PR野村ケンジ氏・折原一也氏が対談
「なんだこれ?」 「イヤホンの音じゃない」。B&W最新イヤホン/ヘッドホンをプロ2人が語り尽くす
英国発のオーディオブランドBowers & Wilkins(以下、B&W)。ハイエンドスピーカーで確固たる地位を築き上げてきたブランドであるが、近年ではフラグシップワイヤレスヘッドホン「Px8」と、それに続くハイエンドヘッドホン「Px7 S2e」といったモデルが、ポータブルオーディオの分野でも高く評価されている。今年2024年は、同ブランドの第三世代目となる完全ワイヤレスイヤホン「Pi8」「Pi6」が登場した。
本稿では、これら4機種のB&Wのポータブル系プロダクトをトークテーマとした、野村ケンジ氏と折原一也氏による座談会の模様をレポート。両名によると、昨年2023年は、メジャーブランドによるハイエンド機が目立つ1年だったとのことだが、今年はポータブルオーディオの「方向性の拡大」がひとつのトレンドになったと語る。その方向性のキーとなるのは、「音質に注力したプレミアムモデルの登場」だという。
そのトレンドを体現したB&W製品の魅力について、各々の想いを語っていただいた。
折原一也氏(以下、折原) 今年のニュープロダクト、完全ワイヤレスイヤホンPi6/Pi8ついてですけど、Pi6をこれまでの上位機種だった「Pi7 S2」の後継的な位置付けの “ハイエンド”、Pi8はさらにそれをも上回る “プレミアムハイエンド” と銘打って展開していますね。
野村ケンジ氏(以下、野村) B&Wのポータブル製品の良いところは、例えば同じB&Wの製品でも、パッシブ・スピーカーの場合、組み合わせるプリメインアンプなどによって音が変化するため、リスナー自身でも「正解の音」というものを想像する余地が出てきてしまう。ですが、ワイヤレスのイヤホン・ヘッドホンになると、内蔵するDACやアンプがメーカーで固定されているため、「メーカーが好ましいと思っている音、B&Wならではの音色」をダイレクトに聴けることですね。
折原 野村さんが仰っていたB&Wならではの音色という部分、個人的には「高域までキレイに鳴っている」というイメージがあって、Pi6に驚いたのは「歪まずに高域の音を聴かせてくれて、スピーカー的な空間上の定位感を保ってる」というポイントですね。他のメーカーでも苦戦する部分を、完全ワイヤレスイヤホンで実現している点に、Pi6の完成度の高さを感じます。
野村 イヤホンやヘッドホンでは避けられない頭内定位って、センターが頭内にあるというのを指すだけであって、左右の広がり、奥行きについては語っていない言葉なんですよ。完全ワイヤレスイヤホンでこれを意識しないと、左右へスムーズに音が広がっていかない。Pi6はこれをクリアしているだけでもひとつの価値があるプロダクトだと思います。
あとは、音の仕上がりをニュートラルにまとめあげられているのも印象的でした。振動板素材(バイオセルロース)を選定した上で、そこから出た音に対する表現までを細部まで詰めたからこその音でしょう。B&Wユーザー的には汎用的なバランスですが、皆が違和感なく聴けるサウンドバランスといったところでしょうか。
折原 汎用的ってまさしく言い得て妙ですね。ともすればネガティブなイメージにも成りかねないですけど、B&Wがスピーカーで高い評価を得ているブランドだからこそ、聴く音楽もオーケストラやクラシック、ジャズを聴くイメージが強くなりがちですが、J-Popを聴く人はもちろん、ゲームをプレイする方だって、完全ワイヤレスイヤホンのユーザーにはいます。
ピュアオーディオの生音系とは離れた、エレクトリックな音やEDM的な音をキツさなく鳴らして、良い音で聴かせてくれる。このセンスこそが、Pi6の魅力とも言えますね。
野村 毎年、多種多様なモデルの音質を聴いていくと、「このヘッドホンはオーディオビジュアルを意識した音作りしているな」「クラシック重視のハイエンドだな」みたいなターゲットを定めた音作り行っているプロダクトというのが一聴してわかります。ただ、そのターゲットに向けてベストを追求しようとするとズレていく部分もやっぱりあります。
折原 先鋭化していく感じですね。
野村 そんな中、Pi6「あえて先鋭化しない」という、汎用的な音作りを施しているように感じています。完全ワイヤレスイヤホンというジャンルの中でも「上級モデルの入門用」として位置付けられた製品なのかなと思います。
メジャーブランドのハイエンドモデルを手に取って「こんなもんだよね」って思っちゃった方がPi6を聴くと、「もうちょっと良い音でいろいろなジャンルの音楽を楽しめる」ということを感じてもらえるでしょう。
折原 ハイエンド価格帯でB&Wが完全ワイヤレスイヤホンを作ったら、Pi6のサウンドになるということを周知したいですね。
