実際の移行の模様をレポート
iTunesから移行するなら最有力 ー 音楽再生/ライブラリ管理ソフト「Swinsian」を試す
音楽ライブラリの管理をiTunesで行ってきたというユーザーは、古くからファイル再生を楽しんでいる方にこそ多いはず。しかし再生環境やフォーマットの変遷、iTunes自体の仕様の変化も経て、別のソフトへの移行を検討している方も増えてきたのではないだろうか。今回、高橋 敦氏がひとつの候補として、自身が試してみているというMac用の音楽再生&ライブラリソフト「Swinsian」を検証してみた。
■iTunesからSwinsianへ移行する
10余年にわたるiTunes依存の音楽再生環境からの脱却を遅まきながら実行し始めた。移住先は「Swinsian」という、いわゆるiTunes代替アプリだ。厳密には「移住先の要素のひとつとして『Swinsian』を選んだ」のように書くべきか。
「Swinsian」 価格:19.95ドル (価格は記事掲載時点のもの)
使用環境:OS X 10.7 or later.|
公式ページはこちら
■複雑化してきたiTunes
そのすべての機能を活用する前提でなら「iTunes」は未だ使いやすさでトップクラスの音楽再生&ライブラリ管理アプリだ。極めて多機能な割には使いやすい。しかし問題は、「すべての機能を活用する前提でなら」「極めて多機能な割には」というところ。
音楽再生&ライブラリ管理に加えダウンロード配信、定額ストリーミング、アプリ含めてiPhoneの管理などなど、膨大な機能を続々と追加しそれぞれを連携させつつ使いやすさも可能な限り維持してきた増改築は見事だと思う。だが「そもそもその増改築が不要なんですが……」という立場からだと、その家は暮らしにくくなってきている。
近年で大きいのはiCloud ミュージックライブラリとApple Musicという、クラウドライブラリと定額ストリーミングの導入だ。iTunesは既存のローカルライブラリとそれらをかなりシームレスに取り扱う形を提案してきた。設定調整である程度は回避できるが、基本的には「できるだけシームレスに」を意図した設計と感じる。
ローカルのライブラリとクラウドのライブラリ、ストリーミングのシームレス化は、ライブラリを管理「してもらいたい」ユーザーには便利だろう。しかしライブラリを管理「したい」凝り性なユーザーには扱いにくい。ファイル自体の所在やタグの内容が意図せずに変更されてしまうありがた迷惑な挙動の完全回避に、現状では不安が残るからだ。
またそれらを筆頭とした大小多数の機能追加に伴い、「新機能を使いやすくするための」インターフェース変更も数多く実施されてきた。それが結果として、それらの新機能に興味のないユーザーには「むしろ使いにくくなった」と感じさせるものであったことも少なからずだ。
そして僕個人はその「ライブラリを管理したい凝り性なユーザー」「それらの新機能に興味のないユーザー」の方に強く該当してしまっている。漢字Talk時代からのMacユーザーであり、iPhone 3G以来のiPhoneユーザーではあるが、こと音楽ライブラリの取り扱いについては「iTunesは離れるべきときが来たか……」と、遅まきながら行動を開始したのはそういった理由からだ。
あともうひとつやはり「ハイレゾ対応の弱さ」も、iTunesに不足を感じていたところ。具体的には、
・FLACに対応しない
・出力先DACの「kHz/bit」設定を再生ファイルに合わせて自動変更する機能がない
・iTunesでは再生できるハイレゾファイルがiPhoneには転送できないという不整合がある
というところが長らく放置され続けていることには、不便や疑問を感じていた。
なお、「現状でiPhoneに手軽に快適に音楽ファイルを転送&同期できる環境はiTunesのみ」という点については、「iTunesが使いにくいから、それに依存するiPhoneも、音楽プレイヤー用途としては諦める」方向でいまのところは進めている。
■iTunesからSwinsianへ移行する
10余年にわたるiTunes依存の音楽再生環境からの脱却を遅まきながら実行し始めた。移住先は「Swinsian」という、いわゆるiTunes代替アプリだ。厳密には「移住先の要素のひとつとして『Swinsian』を選んだ」のように書くべきか。
「Swinsian」 価格:19.95ドル (価格は記事掲載時点のもの)
使用環境:OS X 10.7 or later.|
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■複雑化してきたiTunes
そのすべての機能を活用する前提でなら「iTunes」は未だ使いやすさでトップクラスの音楽再生&ライブラリ管理アプリだ。極めて多機能な割には使いやすい。しかし問題は、「すべての機能を活用する前提でなら」「極めて多機能な割には」というところ。
音楽再生&ライブラリ管理に加えダウンロード配信、定額ストリーミング、アプリ含めてiPhoneの管理などなど、膨大な機能を続々と追加しそれぞれを連携させつつ使いやすさも可能な限り維持してきた増改築は見事だと思う。だが「そもそもその増改築が不要なんですが……」という立場からだと、その家は暮らしにくくなってきている。
近年で大きいのはiCloud ミュージックライブラリとApple Musicという、クラウドライブラリと定額ストリーミングの導入だ。iTunesは既存のローカルライブラリとそれらをかなりシームレスに取り扱う形を提案してきた。設定調整である程度は回避できるが、基本的には「できるだけシームレスに」を意図した設計と感じる。
ローカルのライブラリとクラウドのライブラリ、ストリーミングのシームレス化は、ライブラリを管理「してもらいたい」ユーザーには便利だろう。しかしライブラリを管理「したい」凝り性なユーザーには扱いにくい。ファイル自体の所在やタグの内容が意図せずに変更されてしまうありがた迷惑な挙動の完全回避に、現状では不安が残るからだ。
またそれらを筆頭とした大小多数の機能追加に伴い、「新機能を使いやすくするための」インターフェース変更も数多く実施されてきた。それが結果として、それらの新機能に興味のないユーザーには「むしろ使いにくくなった」と感じさせるものであったことも少なからずだ。
そして僕個人はその「ライブラリを管理したい凝り性なユーザー」「それらの新機能に興味のないユーザー」の方に強く該当してしまっている。漢字Talk時代からのMacユーザーであり、iPhone 3G以来のiPhoneユーザーではあるが、こと音楽ライブラリの取り扱いについては「iTunesは離れるべきときが来たか……」と、遅まきながら行動を開始したのはそういった理由からだ。
あともうひとつやはり「ハイレゾ対応の弱さ」も、iTunesに不足を感じていたところ。具体的には、
・FLACに対応しない
・出力先DACの「kHz/bit」設定を再生ファイルに合わせて自動変更する機能がない
・iTunesでは再生できるハイレゾファイルがiPhoneには転送できないという不整合がある
というところが長らく放置され続けていることには、不便や疑問を感じていた。
なお、「現状でiPhoneに手軽に快適に音楽ファイルを転送&同期できる環境はiTunesのみ」という点については、「iTunesが使いにくいから、それに依存するiPhoneも、音楽プレイヤー用途としては諦める」方向でいまのところは進めている。