<山本敦のAV進化論 第117回>
録画番組を“簡単に”iPhoneに持ち出し視聴 − 東芝の新”レグザブルーレイ”を試す
レコーダーと合わせて、本レポートの主役になる製品は、東芝のSeeQVault対応microSDカードとiOSデバイスのLightning端子に直結できるカードリーダーのパッケージ「MSV-LTAシリーズ」だ。SDカードの容量は16GB/32GB/64GBの3種類。16GBの製品の想定売価は9,980円前後。
筆者もふだんはソニーのBDレコーダーで録った番組を、モバイルアプリの「Video&TV SideView」にWi-Fi経由で“おでかけ転送”して見たり、ライブ放送はリモート視聴を使っている。
後者は外出先でiPhoneをWi-Fiにつなげられないとモバイル通信時のパケット消費が気になって使いづらいし、電車での移動中など通信環境が不安定な場所での視聴にはそもそも向いていない。
一方、おでかけ転送で見たい番組を次々にiPhoneへ放り込んでいくとメモリーがあっという間にいっぱいになる。iPhoneの外部記録媒体としてSDカードを手軽に使えたらもっと快適になるのにという不満がようやく解消されそうだ。
SeeQVault(シーキューボルト)はパナソニック、サムスン、ソニー、東芝の4社により開発されたデジタルコンテンツの保護技術である。強固なセキュリティ性と対応機器どうしでの再生互換を実現した点が特徴だ。
SeeQVaultの技術を使ってデジタル放送のHDコンテンツに強固な著作権保護をかけて、対応するSDカードに保存したテレビ番組を複数のスマホで見たり、外付けUSB-HDDに保存して、録画したテレビ以外でも見られるようになる。
もちろんメーカーが違う製品間でもコンテンツの再生はできるので、ユーザーにとっては利便性が格段に向上する。
東芝のMSV-LTAシリーズはLightningタイプのカードリーダーとSeeQVault対応のmicroSDカードをパッケージにした製品だ。iOS 9.3.3以上のLightning端子を搭載するiPhoneやiPadで使える。
大まかな視聴の流れは「レコーダーでSDカードにテレビ番組を保存」→「SDカードをLightningカードリーダーにセット」→「iPhoneのLightning端子に接続してSeeQVault Playerアプリで再生」という手順になる。続いてハンドリングの詳細を実機で検証してみよう。
■レグザブルーレイに録画したコンテンツをダビングする
DBR-T1007のフロントパネルにはSDカードスロットが搭載されている。サイズが標準タイプなので、microSDカードへの変換アダプターが別途必要だ。なおフロントパネルにはUSB-A端子もあるので、東芝から先行発売されている「MSV-RWシリーズ」に同梱されるUSBタイプのカードリーダーを使ってもいい。
SeeQVault対応SDカードへのダビングに対応する東芝のレグザ/レグザブルーレイのリストはWebで公開(※PDF)されている。SDカードスロットの有無についても詳しい情報も記載しているので参考になる。