<FPD International 液晶編(1)> フルHDは当たり前、画質や動画応答性能の改善がカギ
本日より21日まで、フラットパネルディスプレイの総合展示会「FPD International 2005」がパシフィコ横浜で開催されている。入場料は2,000円だが、事前登録を行えば無料。ここでは、フルHDパネルや高速応答技術など、興味深い展示が目白押しだった、液晶ディスプレイ関連の話題をお伝えしていこう。
■シャープ
国内液晶テレビの雄、シャープは、65V/57V型のフルHD AQUOSをブースの真ん中に展示。57V型に搭載されている高速動画性能改善技術をアピールしている。この技術は、従来のホールド表示を独自のインパルス表示に改め、G to G(グレイ・トゥ・グレイ)の応答速度を6msから4msへ向上させるもの。駆動速度も従来の60Hzから120Hzに上げている。同社では、「従来の黒挿入やバックライト点滅技術では、輝度やコントラスト、消費電力が下がったり、画像がチラついたりと様々なデメリットが生じてしまうが、この技術ではそれが起こらない。動画性能の課題を完全に解決した」と説明する。この技術はまず57V型のAQUOSに搭載されるが、来年から他モデルにも順次採用していくという。
シャープブースではこのほか、左右で異なる映像を表示する“デュアルビュー液晶”の45V型を展示。デモ映像はBS-iが制作協力したドラマで、一つの場面を2台のカメラで撮影し、それぞれを左右の画面に表示していた。たとえば、左ではセリフを喋っている登場人物の表情、右ではそれを聞いている人物の表情、という演出も行え、これを応用すれば新しい感覚のドラマを作ることもできそうだ。26V型のデュアルビュー液晶も展示され、これにはゲーム機2台を接続。左右にレースゲームの別プレーヤーの操作画面を表示し、テレビを2台用意しなくても2画面対戦が行えるメリットをアピールしていた。
また、コントラスト比が100万対1という「メガコントラスト液晶」の体験コーナーや、左右からののぞき見を防止する「ベールビュー液晶」など、液晶ディスプレイの用途を積極的に広げようという意気込みが感じられた。
■サムスン電子
サムスン電子は、産業用からモバイル、テレビ用途まで、非常に多岐にわたる液晶ディスプレイをラインナップ。また、技術面でもこれまでにない新たな取り組みが目立った。
テレビ用のパネルでは、サムスン独自の広視野角技術「S-PVA」を採用したものを数多く展示。同社では「視野角180度の完璧な視野角を実現した」と主張している。解像度は、もはや1920×1080のフルHDのものがメインで、32/40/46/57型のフルHDパネルを展示した。
さらに、「世界最大のTFT-LCD」として、82V型の液晶テレビも展示。S-PVA方式を採用し、600cd/m2、コントラスト比1200対1というスペックを誇る。
また、低消費電力なLEDバックライト搭載液晶テレビにも注力。46インチのLEDバックライト液晶テレビが展示され、500cd/m2時で220Wという低い消費電力を訴求している。
液晶のデメリットである動きボケを解消する技術も展示され、シャープと同じく120Hzで駆動させたパネルを展示。従来の60Hzパネルとの比較デモを行っていた。
液晶テレビ以外では、40インチのアクティブマトリックス式有機ELディスプレイを出展し、注目を集めていた。アモルファスシリコンTFTベースのディスプレイで、解像度は1280×800ピクセル、パネルの薄さは1.4mm。400cd/m2、コントラスト比1000対1という仕様だ。
■LG.PHILIPS LCD
LG.PHILIPS LCDのブースは、同社が押しすすめるS-IPS方式のテレビ用液晶パネルを展示する。IPS方式は、国内でも日立製作所、松下電器、東芝などが採用するもので、視野角が広いというメリットがある。
フルHDパネルは37/42/47/55型の4種類を展示。55型のスペックは、600cd/m2、1200対1、応答速度は8ms。
動きボケを低減する120Hz駆動パネルの展示、低消費電力なLEDバックライト搭載パネルなどの展示も行われているが、これはサムスン電子とほぼ同じ内容。この2つが液晶ディスプレイの共通の課題であることがわかる。LEDバックライト搭載テレビは47型で270Wとなっており、サムスン電子よりもやや消費電力が大きい。
