正式発表前の新製品の姿も
ソニー、ディーラーコンベンション2009で新製品を多数展示 - 3Dデモも参考出展
■“S-Frame”にはプリンター一体型やスワロフスキーモデルも
デジタルフォトフレーム“S-Frame”のコーナーでは、「DPF-X1000」など現行モデル各機種に加えて9V型の大画面モデルなども参考出品。スワロフスキーの装飾をあしらったモデルなども展示していた。
中でもユニークだったのが、プリンターを一体化したモデル。フォトフレームとして飾っておき、表示された写真を気に入った知人などにその場でプリントしてプレゼントできるという利点を持っている。同社説明員の話によると「独自調査では、少々意外だったが実際に写真をプリントしたいニーズが若年層に高いことが分かった。そうしたニーズに応えるために開発した」という。
また、スワロフスキーモデルについても「当社は早くからデザインにも注力してきた甲斐もあり大きなシェアを獲得できているが、他社からもデザイン性を重視したモデルが増えてきていることから、差別化を図る意味も込めている」との説明を聞くこともできた。
■Walkman専用ドック搭載コンポや型番ナシの新製品ヘッドホンなどの姿も
オーディオ関連機器のコーナーには、“Walkman”やヘッドホン、関連アクセサリーなどがズラリと並ぶ。その中には、Walkman用ドックを搭載したHDDコンポやアクティブスピーカーシステムも参考出品されていた。
両機種ともに対応するのはWM-PORTを搭載した“Walkman”で、音楽を再生しながら本体への充電も可能。HDDコンポはCD再生とFM/AMラジオ再生が可能だ。
また、ヘッドホンコーナーにも新製品を参考展示。型番などはまだ明らかにされていなかったが、ファッション性にも配慮した「MDR-570LP」や「MDR-370LP」(関連ニュース)の系譜にある製品で、「シックな黒いスーツを着ているような男性をターゲットにした」(同社説明員)という。
■「“make.believe”は創業以来の精神につながる新しいブランドメッセージ」
コンベンションでは、製品披露に先駆けてソニーマーケティング(株)代表取締役社長の栗田伸樹氏があいさつ。業界動向や年末商戦に向けての意気込みについて語った。
栗田氏は「エコポイントの追い風により、今年の夏商戦はテレビを中心にAV市場全体が前年を越えるなど回復の兆しが見えてきた気がする」とコメント。7月のフラットテレビの出荷台数が昨年のオリンピック需要を越える141%という高い伸びを見せたことに触れ、「年末商戦に向けて、回復への道を確実なものにするべく、先進技術に支えられた製品群と、その製品がつながることで楽しめるという両軸で様々な提案を続けていきたい」と語った。
続けて栗田氏は、販売戦略についてセット提案を強化していくことを発表。「薄型テレビの世帯普及率は6割を越えたが、家庭内にはまだまだ多くのアナログテレビが残っている」と述べ、2台目需要やパーソナル需要を意識した提案を行っていくとし「家庭内のテレビ全てを早くHD化していく」とコメント。DLNAを使ってのネットワーク化の推進などで「新しいテレビの楽しみ方の普及に弾みをつけていきたい」と語った。
また、製品のネットワーク化については「2010年にソニー製品の90%をネットワーク対応のモデルにする」としたCEOのストリンガー氏の宣言についても言及。「ただし、ネット接続への対応は“入場券”にすぎない。重要なのは、そこで何ができるのかということだ」と栗田氏は言葉を続け、何ができるかという点を「コト軸」と名付けて様々な提案を行っていくと明かした。
あいさつの最後には、会場のスクリーンに創業者の井深大氏と盛田昭夫氏の写真が映し出され「力を合わせれば夢は必ずかなう。作らなければ、ただの夢で終わっていた。好奇心から、創る力が生まれる。創る力を信じれば、夢を実現できる」という両氏の言葉を紹介。
栗田氏は「“make.believe”は、ソニーの創業以来のものづくりの精神につながる新しいブランドメッセージだ」と説明を加え、「エンターテイメントとエレクトロニクスというふたつの要素が我々の想像力を掻き立て、夢を実現させる力となる」とコメント。「それがネットにつながり、21世紀の新しいエンターテイメントの世界を変えていく。これが“make.believe”に込められた意味だと信じている」と言葉を続けた。
最後に栗田氏は「さらなるブランド力アップ、日本力の強化で、日本市場においてソニーの復活を確実なものにすることに邁進していく」と力強く宣言。「世界に誇れる日本の家電産業のいち早い復活に向けて貢献を果たせるよう、全社一丸となって取り組んでいく」と述べた。