設置性の良いハイCPモデル
<わずか1.1mから100インチ投写!>オプトマの短焦点プロジェクター「GT1080」レビュー
■1.1m距離から100インチ投写できる、リビングシアターや6畳間シアターにも最適なDLPプロジェクター
ユニークなコンセプトを与えられた恩恵により、なかなかに使い勝手のよい、絶妙な仕上がりを見せる製品がある。それがオプトマのDLPプロジェクター「GT1080」だ。
フルHD(1,920×1,020)対応の0.65型DC3 DMDパネルを搭載。実売価格は12万円前後で、3D投写にも対応するというコストパフォーマンスの高さを持つGT1080だが、いっぽうで、オプトマにはそれと同等の機能を有するモデルとして実売9万円台の「HD26」もラインナップされている。では、GT1080のアドバンテージは何か。なにを隠そう、この製品にとって一番のウリといえるのは、1.1m距離から100インチ投写が行える短焦点レンズの採用だ。
手軽にシアター用途で使える標準モデルのHD26に対し、GT1080は個室でのゲームや小規模な部屋での会議など、狭い空間でも大画面投写を実現するように配慮したシステムで、ビジネス向けにもホーム向けにも使える仕様となっている。約66cmで60型という短距離設置を実現、3.3mほどの距離で300インチという巨大な投写サイズも可能としており、設置の自由度がとても高く、様々な利用方法で重宝する。
また、HDMIや電源ケーブルなどの接続端子は、本体背面ではなくサイド側にレイアウトされている。この構成により、本機の背面を壁にぴったり寄せて設置することができるのだ。こういったユーザビリティ性の高さは、本来、業務用として培われたノウハウなのだろうが、結果としてコンシューマーユースにおいても嬉しい、スペースを節約して設置できる使いやすい製品に仕上がっている。
さらに、2,800ルーメンという明るさという、もうひとつの特徴も持ち合わせている。このようにGT1080は、短焦点レンズの採用やユーザビリティ性の高さに高輝度なスペックをあわせ持つことで、リビングや個室などでも扱いやすい仕様となっている。専用のシアタールームがなく、プロジェクターやスクリーンを常設できないユーザーでも、手軽に大画面を楽しむことができるのだ。
筆者が所有する事務所でいろいろと試してみたところ、そういったGT1080ならではのアドバンテージをしっかりと実感できたので報告しよう。
■GT1080を使ってみた − 設置性の良さ・手軽さを堪能
まずは設置性について。1.1mの距離から100インチ投写が行えるという短焦点レンズは、省スペースかつ邪魔にならない場所に設置でき、とてつもなく扱いやすい。感覚的にはスクリーンのすぐ近くにGT1080を設置することになるため、視聴中は物理的にも視覚的にも、全くといっていいほど邪魔にならない。このメリットは非常に大きい。
さらに、セッティングの容易さも特筆したい。100インチスクリーンの1m強手前にぽんと置いて、フットの高さ調整とメニューの台形調整を併用することで、それほど手間なくセッティングを完了することができる。もちろん短焦点のため、スクリーンまでの距離が短いと投写サイズが限られるが、この設置距離の短さには代えがたい。
■リビングや6畳間…様々な環境で様々な映像ソースを楽しめるGT1080
筆者は今回、事務所の視聴室でGT1080を試してみたのだが、この部屋は6畳の和室を改造したもので、最初からホームシアター専用室として作られた部屋ではない。今回は専用室としての完全な暗室状態だけではなく、普通のリビングで本機を使用するシーンも考え、あえてカーテンのみ・電灯を消したのみといった不完全な遮光状態でも視聴を行ってみた。
色々な状況を試したところ、さすがに室内全ての明かりをフルにつけた状態ではコントラストが落ちるものの、電灯を少し落としただけの薄明りを残す環境で投写してみても、美しい映像を満喫できたことは特筆すべきだろう。これはリビング環境において、電灯を消してカーテンを閉めるだけでも、十分満足のいく映像が楽しめるということだ。
