GPS機能の面白さも特筆モノ
【会田肇の熱血レビュー】“誰でも高画質”を目指したソニー「HDR-XR520V」は今春の本命モデルだ
春は人生にとって節目となる様々なイベントが多い季節。それだけにその記念映像はできるだけ美しく撮っておきたい、そう多くの人が思っていることだろう。そんな中、今年も春に向けて数多くのビデオカメラが登場した。
どれもが実力的にも魅力たっぷりのモデルだが、中でもボクが「こいつはイイ!」と思ったビデオカメラ、それはソニーのハンディカム「HDR-XR520V」である。本機は240GBもの大容量HDDを搭載する、AVCHD方式のHDビデオカメラだが、HDD容量が120GBの「HDR-XR500V」もラインナップされている。XR520Vはブラックボディ、XR500Vはシルバーボディのみとなるが、カメラとしての性能や搭載される機能は同一のものである。
さて一体、本機のどこがそんなにボクを唸らせたのか。その特筆すべきポイントとしてボクは以下の4つを挙げたい。1つは撮像素子を含むカメラ部の大幅なグレードアップ、2つ目が桁違いにレベルアップした手ブレ補正機能の搭載、3つ目が誰が撮ってもそこそこに美しいハイビジョン映像が残せる内容になっていること。そして、4つ目がGPS機能を使った新たな撮影映像の楽しみ方の追加である。
1つ目のカメラ部のグレードアップ。これは本機最大のポイントでもある。まずはそのポイントを探ってみたい。
注目すべきは搭載した撮像素子である。今ではCMOSを使うこと自体、決して珍しいことではないが、注目なのは「裏面照射技術」と呼ばれる新技術を採用した「“Exmor R" CMOSセンサー」を搭載したことだ。この「裏面照射技術」とは、CMOSの受光面に配置されていた格子状の配線層を裏側に回し、光を効率よく捉えられるように改良を加えたというもの。これにより、低照度時の特性を大幅に向上させ、かつてない低ノイズ撮影を可能にした。つまり、今までなら明るくしようと感度を上げると光が不足してノイズを発生させてしまっていたが、光量が十分に確保できているから、無理に感度を上げなくても十分な明るさを確保できるようになったというわけである。
その効果は撮影してみてすぐにわかった。照明によって照らされているオブジェや、イルミネーションのある夜景を撮影してみたら、陰となっている部分のノイズがほぼ無く、鮮明に映し出される。夜空なども従来ならノイズが浮き出してしまうところだが、肉眼で見ているかのように自然に表現されている。ノイズが多いと画面が何となくざらついた感じになるものだが、本機で撮影した映像にはそんな印象がほとんどない。この映像を見れば、今までの撮影映像を見るのが嫌になってしまうほど。それほどスッキリとした映像が見られるのだ。
それと、あまり語られていないことだが、本機のレンズ絞りはAVCHD方式ビデオカメラでは唯一“6枚バネ"を採用する。レンズ絞りは光量を調整する機能として重要な役割を果たす機構だが、同時に背景をぼかすことで被写体を浮き上がらせたりすることもでき、映像表現の機能としても多用される。しかし、小型化が優先されがちな最近のビデオカメラでは、カメラブロック部が大きくなることを避けるために2枚バネを採用することが多い。この方式だとボケた背景が菱形として映し出され、背景が何となくざわついた感じになってしまいがちになる。
それが6枚バネなら人間の目に近いボケ方となり、夜景のイルミや光の木漏れ日なども美しい六角形になって表現されるのだ。さらに本機の場合は撮像素子が1/2.88インチと比較的大型であるために被写界深度が浅くなり、ボケの効果がより効果的に発揮されることもメリットと言っていいだろう。
どれもが実力的にも魅力たっぷりのモデルだが、中でもボクが「こいつはイイ!」と思ったビデオカメラ、それはソニーのハンディカム「HDR-XR520V」である。本機は240GBもの大容量HDDを搭載する、AVCHD方式のHDビデオカメラだが、HDD容量が120GBの「HDR-XR500V」もラインナップされている。XR520Vはブラックボディ、XR500Vはシルバーボディのみとなるが、カメラとしての性能や搭載される機能は同一のものである。
さて一体、本機のどこがそんなにボクを唸らせたのか。その特筆すべきポイントとしてボクは以下の4つを挙げたい。1つは撮像素子を含むカメラ部の大幅なグレードアップ、2つ目が桁違いにレベルアップした手ブレ補正機能の搭載、3つ目が誰が撮ってもそこそこに美しいハイビジョン映像が残せる内容になっていること。そして、4つ目がGPS機能を使った新たな撮影映像の楽しみ方の追加である。
1つ目のカメラ部のグレードアップ。これは本機最大のポイントでもある。まずはそのポイントを探ってみたい。
注目すべきは搭載した撮像素子である。今ではCMOSを使うこと自体、決して珍しいことではないが、注目なのは「裏面照射技術」と呼ばれる新技術を採用した「“Exmor R" CMOSセンサー」を搭載したことだ。この「裏面照射技術」とは、CMOSの受光面に配置されていた格子状の配線層を裏側に回し、光を効率よく捉えられるように改良を加えたというもの。これにより、低照度時の特性を大幅に向上させ、かつてない低ノイズ撮影を可能にした。つまり、今までなら明るくしようと感度を上げると光が不足してノイズを発生させてしまっていたが、光量が十分に確保できているから、無理に感度を上げなくても十分な明るさを確保できるようになったというわけである。
その効果は撮影してみてすぐにわかった。照明によって照らされているオブジェや、イルミネーションのある夜景を撮影してみたら、陰となっている部分のノイズがほぼ無く、鮮明に映し出される。夜空なども従来ならノイズが浮き出してしまうところだが、肉眼で見ているかのように自然に表現されている。ノイズが多いと画面が何となくざらついた感じになるものだが、本機で撮影した映像にはそんな印象がほとんどない。この映像を見れば、今までの撮影映像を見るのが嫌になってしまうほど。それほどスッキリとした映像が見られるのだ。
それと、あまり語られていないことだが、本機のレンズ絞りはAVCHD方式ビデオカメラでは唯一“6枚バネ"を採用する。レンズ絞りは光量を調整する機能として重要な役割を果たす機構だが、同時に背景をぼかすことで被写体を浮き上がらせたりすることもでき、映像表現の機能としても多用される。しかし、小型化が優先されがちな最近のビデオカメラでは、カメラブロック部が大きくなることを避けるために2枚バネを採用することが多い。この方式だとボケた背景が菱形として映し出され、背景が何となくざわついた感じになってしまいがちになる。
それが6枚バネなら人間の目に近いボケ方となり、夜景のイルミや光の木漏れ日なども美しい六角形になって表現されるのだ。さらに本機の場合は撮像素子が1/2.88インチと比較的大型であるために被写界深度が浅くなり、ボケの効果がより効果的に発揮されることもメリットと言っていいだろう。