野村 メジャーブランドからしたら、とてつもない脅威ですよね。実際にいくつか聴き比べると、音色の魅力ではPi6が優れているという確かな感触がありました。音楽だけでなくゲームもやるし、スマホで動画も見るよというユーザーには、Pi6は整合性の高いプロダクトになっていると伝えたくなりますね。
本稿では、これら4機種のB&Wのポータブル系プロダクトをトークテーマとした、野村ケンジ氏と折原一也氏による座談会の模様をレポート。両名によると、昨年2023年は、メジャーブランドによるハイエンド機が目立つ1年だったとのことだが、今年はポータブルオーディオの「方向性の拡大」がひとつのトレンドになったと語る。その方向性のキーとなるのは、「音質に注力したプレミアムモデルの登場」だという。
そのトレンドを体現したB&W製品の魅力について、各々の想いを語っていただいた。
■他ブランドに脅威を感じさせるほど、どの音楽ジャンルも高音質で鳴らしきる「Pi6」
折原一也氏(以下、折原) 今年のニュープロダクト、完全ワイヤレスイヤホンPi6/Pi8ついてですけど、Pi6をこれまでの上位機種だった「Pi7 S2」の後継的な位置付けの “ハイエンド”、Pi8はさらにそれをも上回る “プレミアムハイエンド” と銘打って展開していますね。
野村ケンジ氏(以下、野村) B&Wのポータブル製品の良いところは、例えば同じB&Wの製品でも、パッシブ・スピーカーの場合、組み合わせるプリメインアンプなどによって音が変化するため、リスナー自身でも「正解の音」というものを想像する余地が出てきてしまう。ですが、ワイヤレスのイヤホン・ヘッドホンになると、内蔵するDACやアンプがメーカーで固定されているため、「メーカーが好ましいと思っている音、B&Wならではの音色」をダイレクトに聴けることですね。
折原 野村さんが仰っていたB&Wならではの音色という部分、個人的には「高域までキレイに鳴っている」というイメージがあって、Pi6に驚いたのは「歪まずに高域の音を聴かせてくれて、スピーカー的な空間上の定位感を保ってる」というポイントですね。他のメーカーでも苦戦する部分を、完全ワイヤレスイヤホンで実現している点に、Pi6の完成度の高さを感じます。
野村 イヤホンやヘッドホンでは避けられない頭内定位って、センターが頭内にあるというのを指すだけであって、左右の広がり、奥行きについては語っていない言葉なんですよ。完全ワイヤレスイヤホンでこれを意識しないと、左右へスムーズに音が広がっていかない。Pi6はこれをクリアしているだけでもひとつの価値があるプロダクトだと思います。
あとは、音の仕上がりをニュートラルにまとめあげられているのも印象的でした。振動板素材(バイオセルロース)を選定した上で、そこから出た音に対する表現までを細部まで詰めたからこその音でしょう。B&Wユーザー的には汎用的なバランスですが、皆が違和感なく聴けるサウンドバランスといったところでしょうか。
折原 汎用的ってまさしく言い得て妙ですね。ともすればネガティブなイメージにも成りかねないですけど、B&Wがスピーカーで高い評価を得ているブランドだからこそ、聴く音楽もオーケストラやクラシック、ジャズを聴くイメージが強くなりがちですが、J-Popを聴く人はもちろん、ゲームをプレイする方だって、完全ワイヤレスイヤホンのユーザーにはいます。
ピュアオーディオの生音系とは離れた、エレクトリックな音やEDM的な音をキツさなく鳴らして、良い音で聴かせてくれる。このセンスこそが、Pi6の魅力とも言えますね。
野村 毎年、多種多様なモデルの音質を聴いていくと、「このヘッドホンはオーディオビジュアルを意識した音作りしているな」「クラシック重視のハイエンドだな」みたいなターゲットを定めた音作り行っているプロダクトというのが一聴してわかります。ただ、そのターゲットに向けてベストを追求しようとするとズレていく部分もやっぱりあります。
折原 先鋭化していく感じですね。
野村 そんな中、Pi6「あえて先鋭化しない」という、汎用的な音作りを施しているように感じています。完全ワイヤレスイヤホンというジャンルの中でも「上級モデルの入門用」として位置付けられた製品なのかなと思います。
メジャーブランドのハイエンドモデルを手に取って「こんなもんだよね」って思っちゃった方がPi6を聴くと、「もうちょっと良い音でいろいろなジャンルの音楽を楽しめる」ということを感じてもらえるでしょう。
折原 ハイエンド価格帯でB&Wが完全ワイヤレスイヤホンを作ったら、Pi6のサウンドになるということを周知したいですね。
野村 メジャーブランドからしたら、とてつもない脅威ですよね。実際にいくつか聴き比べると、音色の魅力ではPi6が優れているという確かな感触がありました。音楽だけでなくゲームもやるし、スマホで動画も見るよというユーザーには、Pi6は整合性の高いプロダクトになっていると伝えたくなりますね。