さらに短焦点の良さとして、リビングだけでなく6畳間、場合によっては4畳ほど(仕事部屋など)の狭いプライベートスペースでも活躍できることが挙げられる。ふだんはGT1080本体を邪魔にならないところにしまっておいて、大画面を楽しみたいときだけ取り出してセッティングして使うということが可能なのだ。これなら、日常的にプロジェクターの大画面を楽しむことができそうだ。
カジュアルに使える本機なら、映画だけでなく、普段から様々なソースを大画面で楽しみやすくなる。ゲーム機からGT1080に映像出力すれば、6畳間程度の狭い個室でも簡単に大画面でゲームを楽しむことができるし、本機はMHL接続に対応しているので、スマホ/タブレットの映像を手軽に投写することもできる。
また、筆者は自宅の100インチスクリーンに投写する形で使用したが、スクリーンが無い場合でも室内の白い壁に直接投写して、さらに手軽に活用するのも良い(大画面ゲームのプレイについてはこちらも参照。「短焦点」「フルHD」「明るい」がプロジェクター選びのポイントだ。大画面ゲームを楽しみたいなら、GT1080を用意して、まずは手軽にプライベートスペースで壁への直接投写からスタートするのも良いだろう)。
■DLPならではのメリハリのある華やかな映像
最後に、画質のクオリティについては、実売12万円前後のエントリーモデルとしてはかなり良好なレベル。2,800ルーメンという明るさ、25,000対1というコントラスト比の恩恵もあってか、明瞭感の高いフレッシュな映像を楽しませてくれる。特に『ダークナイト』や『トランスフォーマー』などのアクション映画を視聴すると、明暗にメリハリがある華やかな映像で、「DLPならではの黒の沈み込み」もしっかりと確保された、表現力のある映像を実現している。これらハリウッド・アクション大作のシャープな映像をとことん堪能することができた。
このように、ビジネス用を兼ねる圧倒的な設置性の高さだけでなく、シアター用としての実力もちゃんと持っているGT1080。特に、プロジェクターを設置できるスペースに限りはあるが大画面を楽しみたい人や、プロジェクターやスクリーンを常設できる環境を持ち合わせていない人などにとって選択の最有力候補になる、良質な製品だ。
(野村ケンジ)
ユニークなコンセプトを与えられた恩恵により、なかなかに使い勝手のよい、絶妙な仕上がりを見せる製品がある。それがオプトマのDLPプロジェクター「GT1080」だ。
フルHD(1,920×1,020)対応の0.65型DC3 DMDパネルを搭載。実売価格は12万円前後で、3D投写にも対応するというコストパフォーマンスの高さを持つGT1080だが、いっぽうで、オプトマにはそれと同等の機能を有するモデルとして実売9万円台の「HD26」もラインナップされている。では、GT1080のアドバンテージは何か。なにを隠そう、この製品にとって一番のウリといえるのは、1.1m距離から100インチ投写が行える短焦点レンズの採用だ。
手軽にシアター用途で使える標準モデルのHD26に対し、GT1080は個室でのゲームや小規模な部屋での会議など、狭い空間でも大画面投写を実現するように配慮したシステムで、ビジネス向けにもホーム向けにも使える仕様となっている。約66cmで60型という短距離設置を実現、3.3mほどの距離で300インチという巨大な投写サイズも可能としており、設置の自由度がとても高く、様々な利用方法で重宝する。
また、HDMIや電源ケーブルなどの接続端子は、本体背面ではなくサイド側にレイアウトされている。この構成により、本機の背面を壁にぴったり寄せて設置することができるのだ。こういったユーザビリティ性の高さは、本来、業務用として培われたノウハウなのだろうが、結果としてコンシューマーユースにおいても嬉しい、スペースを節約して設置できる使いやすい製品に仕上がっている。
さらに、2,800ルーメンという明るさという、もうひとつの特徴も持ち合わせている。このようにGT1080は、短焦点レンズの採用やユーザビリティ性の高さに高輝度なスペックをあわせ持つことで、リビングや個室などでも扱いやすい仕様となっている。専用のシアタールームがなく、プロジェクターやスクリーンを常設できないユーザーでも、手軽に大画面を楽しむことができるのだ。
