・グラウンド・コンストラクション」に基づいて設計した。
振動を発生する電源トランスをフットの間近に配置して振動を直接グラウンドへと逃がす、最大の質量を持つドライブ・メカニズムをシャーシ中央の低部に配置して低重心化を図るなどして、ディスク回転の内部振動や外部振動に強い構造を実現している。
フットも本機から変更。PMA-1600NEと同様に、リブが入った高剛性・高密度フットを採用している。
出力端子は、アナログ(RCA)を1系統、同軸/光デジタルを各1系統備える。ケーブルは着脱式となる。
オーディオ特性(SACD)は、再生周波数範囲が2Hz〜100kHz、再生周波数特性が2Hz〜50kHz(-3 dB)、S/Nが119dB(可聴帯域)、ダイナミックレンジが112dB(可聴帯域)、高調波歪率が0.0010%(1 kHz、可聴帯域)となる。
消費電力は24W(待機時:0.1W)、外形寸法は434W×135H×329Dmm、質量は8.2kg。
■2500シリーズの開発成果の元で、クラスを超えた表現力を獲得した
発表会には、デノンのサウンドマネージャーであり、DCD-1600NEおよびPMA-1600NEの音質を担当した山内慎一氏が登場。両モデルの音作りにおけるテーマについて説明した。
山内氏は昨年のサウンドマネージャー就任以来、デノン伝統の「繊細さと力強さ」に、新たに「ビビッドとスペーシャス」の要素を加えて、そのサウンドを再定義していくと明言してきた(山内氏インタビュー)。
今回の1600シリーズについても、やはりこの「ビビッドとスペーシャス」をテーマとしているとのこと。山内氏は「その意味では、本機は2500シリーズの延長線上で音作りをしているのですが、このテーマは本機においてさらに軌道に乗り、音の仕上がりもこなれてきたと言えます」とコメント。また、2500シリーズの開発成果が本機に反映されていることもあり、「ひとつ上の製品に引っ張られて、クラスを超えた表現力を獲得したと思う」とコメントしていた。
デノンのHi-Fiコンポーネントの中核ラインナップである1500シリーズが、「1600NEシリーズ」へと刷新。SACDプレーヤーである本機 DCD-1600NEと、プリメインアンプ「PMA-1600NE」(関連ニュース)が登場した。
本機は「DCD-1500RE」(関連ニュース)の後継モデルとなるが、製品コンセプトは転換。DCD-1500REはUSB-DAC内蔵だったが、DCD-1600NEでは非搭載。CD、SACDなどのディスク再生に特化したプレーヤーとなった。
一方でプリメインアンプのPMA-1600NEは、新たにUSB-DACを内蔵。SACDプレーヤーはディスク再生に特化して、プリメインアンプがUSB入力を備えるという仕様は、先行して登場した上位シリーズ「2500NE」を踏襲した格好だ。DCD-1600NEも上位モデル「DCD-2500NE」の成果を継承したモデルとなった。
プレス向け発表会には、本機の設計を担当した出口昌利氏が登場。「本機はSX11、2500NEの流れを継承しつつ設計されたモデルで、従来機1500REをブラッシュアップしたというものではありません」と本機の開発コンセプトを説明した。
ディスクドライブは、DCD-SX11(関連ニュース)で開発されたAdvanced S.V.H Mechanismを採用している。
同じドライブメカを採用するものの、クラスの違いやサイズ上の制約もあり、制御基板には本機に特化した専用の基板を使用。また、DCD-SX11およびDCD-2500NEがアルミダイキャストトレイを採用しているのに対して、本機ではザイロン製トレイおよびモールドメカを使用している。
上位機同様に、ピックアップの制御とデコードを担う回路の最短・最小化を行い、余分な電流やノイズの発生を抑制。トレイに用いたザイロン素材は、共振対策に寄与する。また、メカを低重心化することでディスクの回転による内部振動を低減させ、外部振動にも強い構造とした。こうした不要振動の排除によりサーボ系の動作を最小限にとどめられ、不要な制御や電流の消費を抑えることで高精度で安定した読み出しを可能にしたという。
新ドライブの採用に合わせて、ハイレゾ音源を記録したデータディスクの再生に対応。192kHz/24bitまでのWAV・AIFF・FLAC・ALAC、5.6MHzまでのDSDの再生を保存したDVD-R/-RWやDVD+R/+RWを再生できる。なおCD-R/RWは、48kHzまでのファイルが再生可能だ。
