マランツ、“音質も機能も妥協なし”の薄型AVアンプ「NR1607」。アトモス/DTS:Xに対応
高さ10.5cmというスリム筐体ながら、7chフルディスクリート・パワーアンプを搭載。前モデルから引き続きドルビーアトモスに対応し、DTS:Xにもアップデートで対応する。HDMIは8入力・1出力を備え、4K/HDRやHDCP2.2などにも対応。BluetoothやWi-Fiを内蔵し、5.6MHz DSDを含むハイレゾ再生機能を備える。セットアップアシスタント機能による簡単設定など、使いやすさにも配慮している。
■スリム筐体ながら全ch同一クオリティーの7chディスクリートアンプを搭載
マランツは2009年に発売した「NR1501」から薄型AVアンプの展開を開始した。翌年登場した「NR1601」からは「リビングにおけるコントロールセンター」としてのコンセプトのもと、価格は少し上がったものの大型AVアンプと同等の機能を備え、以降は毎年モデルを更新してきた。
オブジェクトオーディオについては、前モデル「NR1606」に引き続いてドルビーアトモスに対応。DTS:Xについてもファームウェアアップデートで対応する(対応時期は決定し次第アナウンス)。「5.1.2」ch構成による5通りのトップスピーカー配置(フロントハイト、トップフロント、トップミドル、フロントイネーブルド、サラウンドイネーブルド)が可能だ。
オブジェクトオーディオのレンダリングや各種デコーディングも担うDSPには、32bitフローティングポイント・クアッドコアDSPを搭載する。自動音場補正機能には、Audyssey MultEQを採用する。
薄型モデルながら、実用最大出力100Wの7chフルディスクリート・パワーアンプを搭載。全7chを同一構成、同一クオリティとしている。チャンネル間の温度差に起因する特性のばらつきを抑えるため、パワーアンプをヒートシンクに沿って一列マウントするインライン配置を採用。つながりの良いサラウンド再現に寄与するという。接続するスピーカーのインピーダンスは4Ω~16Ωまで対応する。
音質に配慮して、DSPやネットワーク、USBなどを含むデジタル回路用に専用トランスを搭載する。またデジタル電源の動作周波数を高速化してスイッチングノイズを可聴帯域外へシフトする倍速スイッチング電源も、前モデルから引き続き搭載する。
また、本機から新たにDC/DCコンバーターを変更。さらにデジタル回路の電源ラインにノイズカット用のセラミックコンデンサーを使用することで、高周波ノイズをさらに低減したという。
マランツ広報担当の高山氏は本機のサウンドについて「薄型筐体の本機は、大型電源の搭載が難しいなど一般的なサイズのAVアンプに対してのデメリットもありますが、剛性はむしろ確保しやすいです。またリビングオーディオを想定しているので、B&W「802 D3」のような大型スピーカーを鳴らす必要はないと考え、空間表現に優れた精緻なサウンドをリビングに合うよう提供する音作りを心がけました」と紹介していた。
■5.6MHz DSDの再生が可能に。HDCP2.2に対応
ネットワーク/USBメモリーによるハイレゾ再生も強化。本機では従来の2.8MHz DSDに加えて、新たに5.6MHz DSDのネットワーク再生およびUSBメモリー再生(フロントUSB端子)に対応した。
DSD以外のフォーマットについては、192kHz/24bitのWAV・AIFF・FLAC、96kHz/24bitまでのALACの再生に対応。AAC、MP3、WMAのロッシー圧縮音源再生も可能だ。なお、対応フォーマットはネットワーク/USBメモリーで共通となる。AirPlay、インターネットラジオの再生にも引き続き対応する。
操作アプリは、iOS/Android/Kindle Fire向けに「Marantz 2016 AVR Remote」を新たに提供する。従来の「Marantz Remote」から刷新され、Hi-Fi向けコントロールアプリ「Marantz Hi-Fi Remote」と同様にコンテンツ検索やキュー再生、インターネットラジオ選曲などが行える。
AM/FMチューナーも搭載。FM補完放送「ワイドFM」の聴取にも対応している。
HDMI端子は8入力・1出力を搭載。全ての端子がHDCP2.2に対応しており、4K/60p信号のパススルーに対応。[4K/60p/4:4:4/24bit]、[4K/60p/4:2:0/30bit]、[4K/60p/4:2:2/36bit]などの映像フォーマットに対応している(フロントHDMIは4K/60p/4:4:4/24bitのみの対応)。4Kアップスケーリング(最大4K/30pで出力)や画質調整機能も備える。