「PS3」ガチンコ対決! パナソニック「DMR-BW200」とBDビデオ画質を比較
AVファンから見たPLAYSTATION3は、やはり低価格で購入できるBD-ROMプレーヤーとしての存在感が大きいだろう。今回の刺客は奇しくも同時期に発売されたパナソニックのBDレコーダー「DMR-BW200」だ。PS3の再生画質はどうなのか、その実力を比較・検証する。
●BDプレーヤーとして見たPS3
PS3がBD-ROMの再生に対応していることは、もはや説明不要だろう。HDMI端子はバージョン1.3で1080pのフルHD出力にも対応。元が高画質なBD-ROMを再生できるだけに、以前のテストでは十分画質がよいと評価を下していた。しかし、発売された他の製品と比べてどの程度の違いがあるのかというのが今回の企画のポイントとなる。
対戦相手として選んだのは、パナソニックから発売されたBDレコーダーの「DMR-BW200」(製品データベース)だ。こちらはHDDを内蔵して録画に対応したBDレコーダーだけあって価格は約30万円と実に約5倍も価格差があるだけに、その画質がどれだけ良いかも気になるところだ。
今回の視聴は音元出版の視聴室で行い、モニタはソニーBRAVIA Xシリーズの46型「KDL-46X2500」(製品データベース)を使って比較している。接続は両モデルともにHDMIケーブルを使用した。音の環境は前回と同じくAVアンプにSR7001、スピーカーにモニターオーディオのSilverRSシリーズを組み合わせている。
●PS3×DMR-BW200で画質対決!
BD-ROMソフトの再生はどちらも既にテストを行っているので、今回は画質を中心にテストを行った。比較に使った作品は画質を重視して2層BD-ROM採用、MPEG2の高ビットレートで収録している『キングダム・オブ・ヘブン』を使用している。今回も前回同様、両機で同じシーンを何回も繰り返し再生して比較している。チェックに使ったチャプターは「3」「6」「8」だ。
1回目の再生では、まずはPS3の画質が十分高画質で相当な情報量が出ていることがハッキリと分かる。一方のDMR-BW200の映像も高精細でBD-ROMの実力をしっかりと出している。この時点での感想は「チャプター3」など「ちょっと違う気がする」という程度で何が違うのかは直感的には分からなかった。ちなみに同席していた担当編集は、「全く違いが分からない」と言っていたほどだ。
2回目の再生では、違いが暗部の階調にあることに気づいた。「チャプター6」の屋根の内側下のシーンを使って映像を一時停止して、しっかりと記憶してからHDMIケーブルを繋ぎ変えて見比べてみると、やはりPS3の方が暗部のディティールが出ていない箇所がある。そして3回目、4回目と比べてみると、PS3の方が全体に輝度を上げたような情報で暗部が潰れており、一方でDMR-BW200は全体のトーンを落としてその分しっとりとした画を作っているのが分かった。「チャプター8」の引いたカットを表示した際の奥行き感もPS3よりもDMR-BW200の方が立体的だ。
●画質はDMR-BW200の方が上だが…
今回のテストの結果は以上の通りだ。現時点で市販されているBD再生対応機器(PCを除く)は2機種しかなく、どちらが正しいのかは分からないが、映画を見るのであればDMR-BW200の方が好ましい画作りである。PS3との違いは、一度気づいてしまえば「ああ、確かに違うな」と声を合わせながら視聴できるくらいの差はある。
しかし、PS3を使った再生画質に問題があるかと言うと、実は全く不満はない。今回はプレーヤーがどう違うかという観点かで比較しているが、色合いの違いはモニター側の調整で対応すれば済む範囲である。DVDプレーヤーは元の映像から、いかにノイズを取り高画質に作り替えるかでクオリティの差が現れていた。一方、BDプレーヤーは元のBD-ROMに収録している映像の時点で十分過ぎるほど画質が良く、再生できるというだけで十分過ぎるほど高画質である。あとの味付けの部分はモニター側の調整で済ませると考えれば、PS3の驚異的なコストパフォーマンスが活きてくる。
また、前回も書いたが、PS3は、近々システムソフトウェアのアップデートが行われるという噂があり、これによってBD再生の画質が高まることも考えられる。PS3の画質はまだまだ発展途上であることも付け加えておく必要があるだろう。
●対戦相手選定中!