面白いところでは、687億色を表示できるという42型パネルや、LEDと蛍光ライトのハイブリッドバックライトを搭載した32型のパネルなどが技術開発の成果として紹介されていた。
(Phile-web編集部)
■シャープ
国内液晶テレビの雄、シャープは、65V/57V型のフルHD AQUOSをブースの真ん中に展示。57V型に搭載されている高速動画性能改善技術をアピールしている。この技術は、従来のホールド表示を独自のインパルス表示に改め、G to G(グレイ・トゥ・グレイ)の応答速度を6msから4msへ向上させるもの。駆動速度も従来の60Hzから120Hzに上げている。同社では、「従来の黒挿入やバックライト点滅技術では、輝度やコントラスト、消費電力が下がったり、画像がチラついたりと様々なデメリットが生じてしまうが、この技術ではそれが起こらない。動画性能の課題を完全に解決した」と説明する。この技術はまず57V型のAQUOSに搭載されるが、来年から他モデルにも順次採用していくという。
シャープブースではこのほか、左右で異なる映像を表示する“デュアルビュー液晶”の45V型を展示。デモ映像はBS-iが制作協力したドラマで、一つの場面を2台のカメラで撮影し、それぞれを左右の画面に表示していた。たとえば、左ではセリフを喋っている登場人物の表情、右ではそれを聞いている人物の表情、という演出も行え、これを応用すれば新しい感覚のドラマを作ることもできそうだ。26V型のデュアルビュー液晶も展示され、これにはゲーム機2台を接続。左右にレースゲームの別プレーヤーの操作画面を表示し、テレビを2台用意しなくても2画面対戦が行えるメリットをアピールしていた。
また、コントラスト比が100万対1という「メガコントラスト液晶」の体験コーナーや、左右からののぞき見を防止する「ベールビュー液晶」など、液晶ディスプレイの用途を積極的に広げようという意気込みが感じられた。
■サムスン電子
サムスン電子は、産業用からモバイル、テレビ用途まで、非常に多岐にわたる液晶ディスプレイをラインナップ。また、技術面でもこれまでにない新たな取り組みが目立った。
テレビ用のパネルでは、サムスン独自の広視野角技術「S-PVA」を採用したものを数多く展示。同社では「視野角180度の完璧な視野角を実現した」と主張している。解像度は、もはや1920×1080のフルHDのものがメインで、32/40/46/57型のフルHDパネルを展示した。
さらに、「世界最大のTFT-LCD」として、82V型の液晶テレビも展示。S-PVA方式を採用し、600cd/m2、コントラスト比1200対1というスペックを誇る。
また、低消費電力なLEDバックライト搭載液晶テレビにも注力。46インチのLEDバックライト液晶テレビが展示され、500cd/m2時で220Wという低い消費電力を訴求している。
液晶のデメリットである動きボケを解消する技術も展示され、シャープと同じく120Hzで駆動させたパネルを展示。従来の60Hzパネルとの比較デモを行っていた。
液晶テレビ以外では、40インチのアクティブマトリックス式有機ELディスプレイを出展し、注目を集めていた。アモルファスシリコンTFTベースのディスプレイで、解像度は1280×800ピクセル、パネルの薄さは1.4mm。400cd/m2、コントラスト比1000対1という仕様だ。
■LG.PHILIPS LCD
LG.PHILIPS LCDのブースは、同社が押しすすめるS-IPS方式のテレビ用液晶パネルを展示する。IPS方式は、国内でも日立製作所、松下電器、東芝などが採用するもので、視野角が広いというメリットがある。
フルHDパネルは37/42/47/55型の4種類を展示。55型のスペックは、600cd/m2、1200対1、応答速度は8ms。
動きボケを低減する120Hz駆動パネルの展示、低消費電力なLEDバックライト搭載パネルなどの展示も行われているが、これはサムスン電子とほぼ同じ内容。この2つが液晶ディスプレイの共通の課題であることがわかる。LEDバックライト搭載テレビは47型で270Wとなっており、サムスン電子よりもやや消費電力が大きい。
面白いところでは、687億色を表示できるという42型パネルや、LEDと蛍光ライトのハイブリッドバックライトを搭載した32型のパネルなどが技術開発の成果として紹介されていた。
(Phile-web編集部)