ソニー2004年度第3四半期連結業績概要〜新たな課題は製品の差異化
ソニー(株)は1月27日、第3四半期の連結業績に関する発表を行った。確定された数字はそれぞれ、売上高および営業収入は前年同期比7.5%減の21,482億円、営業利益は13.0%減の1,382億円、当期純利益は55.3%増の1,438億円となった。
同社の連結業績に関する概況については、執行役副社長兼グループ CSO&CFOである井原勝美氏、ならびに執行役員常務の湯原隆男氏が登壇し説明を行った。
エレクトロニクス分野では0.9%の減収となった。フラットパネルテレビ、デジタルスチルカメラ、および液晶リアプロジェクションテレビなどの売上が増加した一方、ブラウン管テレビ、携帯型オーディオ、光学ヘッドなどの売上が減少した。ゲーム分野では自社制作によるソフトのヒットなどにより、ソフト分野での売上は増加したが、ゲーム機PS2の販売数量減少とワールドワイドで戦略的な価格値下げを行った結果、ハードウェアの売上が減少したため全体では減収となった。音楽分野ではグループ会社の(株)ソニー・ミュージックエンタテインメントの売上が増加したが、2004年8月にベルテルスマン社と設立した音楽制作事業の合弁会社「ソニーBMG・ミュージックエンタテインメント」が持分法適用会社となったため減収となった。映画分野では「スパイダーマン2」のDVD/VHSソフトが好調な売り上げを記録し増収となった。ほか金融分野が好調を記録した。
連結当期純利益については、米国子会社のここ数年での業績好転、および今後の業績が堅調に推移するとの見込みを受け、繰延税金資産の評価性引当金を取り崩した結果、税金費用が減少した結果として前年比より大幅な増収を記録した。
本日列席した井原氏からは、ソニーの今後の収益改善に向けた施策も説明された。同社としては今後、「ディスプレイ技術の強化」「デジタルイメージングビジネスの強化」「コネクトカンパニーの設立」「半導体・キーデバイスへの投資」を4つの軸に据えたビジネスを展開していく。
「ディスプレイ技術の強化」としては、同社独自のLCDTVに関する技術をはじめSXRDデバイスを活かした商品の差別化をはじめ、中小型ラインナップの強化、キーデバイスの内製化によるコスト競争力の強化を課題としてあげている。「デジタルイメージングビジネスの強化」としては、ビデオカメラ市場を中心とした「HDクオリティ」の高付加価値を全面に押し出すとともに、DVDラインナップの拡充や、新商品の投入を積極的に行う考えだ。「コネクトカンパニーの設立」については、ネットワークオーディオを中心に、全世界のサービス、コンテンツ、ハードウェアに関する強力なソリューションを早急に供給することを課題とした。また「半導体・キーデバイスへの投資」については、今夏以降には韓国サムスンと組んだデバイスを発表する考えなどを示しながら、差異化と付加価値を創出するコアエンジンとなる半導体、キーデバイスへの投資をより積極的に展開する意気込みを示した。
またエレクトロニクス分野以外のビジネスでは、昨年末に発売された携帯型ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」の国内導入が好調な滑り出しをみせていることからも、次期以降のソニーの業績回復に大きく貢献するであろうという、強い期待感が示された。
(Phile-web編集部)
同社の連結業績に関する概況については、執行役副社長兼グループ CSO&CFOである井原勝美氏、ならびに執行役員常務の湯原隆男氏が登壇し説明を行った。
エレクトロニクス分野では0.9%の減収となった。フラットパネルテレビ、デジタルスチルカメラ、および液晶リアプロジェクションテレビなどの売上が増加した一方、ブラウン管テレビ、携帯型オーディオ、光学ヘッドなどの売上が減少した。ゲーム分野では自社制作によるソフトのヒットなどにより、ソフト分野での売上は増加したが、ゲーム機PS2の販売数量減少とワールドワイドで戦略的な価格値下げを行った結果、ハードウェアの売上が減少したため全体では減収となった。音楽分野ではグループ会社の(株)ソニー・ミュージックエンタテインメントの売上が増加したが、2004年8月にベルテルスマン社と設立した音楽制作事業の合弁会社「ソニーBMG・ミュージックエンタテインメント」が持分法適用会社となったため減収となった。映画分野では「スパイダーマン2」のDVD/VHSソフトが好調な売り上げを記録し増収となった。ほか金融分野が好調を記録した。
連結当期純利益については、米国子会社のここ数年での業績好転、および今後の業績が堅調に推移するとの見込みを受け、繰延税金資産の評価性引当金を取り崩した結果、税金費用が減少した結果として前年比より大幅な増収を記録した。
本日列席した井原氏からは、ソニーの今後の収益改善に向けた施策も説明された。同社としては今後、「ディスプレイ技術の強化」「デジタルイメージングビジネスの強化」「コネクトカンパニーの設立」「半導体・キーデバイスへの投資」を4つの軸に据えたビジネスを展開していく。
「ディスプレイ技術の強化」としては、同社独自のLCDTVに関する技術をはじめSXRDデバイスを活かした商品の差別化をはじめ、中小型ラインナップの強化、キーデバイスの内製化によるコスト競争力の強化を課題としてあげている。「デジタルイメージングビジネスの強化」としては、ビデオカメラ市場を中心とした「HDクオリティ」の高付加価値を全面に押し出すとともに、DVDラインナップの拡充や、新商品の投入を積極的に行う考えだ。「コネクトカンパニーの設立」については、ネットワークオーディオを中心に、全世界のサービス、コンテンツ、ハードウェアに関する強力なソリューションを早急に供給することを課題とした。また「半導体・キーデバイスへの投資」については、今夏以降には韓国サムスンと組んだデバイスを発表する考えなどを示しながら、差異化と付加価値を創出するコアエンジンとなる半導体、キーデバイスへの投資をより積極的に展開する意気込みを示した。
またエレクトロニクス分野以外のビジネスでは、昨年末に発売された携帯型ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」の国内導入が好調な滑り出しをみせていることからも、次期以降のソニーの業績回復に大きく貢献するであろうという、強い期待感が示された。
(Phile-web編集部)