第3世代の光学エンジンにより基本画質を大幅向上
ビクター、3D対応のD-ILAプロジェクター「DLA-X7」「DLA-X3」を発売
画質モードも前機種よりもさらに充実している。X7/X3ともに6つの基本画質モードが設けられ、「THXディスプレイ規格認証」を申請中のX7は、この6つの他に「THX」モードが加わる予定だ。またX7には新しいカラーフィルターが採用されており、従来機でサポートしていたsRGBの色空間を超える、Adobe RGBの色空間再現に対応し、従来機との比較で約20%アップの色空間再現を可能にしている。
従来機が搭載する画質モードでは「色温度」「ガンマ」「明るさ」「色の濃さ」「シャープネス」などのパラメーターを設定することで決められていたが、再現できる色領域は一つしかなかった。X7/X3では、新たに映像素材に適したカラープロファイルの設定メニューが設けられ、画質モードごとに設けられたカラープロファイルを掛け合わせて設定することで、元の映像素材により忠実な映像再現が可能になる。下記がDLA-X7に設けられた6種類の画質モードと、それぞれに設けられたカラープロファイルの一覧となる。
DLA-X7 新ピクチャーモード | ||
画質モード | カラープロファイル | 色域 |
フィルムモード | Film1 | XenonをKodak Filmにあてた色域 |
Film2 | XenonをFuji Filmにあてた色域 | |
シネマモード | Cinema1 | JVCオリジナルの色域 |
Cinema2 | DCI規格と同等の色域 | |
Standard | BT.709(HDTV)の色域 | |
アニメモード | Anime1 | CG系アニメが最適となる色域 |
Anime2 | セル系アニメが最適となる色域 | |
Standard | BT.709(HDTV)の色域 | |
ナチュラルモード | Standard | BT.709(HDTV)の色域 |
Video | テレビドラマ/スポーツなどに最適な色域 | |
Vivid | ゲームなどに適した鮮やかな色域 | |
Adobe RGB | Adobe RGBの色域 | |
ステージモード | Stage | 音楽ライブやオペラなど、舞台で使用されている照明の特性に合わせた色域 |
Standard | BT.709(HDTV)の色域 | |
3Dモード | 3D | 3D用メガネを使用した時に最適となる色域 |
Standard | BT.709(HDTV)の色域 | |
Vivid | ゲームなどに適した鮮やかな色域 | |
THXモード ※DLA-X7のみ搭載予定 | - | - |
なおDLA-X3の場合は、X7だけが搭載予定の「THXモード」を除く上記6つの画質モードを備え、それぞれに「Standard/BT.709(HDTV)の色域」「Wide/DCI規格と同等の色域」「Wide2/sRGBに近似した色域」の3つのカラースペースを組み合わせて映像調整が行える。なお、X7/X3ともに、ユーザーが調整した画質の設定値を2件までメモリーに登録できる。
上位機のX7には、HD950に採用されていた「RGBCMY」の6軸調整に加え、新たに「オレンジ」を追加した7軸の色相/彩度/明度の調整機能が採用されている。これにより中間色の微妙な色再現が可能になり、特に人の肌の色がより緻密に再現できるようになるという。カラー調整のGUIは、7軸から特定の一色だけを表示して基本ポジションを調整後、色相/彩度/明度を個別に調整できる操作性を実現している。
さらに上位機のX7には画質モードを「フィルムモード」に指定した際に使える、独自の画質調整「フィルムトーン機能」が設けられた。本機能ではフィルム画質を損なわずに、また複雑な画質調整を行わずにガンマ/コントラスト/明るさのバランスを取りながら、設置環境に応じた好みの“明るさ”だけを設定できる。これにより、黒浮きや白つぶれを発生させることなく、映像の明るさを追い込むことができる。なお明るさの設定値は32段階で調整できる。また暗部・明部それぞれに独立させて階調表現が調整できる補正機能も搭載している。
その他、HD950/HD550にも設けられていた「スクリーン補正モード」も強化された。本機能はユーザーが所有するスクリーンの特性に合わせて最適なモードを選択することにより、より自然で色彩バランスのとれた映像に補正できるというもの。X3はA/B/Cの3種類に大別したプリセットを設けている。さらにX7は94製品のスクリーンを実測したパラメータを内蔵しており、ユーザーが所有するスクリーンごとに映像を補正することが可能だ。なお、個別のスクリーンとプロジェクターが内蔵するパラメータのマッチングは、同社ウェブサイトで確認することができる。
独自開発の「レンズアパーチャー」は、レンズ側とランプ側の2箇所にアパーチャー機構を配置し改良を行った。X7/X3ともに16段階で任意の明るさに調整が行え、より深みのある黒表現が楽しめる。
レンズはED(低分散)レンズを含む15群17枚のオールガラスレンズを搭載した「高性能2倍電動ズーム・フォーカスレンズ」を採用。電動レンズシフトは上下80%/左右34%に対応。デジタルキーストン補正は垂直30度/水平40度の幅で対応する。レンズをセンター配置にした本体レイアウトはDLA-HD100以来。電源投入時に自動開閉するオートレンズカバーも設けている。電動式/固定式のアナモフィックレンズの装着にも対応する。
リモコンはブラックをメインにカラーリングし、ユーザーメモリー2件を含む画質モードのダイレクトセレクトボタンも配置している。ボタンは暗所での操作に便利なバックライトを搭載する。
次ページ12月上旬の発売に先駆けて“DLA-X”シリーズの先行視聴体験会を開催
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トピック
- ジャンルD-ILAプロジェクター
- ブランドVICTOR
- 型番DLA-X7
- 発売日2010年12月上旬
- 価格¥840,000(税込)
【SPEC】●表示デバイス:フルハイビジョン対応D-ILA デバイス ●パネルサイズ:0.7インチ×3(16:9) ●解像度:1920×1080 ●レンズ:2倍電動ズーム・フォーカスレンズ ●レンズシフト:上下80%、左右34% ●投影サイズ:60インチ〜200インチ ●光源ランプ:220W超高圧水銀ランプ ●輝度:1,300lm ●コントラスト:70,000対1 ●ビデオ入力端子:HDMI×2、コンポーネント1、PC入力1、トリガー端子、RS-232C、LAN端子、リモート端子、3Dシンクロ ●騒音レベル:20dB(ランプ標準モード時) ●消費電力:350W(スタンバイ時0.9W) ●外形寸法:455W×179H×472Dmm ●質量:15.1kg
- ジャンルD-ILAプロジェクター
- ブランドVICTOR
- 型番DLA-X3
- 発売日2010年12月上旬
- 価格¥OPEN(予想実売価格490,000円前後)
【SPEC】●表示デバイス:フルハイビジョン対応D-ILA デバイス ●パネルサイズ:0.7インチ×3(16:9) ●解像度:1920×1080 ●レンズ:2倍電動ズーム・フォーカスレンズ ●レンズシフト:上下80%、左右34% ●投影サイズ:60インチ〜200インチ ●光源ランプ:220W超高圧水銀ランプ ●輝度:1,300lm ●コントラスト:50,000対1 ●ビデオ入力端子:HDMI×2、コンポーネント1、トリガー端子、RS-232C、リモート端子、3Dシンクロ ●騒音レベル:20dB(ランプ標準モード時) ●消費電力:350W(スタンバイ時0.9W) ●外形寸法:455W×179H×472Dmm ●質量:14.7kg