原画解像度に遡って高画質化
超絶マニアック!ブルーレイDIGA新モデルの「アニメモード」はここが違う
■原画解像度にいったん復元して高画質化
新ブルーレイDIGAのアニメモードの進化はこれだけにとどまらない。非常にマニアックな機能と言えるのが、「原画解像度変換」だ。
アニメ放送は、フルHDで制作されているものはほとんどない。その多くが720i/pや480i/pで制作したものをアップコンバートして1080iに変換し、放映されている。
しかも、そのアプコン処理も、必ずしも正しい方法で行われているものばかりではない。だから、アプコンに起因するジャギーやコーミングが目立つものが多く、中にはインターレース妨害まで出ている番組もある。
同社開発陣によると、こういったノイズの目立つ1080i映像から、ノイズを綺麗に除去するのは、かなり難しいのだという。
そこで同社開発陣が考えたのが、いったんアニメの原画の解像度に戻してから、DIGA内でアップコンバート処理を行い、解像感とS/Nを向上させる方法だ。ダウンコンバートを行うことで、不適切なアプコンに起因するノイズが消え、高画質化しやすくなるという。具体的な効果として、スケーリング時の歪みを低減し、モスキートノイズやブロックノイズの抑制も期待できる。さらに1080iから480i/pへの原画解像度変換時については、ドット妨害も抑えられる可能性がある。
なお、原画解像度の選択は手動で行う必要があり、「標準」「720i/p」「480i/p」の3種類から選択できる。いったん720i/pや480i/pを選択しても、次の起動時には標準に戻るというから、設定を変えたことを忘れて、異なる設定で見続けるという心配は不要だ。
今回、いくつかのアニメ番組で機能のオン/オフを見比べてみたところ、ジャギーやコーミングが驚くほど綺麗に除去されることに驚かされた。ガタガタだった輪郭線がくっきりと滑らかになり、少し遠目からでも明らかなほど目立っていたコーミングも、ほとんど判別できなくなった。
もちろん、この機能の効果の大小は、ソースによって異なる。必ずしも全てのアニメ放送で高い効果を期待できるものではないが、少なくとも、原画からのアプコンの方法と、今回の技術のアルゴリズムがぴったりハマったコンテンツについては、非常に大きな効果が得られたと報告しておきたい。
なお、この原画解像度復元は、デジタル放送をアニメモードで視聴する時のみ、適用が可能となっている。効果が非常に大きいだけに、パッケージソフトに適用できないのはやや残念だが、これはパッケージの場合、アプコンがきっちりと行われている可能性が高いためだという。
アニメモードの画質一つを取っても、非常に大きな進化を遂げている今回のブルーレイDIGA。もちろん、使い勝手や機能も進化している。近日中に折原一也氏による、他社機を含めたBDレコーダー最新機種のハンドリングレポートを掲載する予定だ。ぜひご期待をいただきたい。