【ロングランレビュー第2回】ジャケ写の高画質表示テクも
QNAPのNAS「HS-210」をDSD対応プレーヤー4機種と組み合わせテスト
Model 4
JVC EX-N70(オーディオシステム)
ハイレゾ音源への対応は本格コンポーネントだけでなく本機のようなシステムにも波及しており、ハイレゾ再生の敷居が低くなったことを実感させる。スピーカーはおなじみのウッドコーンを採用しており、個性豊かな再生音が期待できる。DSD音源は2.8MHzまでの対応で、「DLNA」ではなく「ホームメディア」から選曲することで再生が可能になる。ネットワーク再生の入口が2つあるのは不便なので、できれば統合して欲しいものだ。本体ディスプレイに表示される情報が少ないことにも不満を感じた。
再生音は中域にエネルギーが集中した密度の高さが特徴で、レンジの広さよりも音像の実体感や生々しさを楽しむべきバランスだ。弦楽器や声に加えて木管楽器もかなり個性的な音色を聴かせる。DSD再生時の音調もPCMと共通し、張りの強さに強烈な個性を感じさせる。
■QNAPのNAS従来モデル「TS-119」との聴き比べ
QNAPのファンレス構造NASである「TS-119」(生産完了品)は、HS-210が登場するまで、ネットワークオーディオにおけるNASの定番として根強い支持を集めてきた。筆者もTS-119が登場した当初から使っていた。それでは、最新モデルのHS-210とTS-119では音質面では果たして差があるのか、聴き比べを行ってみた。
なお、いちおう前提として説明しておくと、「TS-119」は1ドライブモデルで、もちろんDSD配信には対応していない。また、今回の聴き比べではHS-210にはHDDにWD Redを使用しているが、TS-119には別のHDDを用いていることを断っておく。
試聴はLINNのKLIMAX DSと組み合わせて行った。TS-119は、その重心の低いバランスと伸びやかな音色はいま聴いてもまったく色褪せていない。しかし、一方のHS-210もスケールの大きさと遠近感の豊かさではTS-119に負けていない。それどころか解像感とディテール描写の精密感ではTS-119を上回る部分もあり、確実な進化を聴き取ることができた。すでにTS-119を持っている人にも、HS-210を一聴することをぜひお薦めしたい。
■ジャケット表示を高解像度化する方法を紹介
タブレットやスマホで動作する操作アプリの多くは、曲やアルバムを一覧表示した時にジャケット画像を表示する機能を実現している。画像が表示されると直感的に選曲できるため、わざわざ手間をかけてでも画像データを取得する価値はある。
せっかく取得した画像データだが、NASの設定によっては非常に低い解像度で表示されてしまうことがある。操作アプリでの拡大に耐えないことはもちろん、ジャケットに印刷してある文字も読むことができない。
本来の解像度でジャケット画像を表示するには、以下のような設定の変更を行えば良い。Qfinderからユーティリティーソフト「QTS4.0」を立ち上げ、「AppCenter」から「TwonkyMedia」の「開く」ボタンをクリックする。すると、サーバーソフトTwonky Mediaの設定ブラウザを起動できる。
Twonky Mediaのブラウザが開けたら、左カラムから「共有」を選択し、「メディアレシーバー」を「表示」にする。そうしたら、メディアレシーバーの一覧から、自分がコントロールに用いていると端末(例えばiPadなど)を選択し、メディアレシーバータイプを「LINN KINSKY DESKTOP CONTROL」に変更する。
このとき、メディアレシーバーの一覧には、ネットワークプレーヤー以外はMACアドレスとIPアドレスしか表示されない。よって自分が使っている端末のMACアドレスを調べておく必要がある。iPadやiPhoneであれば、「設定」→「一般」→「情報」と開き、情報一覧にある「Wi-Fiアドレス」の項目にMACアドレスが表示されているので、このアドレスが表示されている項目のメディアレシーバータイプを変更してあげれば良い。
変更が完了したら、左カラム「アドバンスト」から「サーバーを再起動」を選び、サーバーを再起動しよう。なお、使っているネットワークプレーヤーがリンのDS以外の場合でも、基本的には「LINN KINSKY DESKTOP CONTROL」で問題はない。ただ、組み合わせる機器によっては高解像度表示ができない場合もある。
今回の取材ではリンのDS 2機種で確認してみたが、いずれもアートワークを高解像度表示することができた。また、ひとつの端末に上記の設定を行うと、他のプレーヤー及び操作アプリにも高解像度表示が即座に反映された。サーバーの再起動が複数回必要となる場合もあるが、一度設定すればその内容が保存されるので、ぜひ試してみよう。
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次回以降では、HD-210と今後発売されるであろうネットワークプレーヤーやAVアンプとの組み合わせテスト、そしてさらなる使いこなしレポートを行っていく予定なので、ご期待いただきたい。
