【特別企画】NOS-DAC搭載のハイレゾ対応ワイヤレススピーカー
ECLIPSE「TD-M1」はいかにして“正確な音”を追求したのか − 開発陣に訊く
192kHz/24bitのハイレゾ再生に対応したUSB-DACを搭載し、さらにAirPlayを用いてのワイヤレス再生にも対応したECLIPSEのオーディオシステム「TD-M1」。音質面でも「NOS-DAC」の採用をはじめ革新性を備えている。鴻池賢三は神戸の富士通テン本社へと伺い、TD-M1のサウンドとコンセプトの本質に迫るべく開発陣へのインタビューを行った。
■DAC、アンプ、スピーカーを一貫して設計することで実現する「正確な音」
「正確な音」の再現において代名詞となりつつあるECLIPSEブランドのスピーカーが、新たな局面を迎えた。「TD-M1」は、ECLIPSEスピーカーに、AirPlay/Wi-Fi 、USBオーディオ、iPodのUSB接続など、ハイレゾを含む豊富なデジタル音源に対応したオーディオインターフェイスと、デジタルアンプを搭載した、オールインワンのパワードスピーカーシステムである。
オールインワンであることは、「お手軽」のための合体ではない。スピーカー、DAC、アンプの組み合わせを固定することで、接続に関わる不確定な要素を排除し、それぞれのデバイスの能力を最大限に引き出して、究極の「正確な音」を目指したのである。それは言い換えると、原信号に忠実な波形再生を極めるという考え方だ。これは、ECLIPSEの思想をさらに高いレベルで具現化するアプローチとして興味深い。
ECLIPSEスピーカーは、「正確な音」の再生条件として、「インパルス応答」の質を掲げている。このインパルス応答についてはこちらの記事(「ECLIPSEの最高峰スピーカーTD712zMK2を試聴する」)でも詳しく説明した。ごく単純化して言えば、インパルス応答とは音の波形を構成する最小単位であり、これが正確に再現できるかどうかが「正確な音」を実現を左右するのである。TD-M1では、DACやアンプにもこうした思想を貫いて独自の設計を行っている点に注目したい。民生用オーディオ機器としては異例のNOS-DAC(Non Over Sampling-DAC)を採用するなど、「尖った」オーディオなのだ。
もちろん、フォーミュラカーのように、たた尖っているだけではない。従来は組み合わせるアンプと選びにノウハウが必要だったが、TD-M1では一体型によってその曖昧さを解決している。また、AirPlayへの対応や専用アプリを用意するなど、使い勝手も最新だ。TD-M1は、誰もが乗りこなせて究極に速いフォーミュラカーを目指したと言って良いだろう。
今回は、そんな異彩を放つTD-M1について、富士通テン本社に伺い、開発者陣に技術詳細をインタビューすると共に、同社のスタジオで試聴を行った。そこからは、一直線でブレないコンセプトと、それを実現する様々な設計思想や技術が見えてきた。
■DAC、アンプ、スピーカーを一貫して設計することで実現する「正確な音」
「正確な音」の再現において代名詞となりつつあるECLIPSEブランドのスピーカーが、新たな局面を迎えた。「TD-M1」は、ECLIPSEスピーカーに、AirPlay/Wi-Fi 、USBオーディオ、iPodのUSB接続など、ハイレゾを含む豊富なデジタル音源に対応したオーディオインターフェイスと、デジタルアンプを搭載した、オールインワンのパワードスピーカーシステムである。
オールインワンであることは、「お手軽」のための合体ではない。スピーカー、DAC、アンプの組み合わせを固定することで、接続に関わる不確定な要素を排除し、それぞれのデバイスの能力を最大限に引き出して、究極の「正確な音」を目指したのである。それは言い換えると、原信号に忠実な波形再生を極めるという考え方だ。これは、ECLIPSEの思想をさらに高いレベルで具現化するアプローチとして興味深い。
ECLIPSEスピーカーは、「正確な音」の再生条件として、「インパルス応答」の質を掲げている。このインパルス応答についてはこちらの記事(「ECLIPSEの最高峰スピーカーTD712zMK2を試聴する」)でも詳しく説明した。ごく単純化して言えば、インパルス応答とは音の波形を構成する最小単位であり、これが正確に再現できるかどうかが「正確な音」を実現を左右するのである。TD-M1では、DACやアンプにもこうした思想を貫いて独自の設計を行っている点に注目したい。民生用オーディオ機器としては異例のNOS-DAC(Non Over Sampling-DAC)を採用するなど、「尖った」オーディオなのだ。
もちろん、フォーミュラカーのように、たた尖っているだけではない。従来は組み合わせるアンプと選びにノウハウが必要だったが、TD-M1では一体型によってその曖昧さを解決している。また、AirPlayへの対応や専用アプリを用意するなど、使い勝手も最新だ。TD-M1は、誰もが乗りこなせて究極に速いフォーミュラカーを目指したと言って良いだろう。
今回は、そんな異彩を放つTD-M1について、富士通テン本社に伺い、開発者陣に技術詳細をインタビューすると共に、同社のスタジオで試聴を行った。そこからは、一直線でブレないコンセプトと、それを実現する様々な設計思想や技術が見えてきた。
次ページオーバーサンプリングフィルターをパスする「NOS-DAC」に迫る