[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第49回】“破格”のバランス駆動ポタアン、ラトック「REX-KEB01F」− ケーブル改造も実践!
■バランス駆動ヘッドホンリスニング分野に登場した“破格”のポタアン、REX-KEB01F
はい、読み飛ばしていた方はここから復帰してください!
…というわけで、音質面ではバランス駆動には色々と優位がある。が、ヘッドホンをバランス駆動で楽しむためには、専用のヘッドホンケーブルが必要になりアンプ回路も倍必要になるため、まだそこまで一般的な方法ではない。対応するヘッドホンアンプは少ないし安くもないし、サードパーティ製のバランス駆動用ケーブルが存在するヘッドホンも少ないし、そのケーブル自体も安くはない。
つまり現在のところ、バランス駆動はお手軽な音質向上手段ではないのだ。しかしだからこそ、こだわりのヘッドホンファンならばそれに挑戦する楽しみがあるとも言える。
…ところが! REX-KEB01Fは前述のように1万4,800円。バランス駆動はお手軽ではないなんて言われたと思いきや、早速このお手軽なお値段に気の抜けた方もいらっしゃるだろう。
しかしこのアンプ、ひとつお手軽ではない部分がある。
ヘッドホンをバランス駆動するためには、バランス接続に対応するケーブルが必須だ。そして本機のパッケージには、そのケーブルの先っちょのプラグ部分だけが付属している。つまりこれはどういうことか?
…そう、そのプラグを使い、ケーブルは既存のケーブルを自分で改造して作れということなのだ。何この「あとはお前らでやれ!」という投げっぱなし感…!
いや、だったらやってやろうじゃないか!
■「俺はやる!」…高橋敦、ケーブルを改造する
ケーブル改造の手順は、製品に付属するマニュアル(ウェブでも配布されている)でイラスト解説されているが、ここではよりわかりやすいように、実際の写真で見てもらおう。
まずお手持ちのヘッドホンやイヤホンのケーブルを眺めてみてほしい。左右のケーブルがプラグの手前まで独立している(二列になっている)場合、バランス対応に改造可能だ。左右のケーブルが一体化されてしまっている場合は改造はできない。
最初のハードルを越えたら、次に持ち物チェックだ。ハンダごてなどハンダ用具一式、熱収縮チューブ、ニッパー、カッターもしくはワイヤーストリッパーは必須。テスターもあるにこしたことはない。
ちなみに僕がそれらの道具を持っているのは、ギターの内部配線をいじるのが趣味であったため。そんな僕の電気工作スキルは、あまり細かくない部品のハンダ付け程度なら…といった程度だ。
ちなみに先に言っておくと、その程度のスキルだと「かろうじてなんとか」ケーブル改造に成功できた感じだった。あぶない…。
次ページ高橋敦、危うくも成功! ケーブル改造手順を、写真付きでイチから紹介