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公開日 2012/12/07 10:30

【レビュー】「HTC J butterfly」を試す − 5インチフルHDの“全部入り”スマホ

5インチの使い勝手は? カメラ機能は? Beats Audioは?
編集部:杉浦 みな子
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■「Beats Audio」で高音質を楽しむ

HTC J butterflyは、なんといっても「Beats Audio」の搭載を謳っているのもポイントだ。音楽プレーヤーアプリとしては、auの「LISMO Player」とAndroidの純正音楽アプリの2種類をプリインストールしている。

ヘッドホン/イヤホンを本体に接続すると、通知バーに「Beats Audio」の項目が表示され、同機能のON/OFFを選ぶことができるようになる。

今回は、記者が所有しているSHURE「SE315」とヤマハ「EPH-100」の2機種で試聴してみた。試聴楽曲はパスカルズ『のはら』と知久寿暁『電車かもしれない』。

ヘッドホン/イヤホンを本体に接続すると、通知バーからBeats AudioのON/OFFを設定できるようになる

楽曲再生中は、ロック画面からも再生/一時停止、早送り/巻き戻しが可能

この「Beats Audio」はデフォルトでONになっているのだが、あえてON/OFFを切り替えて聴き比べを行うと、ON時の効果がわかりやすく感じられる。OFF時は音が痩せており、低域がぼやけているというか“薄い”印象だ。

それをONにすると、とにかくまず低音が太くしっかりとして、OFF時には聴こえなかったベースラインも再現される。全体的に音が豊かでふくよかになり、音場が自分にグッと近づく感じになる。低音の存在が強調されて全体的に音の陰影が濃くなり、立体感が生まれた感じとでもいおうか。低音ゴリゴリのロック系なんかは特に相性が良いかもしれない。

参考までに、使ってみたイヤホン2機種では、SE315の方がバランス良く本機との相性が良い印象だった。EPH-100だと、イコライジングの人工的な雰囲気も出てしまい、あまり記者の好みではなかった。記者はBeatsイヤホンを持っていないのでその組み合わせでの試聴はかなわなかったが、やはりBeatsイヤホンと合う音作りがされている面もあるのかもしれない。繰り返しになるが、本機にBeatsイヤホンが付属しないのは残念である。

なお、この「Beats Audio」機能は、端末内のファイル再生だけでなく、YouTube動画の再生時にも適用できる。ただ、YouTubeの圧縮音声に適用すると、恐らくアップロードされた音声ファイルの形式によるのだろうが、ソースによって効果の程度はかなりバラツキがあった。

加えて、これは恐らくAndroidスマートフォンの宿命なのだろうが、バックで勝手に起動してしまうアプリの動きが音楽再生に影響を与えてしまうという点がある。IS03の場合はそれが顕著で、音場表現が変わるほどだった。しかしHTC J butterflyは、記者が使った限りではバックで起動するアプリによってほんの一瞬音が止まることもある程度。こういった部分もあわせて、本機ではよりよく音楽再生を楽しめた。

■人気アプリ「Sound Hound」「TuneIn Radio」もプリイン! 音楽連携もばっちり

また、従来モデル「HTC J」から引き続く仕様として、音楽再生関連機能も細かいところで充実している。鼻歌で楽曲検索ができる「Sound Hound」や、世界中のラジオが聴ける「TuneIn Radio」などの人気アプリが最初からインストールされているのも地味にポイントが高い。

Sound HoundアプリはAndroidの純正音楽アプリと連携していて、音楽アプリの楽曲再生画面からSound Houndで曲情報やYouTubeのURLを探すことがワンタッチでできたりもする。

「Sound Hound」や「TuneIn Radio」の人気アプリが最初からプリイン。そんなに過保護でどうすると突っ込みたくなるくらい細部まで充実している

音楽再生中画面。右上に「Sound Hound」のアイコンがあり、そこから情報を検索できる

ちなみにHTC製のスマートフォンには、PC側との同期ソフト「HTC Sync Manager」というものがあり、これで楽曲やファイルの転送を行える。iTunesのようなOS公式の母艦ソフトがないAndroidにとって、メーカーからこういった公式のソフトが用意されているというのも、ユーザー的には1つのポイントだろう。本機ももちろんこのHTC Sync Managerに対応している。

PCとの同期ソフト「HTC Sync Manager」



さて、所々で2010年発売の端末と2012年発売の端末を強引に比べてしまった部分もあったが、いかがだっただろうか。記者としては、IS03が切り拓いたといっても良いであろう“フィーチャーフォン機能を搭載したスマートフォン”という分野が、最新OS 4.1を搭載した状態でこんな風に進化しているのか…! という驚きがあった。

最後になったが、HTC J butterflyは電池の持ちもそこまで悪くはなかったことも付け加えておく。記者がすでにスマホを使い慣れているという前提もあるかもしれないが、「え! もうこんなに減っちゃったの?」という状態にはならなかった。

様々なユーザー層を網羅できるような、痒いところに手が届く「全部入り」スペックはやはり凄い。また、先述の通りカメラ機能も充実しているので、個人的には自分と同じ女性ユーザーにもオススメしたい端末である。

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