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中鉢現社長は副会長に

【更新】ソニー、ストリンガーCEOが社長兼務 − ネットワークやコンシューマーを統合した2つの事業グループを新設

公開日 2009/02/27 16:19 Phile-web編集部
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ソニー(株)は、同社の機構改革と経営体制を変更。ゲーム事業、エレクトロニクス事業など同社事業グループの大幅な構造再編を行う。4月1日付けで新たに2つの事業グループを創設し、ネットワークに接続する製品やサービスを創出するための体制強化を図る。本日、東京都内で新体制の説明会が開催された。

現在社長を務める中鉢良治氏が取締役 代表執行役 副会長へ退き、同社代表取締役会長 兼CEOのハワード・ストリンガー氏が社長職を兼務する。ストリンガー氏は、会長、社長、CEOを兼務する理由について「CEOは新たなイノベーションを実現する必要があり、それには各分野のリーダーと直接意見交換ができることが重要。社長にほかの人を設け、レイヤーを増やす必要はない」と説明した。

会見に出席したストリンガー現会長兼CEO(右)と中鉢現社長(左)

新たに新設される事業グループの一つは「ネットワークプロダクツ&サービス・グループ」で、(株)ソニー・コンピュータエンタテインメント、PC「VAIO」、ウォークマンなどモバイル製品のほか、ソニー製品の共通サービスプラットフォームを開発する「ソニーメディアソフトウェア・サービス」から構成される。同グループのプレジデントには、SCE社長兼グループCEOの平井一夫氏が執行役EVPとして就任する。さらにこの事業グループのデピュティプレジデントとVAIO事業本部長には、これまで米ソニーエレクトロニクス EVPを務めていた鈴木国正氏が就任する。

エレクトロニクス事業とゲーム事業を結合することにより、ストリンガー氏が重きをおく「ネットワーク対応製品/サービス」などの事業で新製品/サービスの収益力向上を目指す。さらに、先端技術を結集した新たな製品創出に注力する。

もうひとつは「(新)コンスーマー・プロダクツ・グループ」で、テレビ、デジタルイメージング、ホームオーディオ、ビデオなどコンシューマー向け製品の中核カテゴリー事業を統括したもの。製品力の強化に加え、オペレーションのスピードや効率のアップを実現する体制づくりを追求する。

同グループのプレジデントには、現業務執行役員EVP兼テレビ事業本部長の吉岡浩氏が就任する。吉岡氏は同時に執行役副社長にも就任するほか、さらに半導体・コンポーネント事業も担当しながら、コンシューマー製品とデバイスの開発・事業戦略の連携と収益力強化を指揮していく。また、現業務執行役員SVPを担当し、VAIO事業本部長でもある石田佳久氏がテレビ事業本部長に就任する。

今回の機構改革についてストリンガー氏は、「経済機器や競争環境の変化などに対応するため、これまでソフトとハードの統合を“Sony United”のスローガンのもと展開してきたが、さらに組織変革やネット対応製品の拡充、サービスの加速化が必要と判断した。今回、実力のある次世代のリーダーを登用した」と説明。本日の会見には、ストリンガー現会長、中鉢現社長のほか、吉岡氏、石田氏、平井氏、鈴木氏のあわせて6名が登壇。経営陣の若返りを印象づけた。

ソニーの新たなオペレーション体制

ストリンガー氏は、「(新)コンスーマー・プロダクツ・グループ」について、「テレビ、デジタルイメージング、ビデオはソニーが再び成功するために不可欠な分野。テレビやDIの状況は厳しいが、今後製品の発売のスピードを上げ、コストを下げ、我々にとってのコア事業の収益力を高めていく。また、特に新興国では妥当なコストで魅力のある製品を展開していきたい」と説明。

新グループのリーダーとなる吉岡氏は、「私に課せられた使命は収益力の回復。すべてのフローを見直していきたい。特に新興国は重点課題だ」とし、「昨年からテレビ事業を11ヶ月間担当し、コストダウンなどたくさんの改善を行った結果、着実に体力の強化は進んでいる。率直に思うのは、テレビ事業のスピード感覚がIT事業に近くなっているということ。これまでVAIO事業を率いていた石田がテレビを担当することで、スピード感を持って取り組んでもらえると思う。テレビ以外の事業については、強み、弱みをすべてレビューした上で決断、投資を行っていく」と説明。

新たに「(新)コンスーマー・プロダクツ・グループ」のプレジデントに就任する吉岡浩氏

VAIO事業本部長からテレビ事業本部長に異動する石田佳久氏

さらに吉岡氏は「平井とはネットワーク対応製品の連携を強めて、中期的な戦略の中で積極的に意見交換を行いたい。ソニーらしい商品をたくさん出して、ソニーらしい成果を上げていきたい」とも述べ、テレビなどでもネットワーク機能の強化を行う考えを強調した。

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