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オーディオ銘機賞2010 銅賞受賞

村田製作所の新スピーカー「ES701 Suono 京」を藤岡誠・福田雅光の両氏が語る

公開日 2009/11/18 13:22 藤岡誠/福田雅光
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先月発表した「オーディオ銘機賞 2010」で銅賞を受賞した、村田製作所のスピーカー新モデル「ES701 Suono 京」(関連ニュース)。同社では以前から、半球圧電セラミックが振動して発音する球形スピーカー“ハーモニックエンハンサー"を提案してきたが、これをユニットの中央に配置した同軸フルレンジユニットを搭載した点が最大の特徴だ。また本体がコンパクトで、リビングなどにも設置しやすい点も特筆できる。

オーディオファンだけでなくエントリー層も意識し、リビングルームで良い音を聴きたいといったニーズにも対応できる本機の魅力をくわしく見ていこう。まずはオーディオ銘機賞の審査員である評論家の福田雅光氏による評価を紹介する。


「ES701 Suono京」

福田雅光氏が見た「ES701 Suono 京」の魅力

ムラタはこれまで、圧電セラミックス技術を応用したハーモニックエンハンサー「ES105A Suono」を発売してきた。スーパートゥイーター的な使い方になるが、ニュアンスを柔らかく、広がりの豊かな効果を特色にしていることから、製品名をこのようにしている。このユニットを130mm口径の同軸スピーカーに採用して、新しくスピーカーシステムとして設計したのが「ES701 Suono 京」である。

ハーモニックエンハンサー「ES105A Suono」(84,000円/1台)。良好なトランジェント特性の圧電セラミックスにより、音の立ち上がり、立ち下りの改善が図られている

クロスオーバーのないフルレンジユニットのメリットに、口径20mmの半球状をした圧電ユニットを中央に組み込み構成されている。ハーモニックエンハンサーは20kHz付近から動作する設計であるが、これもネットワーク回路を持つわけではなく、直接接続されている。このように直結して使えるのもこのユニットの大きなメリットである。金色に見えるのは電極としてコーティングされている金メッキである。インピーダンス6Ω、出力音圧レベル85dB、周波数帯域は70Hz〜20kHz。

ナチュラルで柔軟な中間帯域を特色として、しなやかで伸びのびとした雰囲気があり、ハーモニックエンハンサーの効果はたしかに、フルレンジだけでは通常感じられない、広がりのある音場感を楽しませ、中域から高域は大変きめ細かくレンジも伸びている。

温かく素直で、ふくらみのある中低域、空間表現力の豊かな表現が楽しめる。小音量で耳あたりの柔らかな、そして十分に広がりを感じさせるスピーカーである。

ハーモニックエンハンサーを同軸構造に応用したのはうまいアイデアである。圧電ユニットはマグネットが不要で、高域特性も大変素直に伸びているため使いやすい。このユニット構造は注目でき、今後さらに発展するものと思う。

次ページでは、藤岡誠氏が本機のレポートと使いこなしを紹介する。

次ページ藤岡誠が語る「ES701 Suono 京」のクオリティと使いこなし

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