JVC EX-N70(オーディオシステム)
ハイレゾ音源への対応は本格コンポーネントだけでなく本機のようなシステムにも波及しており、ハイレゾ再生の敷居が低くなったことを実感させる。スピーカーはおなじみのウッドコーンを採用しており、個性豊かな再生音が期待できる。DSD音源は2.8MHzまでの対応で、「DLNA」ではなく「ホームメディア」から選曲することで再生が可能になる。ネットワーク再生の入口が2つあるのは不便なので、できれば統合して欲しいものだ。本体ディスプレイに表示される情報が少ないことにも不満を感じた。
再生音は中域にエネルギーが集中した密度の高さが特徴で、レンジの広さよりも音像の実体感や生々しさを楽しむべきバランスだ。弦楽器や声に加えて木管楽器もかなり個性的な音色を聴かせる。DSD再生時の音調もPCMと共通し、張りの強さに強烈な個性を感じさせる。
■QNAPのNAS従来モデル「TS-119」との聴き比べ
QNAPのファンレス構造NASである「TS-119」(生産完了品)は、HS-210が登場するまで、ネットワークオーディオにおけるNASの定番として根強い支持を集めてきた。筆者もTS-119が登場した当初から使っていた。それでは、最新モデルのHS-210とTS-119では音質面では果たして差があるのか、聴き比べを行ってみた。
なお、いちおう前提として説明しておくと、「TS-119」は1ドライブモデルで、もちろんDSD配信には対応していない。また、今回の聴き比べではHS-210にはHDDにWD Redを使用しているが、TS-119には別のHDDを用いていることを断っておく。
試聴はLINNのKLIMAX DSと組み合わせて行った。TS-119は、その重心の低いバランスと伸びやかな音色はいま聴いてもまったく色褪せていない。しかし、一方のHS-210もスケールの大きさと遠近感の豊かさではTS-119に負けていない。それどころか解像感とディテール描写の精密感ではTS-119を上回る部分もあり、確実な進化を聴き取ることができた。すでにTS-119を持っている人にも、HS-210を一聴することをぜひお薦めしたい。
■ジャケット表示を高解像度化する方法を紹介
タブレットやスマホで動作する操作アプリの多くは、曲やアルバムを一覧表示した時にジャケット画像を表示する機能を実現している。画像が表示されると直感的に選曲できるため、わざわざ手間をかけてでも画像データを取得する価値はある。
せっかく取得した画像データだが、NASの設定によっては非常に低い解像度で表示されてしまうことがある。操作アプリでの拡大に耐えないことはもちろん、ジャケットに印刷してある文字も読むことができない。
本来の解像度でジャケット画像を表示するには、以下のような設定の変更を行えば良い。Qfinderからユーティリティーソフト「QTS4.0」を立ち上げ、「AppCenter」から「TwonkyMedia」の「開く」ボタンをクリックする。すると、サーバーソフトTwonky Mediaの設定ブラウザを起動できる。
Twonky Mediaのブラウザが開けたら、左カラムから「共有」を選択し、「メディアレシーバー」を「表示」にする。そうしたら、メディアレシーバーの一覧から、自分がコントロールに用いていると端末(例えばiPadなど)を選択し、メディアレシーバータイプを「LINN KINSKY DESKTOP CONTROL」に変更する。
このとき、メディアレシーバーの一覧には、ネットワークプレーヤー以外はMACアドレスとIPアドレスしか表示されない。よって自分が使っている端末のMACアドレスを調べておく必要がある。iPadやiPhoneであれば、「設定」→「一般」→「情報」と開き、情報一覧にある「Wi-Fiアドレス」の項目にMACアドレスが表示されているので、このアドレスが表示されている項目のメディアレシーバータイプを変更してあげれば良い。
変更が完了したら、左カラム「アドバンスト」から「サーバーを再起動」を選び、サーバーを再起動しよう。なお、使っているネットワークプレーヤーがリンのDS以外の場合でも、基本的には「LINN KINSKY DESKTOP CONTROL」で問題はない。ただ、組み合わせる機器によっては高解像度表示ができない場合もある。
今回の取材ではリンのDS 2機種で確認してみたが、いずれもアートワークを高解像度表示することができた。また、ひとつの端末に上記の設定を行うと、他のプレーヤー及び操作アプリにも高解像度表示が即座に反映された。サーバーの再起動が複数回必要となる場合もあるが、一度設定すればその内容が保存されるので、ぜひ試してみよう。
次回以降では、HD-210と今後発売されるであろうネットワークプレーヤーやAVアンプとの組み合わせテスト、そしてさらなる使いこなしレポートを行っていく予定なので、ご期待いただきたい。