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山之内 正が「LC-70X5」の画質を検証

巨大画面で「世界が変わる」 - 液晶テレビ最大の70インチ “AQUOS” を徹底視聴

公開日 2012/03/21 11:00 山之内 正
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クローズアップ場面では顔が原寸大より大きくなり、映画の醍醐味がストレートに伝わってきた。『ラスト・ターゲット』には大胆なトリミングなどこだわりの構図が随所に出てくるが、画面サイズがここまで大きいとスクリーンに近い印象があり、撮影意図がはっきり浮かび上がってくるように思う。

THX映画モードから通常の映画モードに切り替えるとややコントラスト重視にシフトするが、作品によってはこちらもお薦めだ。また、詳細なプロ設定に入らなくてもフォトモードを選ぶとガンマが2.2に切り替わり、ディテール強調などもすべてキャンセルされて忠実な階調と落ち着いた輪郭描写を引き出せる。作品のトーンによってこれらのモードをうまく使い分けることが肝心だ。

ベルリンフィルのライヴ演奏をシンガポールで収録したBDを3Dモードで見ると、明るさとコントラストの余裕が立体感にリアリティを与え、ステージの間近で見ているような臨場感を体感できた。ステージ全景をとらえたカットでは書き割り的な前後感になるが、これはコンテンツ側の問題で、大半の3Dディスプレイで同様の傾向になってしまう。

本機の3Dメガネ。メガネフレームメーカーの増永眼鏡(株)と協業し、従来比で約40%の軽量化を実現

■大画面の価値を改めて思い知らされた

本機は素材の良い部分を素直に引き出す半面、気になる要素がソース側にある場合は、それもそのまま再現してしまう面もある。画面が大きいから素材の特徴が目立つということもありそうだし、超解像などで映像を再構成するよりは元素材の質感を素直に引き出すという本機の設計思想も背景にある。地デジの受信画像はその典型で、番組によってはBDなど高品位素材との格差に驚くこともあった。

本体の左右には、なかば独立したハウジングを設けた4ウェイ構成のスピーカーを内蔵しているので、本機の再生音は明瞭度と周波数バランスが優れており、音量を上げても耳障りにならないという良さがある。ベルリンフィルの演奏では「Duo Bass」が威力を発揮し、テレビの再生音としては実在感の高い低音を味わうことができた。

ARSSスピーカーやDuo Bassなど音質にもこだわった



画面の大きさが生む没入感は、実際に体験しないと実感がわきにくいものだ。70型の威力は店頭でもある程度実感できるはずだが、それを家庭で体験すると、さらに一段階上の臨場感に圧倒されるに違いない。今回の視聴で、大画面が生む価値の大きさをあらためて思い知らされた。

(山之内 正)

COLUMN
ヨドバシカメラに聞く70V型“AQUOS”の反響


「お客様は、まず70インチの大きさに驚かれます。店頭で特にインパクトのあるサイズですね。また『LC-70X5』の場合、搭載エンジンなどが65インチ以下のモデルとは別のプレミアムモデルとしてアピールされており、従来機種と比べると映像の綺麗さも一目瞭然です」。

「他社でも65インチサイズを主力製品として押し出してきていますし、全体的に見て大型モデルは売れています。とは言え、発売前は、正直言って『70インチの需要はあるのか?』と思っていました。ですが実際に『LC-70X5』の売れ行きを見ると、大型テレビの需要が大きいことを実感しています。これまで60インチのテレビを使っていた方で、70インチが出たというニュースを聞いて『LC-70X5』に買い替えに来られたお客様もいらっしゃいました。もし80インチの製品があれば、そのモデルもきっと売れるのでは、と考えています」。

 
お話を伺った方:ヨドバシカメラ マルチメディア Akiba 家電製品アドバイザー(AV情報家電)プロダクト・スペシャリスト マイホーム商品・TVチーム 玉虫正輝(たまむしまさき)氏   ヨドバシカメラ マルチメディア AkibaのAQUOSコーナーでは、65型以下のモデルと並列して展示。映像の綺麗さ・濃淡の濃さが特にわかりやすいよう、映画作品を流している

 

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