筆者が所有する事務所でいろいろと試してみたところ、そういったGT1080ならではのアドバンテージをしっかりと実感できたので報告しよう。
■GT1080を使ってみた − 設置性の良さ・手軽さを堪能
まずは設置性について。1.1mの距離から100インチ投写が行えるという短焦点レンズは、省スペースかつ邪魔にならない場所に設置でき、とてつもなく扱いやすい。感覚的にはスクリーンのすぐ近くにGT1080を設置することになるため、視聴中は物理的にも視覚的にも、全くといっていいほど邪魔にならない。このメリットは非常に大きい。
さらに、セッティングの容易さも特筆したい。100インチスクリーンの1m強手前にぽんと置いて、フットの高さ調整とメニューの台形調整を併用することで、それほど手間なくセッティングを完了することができる。もちろん短焦点のため、スクリーンまでの距離が短いと投写サイズが限られるが、この設置距離の短さには代えがたい。
■リビングや6畳間…様々な環境で様々な映像ソースを楽しめるGT1080
筆者は今回、事務所の視聴室でGT1080を試してみたのだが、この部屋は6畳の和室を改造したもので、最初からホームシアター専用室として作られた部屋ではない。今回は専用室としての完全な暗室状態だけではなく、普通のリビングで本機を使用するシーンも考え、あえてカーテンのみ・電灯を消したのみといった不完全な遮光状態でも視聴を行ってみた。
色々な状況を試したところ、さすがに室内全ての明かりをフルにつけた状態ではコントラストが落ちるものの、電灯を少し落としただけの薄明りを残す環境で投写してみても、美しい映像を満喫できたことは特筆すべきだろう。これはリビング環境において、電灯を消してカーテンを閉めるだけでも、十分満足のいく映像が楽しめるということだ。
さらに短焦点の良さとして、リビングだけでなく6畳間、場合によっては4畳ほど(仕事部屋など)の狭いプライベートスペースでも活躍できることが挙げられる。ふだんはGT1080本体を邪魔にならないところにしまっておいて、大画面を楽しみたいときだけ取り出してセッティングして使うということが可能なのだ。これなら、日常的にプロジェクターの大画面を楽しむことができそうだ。
カジュアルに使える本機なら、映画だけでなく、普段から様々なソースを大画面で楽しみやすくなる。ゲーム機からGT1080に映像出力すれば、6畳間程度の狭い個室でも簡単に大画面でゲームを楽しむことができるし、本機はMHL接続に対応しているので、スマホ/タブレットの映像を手軽に投写することもできる。
また、筆者は自宅の100インチスクリーンに投写する形で使用したが、スクリーンが無い場合でも室内の白い壁に直接投写して、さらに手軽に活用するのも良い(大画面ゲームのプレイについてはこちらも参照。「短焦点」「フルHD」「明るい」がプロジェクター選びのポイントだ。大画面ゲームを楽しみたいなら、GT1080を用意して、まずは手軽にプライベートスペースで壁への直接投写からスタートするのも良いだろう)。
■DLPならではのメリハリのある華やかな映像
最後に、画質のクオリティについては、実売12万円前後のエントリーモデルとしてはかなり良好なレベル。2,800ルーメンという明るさ、25,000対1というコントラスト比の恩恵もあってか、明瞭感の高いフレッシュな映像を楽しませてくれる。特に『ダークナイト』や『トランスフォーマー』などのアクション映画を視聴すると、明暗にメリハリがある華やかな映像で、「DLPならではの黒の沈み込み」もしっかりと確保された、表現力のある映像を実現している。これらハリウッド・アクション大作のシャープな映像をとことん堪能することができた。
このように、ビジネス用を兼ねる圧倒的な設置性の高さだけでなく、シアター用としての実力もちゃんと持っているGT1080。特に、プロジェクターを設置できるスペースに限りはあるが大画面を楽しみたい人や、プロジェクターやスクリーンを常設できる環境を持ち合わせていない人などにとって選択の最有力候補になる、良質な製品だ。
(野村ケンジ)