公開日 2014/05/14 12:15
ハイレゾ対応「Xperia ZL2」の音質をチェック − “ウォークマン”F880と聴き比べてみた
<山本敦のAV進化論>第8回
Xperia ZL2のハイレゾ再生は、USBオーディオクラスドライバーのVer.2.0に準拠しており、スペック上は最大192kHz/32bitまでのオーディオファイルが再生できる。Android Open Accessory Protocol(AOA)は使用していない。ハイレゾ対応の外部機器と組み合わせる際は、スマートフォンにUSB OTGホストケーブルをつないでから、USBケーブルを介してUSB-DACなどにXperiaでデコードしたハイレゾ音源を送り込む。
今回のテストで、Xperia ZL2に入れたAIFF形式の音源ファイルの再生を試みたところ、当然ながら再生リストに楽曲が表示されず再生はできなかった。ALACのファイルはリストに表示はされるが、選択すると再生できないというアラートが表示される。今後、再生可能なファイル形式がウォークマンなみに増えて欲しいところだ。
またハイレゾ対応ウォークマンのようにmoraアプリから直接ハイレゾ音源が購入できるかも試してみたが、対応していなかった。今回は評価機でのハンドリングだったため、発売後には対応している可能性もある。
【情報更新】ソニーにmora対応の最新状況を確認したところ、発売前に実施される本体ファームウェアのアップデート(バージョン:v.2.0.3a)により、Xperia Z2L/Xperia Z2ではmoraから直接ハイレゾ楽曲のダウンロード購入が可能になるという回答を得た。(5/20時点)
■ハイレゾ対応Xperiaの音質をチェック − ハイレゾウォークマン「F880」と聴き比べる
それでは、Xperia ZL2のハイレゾ再生の実力に迫っていこう。本機については、発売前の最終調整段階の実機であることをもう一度お断りしておきたい。今回はリファレンスにソニーのポータブルヘッドホンアンプ「PHA-2」とヘッドホン「MDR-1R」を用意した。サウンドの持ち味をより明らかに知るため、ハイレゾ対応のウォークマン「F880シリーズ」も用意し、音を聴き比べた。
なおテーマの本筋から若干逸れるのだが、今回はスマートフォンとポタアンの間はWiseTechが取り扱うClicktronicのmicroUSBケーブル「64003」で接続している。USBのデジタル入力にmicroUSB端子を採用するポタアンやDACが増えてきているのにも関わらず、オーディオグレードの交換ケーブルはまだあまり多くない。以前、Cambridge Audioの「DacMagic XS」を購入してから、ずっと交換用ケーブルを探してきたのだが、3月に発売されたこのケーブルを手に入れて使ってみたところ、高域の解像感や全体のS/Nが向上した。microUSB仕様の機器を試聴する際に愛用している。
試聴報告に戻ろう。ソニー独自の音響信号処理技術を組み合わせておすすめの音質を提供する「ClearAudio+」は、XperiaもウォークマンもONにして聴いている。なお後述するが、この「ClearAudio+」が新しく味付けされたこともXperia新フラグシップモデルの特徴だ。
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