BD-ROM再生対決を低価格を武器に打ち破ったPS3。しかしライバルたちはその座を虎視眈々と狙っている。次のライバルは同価格帯で発売された某プレーヤーか、はたまた某機種の再戦か。続報を待て!
(折原一也)
●BDプレーヤーとして見たPS3
PS3がBD-ROMの再生に対応していることは、もはや説明不要だろう。HDMI端子はバージョン1.3で1080pのフルHD出力にも対応。元が高画質なBD-ROMを再生できるだけに、以前のテストでは十分画質がよいと評価を下していた。しかし、発売された他の製品と比べてどの程度の違いがあるのかというのが今回の企画のポイントとなる。
対戦相手として選んだのは、パナソニックから発売されたBDレコーダーの「DMR-BW200」(製品データベース)だ。こちらはHDDを内蔵して録画に対応したBDレコーダーだけあって価格は約30万円と実に約5倍も価格差があるだけに、その画質がどれだけ良いかも気になるところだ。
今回の視聴は音元出版の視聴室で行い、モニタはソニーBRAVIA Xシリーズの46型「KDL-46X2500」(製品データベース)を使って比較している。接続は両モデルともにHDMIケーブルを使用した。音の環境は前回と同じくAVアンプにSR7001、スピーカーにモニターオーディオのSilverRSシリーズを組み合わせている。
●PS3×DMR-BW200で画質対決!
BD-ROMソフトの再生はどちらも既にテストを行っているので、今回は画質を中心にテストを行った。比較に使った作品は画質を重視して2層BD-ROM採用、MPEG2の高ビットレートで収録している『キングダム・オブ・ヘブン』を使用している。今回も前回同様、両機で同じシーンを何回も繰り返し再生して比較している。チェックに使ったチャプターは「3」「6」「8」だ。
1回目の再生では、まずはPS3の画質が十分高画質で相当な情報量が出ていることがハッキリと分かる。一方のDMR-BW200の映像も高精細でBD-ROMの実力をしっかりと出している。この時点での感想は「チャプター3」など「ちょっと違う気がする」という程度で何が違うのかは直感的には分からなかった。ちなみに同席していた担当編集は、「全く違いが分からない」と言っていたほどだ。
2回目の再生では、違いが暗部の階調にあることに気づいた。「チャプター6」の屋根の内側下のシーンを使って映像を一時停止して、しっかりと記憶してからHDMIケーブルを繋ぎ変えて見比べてみると、やはりPS3の方が暗部のディティールが出ていない箇所がある。そして3回目、4回目と比べてみると、PS3の方が全体に輝度を上げたような情報で暗部が潰れており、一方でDMR-BW200は全体のトーンを落としてその分しっとりとした画を作っているのが分かった。「チャプター8」の引いたカットを表示した際の奥行き感もPS3よりもDMR-BW200の方が立体的だ。
●画質はDMR-BW200の方が上だが…
今回のテストの結果は以上の通りだ。現時点で市販されているBD再生対応機器(PCを除く)は2機種しかなく、どちらが正しいのかは分からないが、映画を見るのであればDMR-BW200の方が好ましい画作りである。PS3との違いは、一度気づいてしまえば「ああ、確かに違うな」と声を合わせながら視聴できるくらいの差はある。
しかし、PS3を使った再生画質に問題があるかと言うと、実は全く不満はない。今回はプレーヤーがどう違うかという観点かで比較しているが、色合いの違いはモニター側の調整で対応すれば済む範囲である。DVDプレーヤーは元の映像から、いかにノイズを取り高画質に作り替えるかでクオリティの差が現れていた。一方、BDプレーヤーは元のBD-ROMに収録している映像の時点で十分過ぎるほど画質が良く、再生できるというだけで十分過ぎるほど高画質である。あとの味付けの部分はモニター側の調整で済ませると考えれば、PS3の驚異的なコストパフォーマンスが活きてくる。
また、前回も書いたが、PS3は、近々システムソフトウェアのアップデートが行われるという噂があり、これによってBD再生の画質が高まることも考えられる。PS3の画質はまだまだ発展途上であることも付け加えておく必要があるだろう。
●対戦相手選定中!
BD-ROM再生対決を低価格を武器に打ち破ったPS3。しかしライバルたちはその座を虎視眈々と狙っている。次のライバルは同価格帯で発売された某プレーヤーか、はたまた某機種の再戦か。続報を待て!
(折原一也)