また、ディスク再生の品質を最大限に引き出すため、外部からのデジタル入力は省略。従来モデルで搭載していたUSB-B(USB-DAC)、USB-A(USBメモリー/iPhone)、同軸/光デジタルの入力はいずれも削除された。
デノンのアナログ波形再現技術“αプロセッシング”は、従来の「Advanced AL32 Processing」から、「Advanced AL32 Processing Plus」へと進化。48kHzは16倍、96kHzは8倍、192kHzは4倍にアップサンプリングし768kHzで出力して処理を行うことで、原音に近い補間処理を行うことができるとする。
DACをマスターとしてクロック供給を行い、各デジタル回路を正確に同期させるDACマスター・クロック・デザインを本機も採用。これはDCD-SX11やDCD-2500NEで培われた技術。マスタークロックをD/Aコンバーター直近に配置することで、ジッターも抑制し、高精度なD/A変換を実現する。
なおマスタークロックには、DCD-2500NEと同じ超低位相雑音クリスタルを44.1kHz系・48kHz系ごとに個別搭載する。
また、この高精度クロックの性能を十分に引き出すために、DCD-2500NE同様にクロック発振器の電源を大幅強化。具体的には、クロック電源の根元には、高周波インピーダンス特性に特に優れた音質用導電性高分子コンデンサーを配置。クロック近傍には超小型フィルムコンデンサーを配置した。
各所にDCD-SX11やDCD-2500NEと同様の音質パーツを採用したことも特徴だ。デジタル基板については、DCD-2500NEのデジタル基板をベースに、再度の音質検討を実施、高音質コンデンサーを随所に採用したという。
アナログオーディオ回路用の電源には、デノンオリジナルの3,300μFのブロックコンデンサーが採用された。アナログオーディオ基板も徹底したチューニングを実施して、新規コンデンサーを開発・採用した。
筐体や内部構成は、ディスクの回転や電源トランスにより内部で発生する振動、スピーカーの音圧による空気振動による音楽信号の劣化を防ぐ、デノン自の振動抑止構造「ダイレクト・メカニカル・グラウンド・コンストラクション」に基づいて設計した。
振動を発生する電源トランスをフットの間近に配置して振動を直接グラウンドへと逃がす、最大の質量を持つドライブ・メカニズムをシャーシ中央の低部に配置して低重心化を図るなどして、ディスク回転の内部振動や外部振動に強い構造を実現している。
フットも本機から変更。PMA-1600NEと同様に、リブが入った高剛性・高密度フットを採用している。
出力端子は、アナログ(RCA)を1系統、同軸/光デジタルを各1系統備える。ケーブルは着脱式となる。
オーディオ特性(SACD)は、再生周波数範囲が2Hz〜100kHz、再生周波数特性が2Hz〜50kHz(-3 dB)、S/Nが119dB(可聴帯域)、ダイナミックレンジが112dB(可聴帯域)、高調波歪率が0.0010%(1 kHz、可聴帯域)となる。
消費電力は24W(待機時:0.1W)、外形寸法は434W×135H×329Dmm、質量は8.2kg。
■2500シリーズの開発成果の元で、クラスを超えた表現力を獲得した
発表会には、デノンのサウンドマネージャーであり、DCD-1600NEおよびPMA-1600NEの音質を担当した山内慎一氏が登場。両モデルの音作りにおけるテーマについて説明した。
山内氏は昨年のサウンドマネージャー就任以来、デノン伝統の「繊細さと力強さ」に、新たに「ビビッドとスペーシャス」の要素を加えて、そのサウンドを再定義していくと明言してきた(山内氏インタビュー)。
今回の1600シリーズについても、やはりこの「ビビッドとスペーシャス」をテーマとしているとのこと。山内氏は「その意味では、本機は2500シリーズの延長線上で音作りをしているのですが、このテーマは本機においてさらに軌道に乗り、音の仕上がりもこなれてきたと言えます」とコメント。また、2500シリーズの開発成果が本機に反映されていることもあり、「ひとつ上の製品に引っ張られて、クラスを超えた表現力を獲得したと思う」とコメントしていた。
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