編集部員が自宅で検証。ヤマハの調音パネル「ACP-2」導入レポート
■ヤマハの調音パネルの効果を自宅のオーディオ環境で試す
編集部の小澤は、都内マンションのリビングにコンパクトなスピーカーとプリメインアンプを組み、アナログレコードやUSB-DACでのネットオーディオ再生で、音楽を楽しんでいる32歳。リビングルームのスペースは約6.5畳で、写真をご参照いただきたいのだが、オーディオシステムはテレビと兼用。リスニング側には長いソファが設置されている。大好きなロックを中心に、日々音楽を堪能している小澤であるが、ひとつだけどうしても改善したい部分があった。
「この部屋には昨年末に引っ越してきたのですが、低域が“消える”と表現したいくらい出ないのです。それまでの木造アパートの部屋では同じシステムでも低域はそこそこ出ていたのですが、この鉄筋マンションの部屋ではなぜか極端に低域が寂しくなってしまいました。スピーカースタンドの下に木の板を敷いてスパイクを装着したら、低音がある程度は出てきたのですが、せっかく出てきた低域もモヤモヤしてしまう状態です。これは部屋の音質環境を変えなければ無理なのではと思いました」。
そんな時に小澤が興味を持ったのがヤマハの調音パネルであった。「山之内 正さんや、野村ケンジさんが自身の試聴室でヤマハの調音パネルを導入していて、取材でお邪魔させていだいたときに効果について伺ったことがあったのですが、まさにこの効果が欲しい! と思いました。薄型なので壁に掛けることができるのも魅力ですね」。
ヤマハの調音パネルとは? 「音響共鳴管」と「堅い反射面」で構成された独自の音響構造により、わずか3cmの厚さながら、広い帯域でほぼ平坦な吸音特性を発揮。さらに散乱性能も備えているため、音響障害を抑制し響きを整え、単なる吸音材などでは得られない心地よい音場を作り出す。今回紹介する「ACP‐2」は高さを120cmとすることで、高さ90cmの現行モデル「TCH」と比べ、制御音域の最低域を拡張。特にオーディオ再生時やピアノ演奏時の中低音域の響きを整える効果を高めている。 ![]() |
このような経緯を経て、本日、ヤマハの調音パネルの効果を編集部・小澤の部屋で実際に試してみることになったのだ。今回用意された調音パネルは自立スタンドもセットになった「ACP-2」。ホワイトとブラウンが3枚ずつの計6枚が用意された。2色あるので、部屋との色のマッチングも見ながら検証していくことにしよう。
「今日のテーマは、確かな効果がある最小限の枚数と、生活がいかに両立できるかどうかですね。この部屋ではさすがに6枚は厳しいかなあ…」期待と不安のなか、実験が開始された。

主な試聴音源。【上段左】ノラ・ジョーンズ『Come Away With Me』(192kHz/24bit、1曲目「Don't Know Why」)【上段中央】パンチ・ブラザーズ『Phosphorescent Blues』(96kHz/24bit、2曲目「Julep」)【上段右】ドアーズ『Waiting For The Sun』(96kHz/24bit、10曲目「Yes, The River Knows」)【下段左】ボブ・マーリー『Legend』(192kHz/24bit、1曲目「Is This Love」)【下段右】ボブ・ディラン『Blood On The Tracks』(96kHz/24bit、3曲目「You're Big Girl Now」)
【1】スピーカー間に1枚設置
1枚でも十分効果を発揮。低域のモヤモヤが晴れる
まずは何もない状態で、編集部・小澤が普段何度も聴き込んでいる音楽をひと通り再生した上で、スピーカーの間、テレビの真後ろに1枚設置してみよう。
■ノラ・ジョーンズ
「ベースの輪郭がしっかり出てきましたね。ピアノも少しモヤっとしていたところが、かなりはっき り聴こえるようになりました」。
■パンチ・ブラザーズ
「ベースがくっきりしてきましたね」。
■ボブ・ディラン
「思わずさっきより音量を上げたくなってきましたね。低域のモヤモヤしていた部分が晴れて、解像度も上がりました。1枚でも十分な効果が確認できました。これ以上増やしていくのは怖い気がします(笑)」。