公開日 2018/04/22 10:00
8Kモニターを4月発売、約148万円
「8K」液晶は欧州で受け入れられる? 「超高画質」でシェア拡大ねらうシャープの戦略
山本 敦
2018年のIFAグローバル・プレスカンファレンスはイタリアの首都・ローマで開催されている。初日に開催されたイベントのスポンサー企業によるプロダクト発表会では、シャープが欧州・ロシア市場向けに開発した70型の8K/HDR液晶モニター「LV-70X500E」を4月末に発売することを改めて表明した。価格はオープンだが想定売価は11,199ユーロ(約148万円)前後を見込んでいる。
本機は日本で昨年12月1日に発売された“AQUOS 8K”「LC-70X500」(関連ニュース)からチューナーを省いた民生用機。シャープが昨年のIFA2017に出展した際、すでに欧州市場での発売を予告していた商品が、いよいよ店頭に並ぶことになる。
発表会に登壇したシャープ欧州法人のマーケティング&セールス部門のバイスプレジデント、Sascha Lange氏は「デジタル放送のフルHD、4Kコンテンツも高精度な8Kアップコンバート表示が可能。購入後からすぐに楽しんでもらえるだろう」と胸を張る。BtoBでの拡販もターゲットに入れた商品であることから、「医療の現場、交通インフラやセキュリティなど産業用の高精細モニターとしても訴求したい」と展望を語った。
シャープではフランスの公共放送局であるフランス・テレビジョンとパートナーシップを組み、フランスで5月21日に開幕するテニスの大会「全仏オープン/ローラン・ギャロス」を8K映像で撮影・視聴するための実証実験を行う。
発表会後の展示会場でSascha Lange氏、ならびに日本から参加したシャープ(株)TVシステム事業本部 堺開発センター 第2開発部長 工学博士の藤根俊之氏に、欧州で発売される新製品への意気込みを聞いた。またフランス・テレビジョンのテクニカル・イノベーション部門長のBernard Fontaine氏にも8K実証実験の詳細を訊ねた。
IFA2017では、シャープがAV製品を展示するブースが “復活” し、最新の4K/8K製品、スマートフォンの展示が話題を呼んだ(関連ニュース)。Lange氏は「2017年はシャープのテレビが躍進を遂げた1年」だったと振り返る。液晶テレビの販売台数が2016年比で50%の伸びを達成したからだ。
この要因について「シャープのテレビがベネルクス3国をはじめ、欧州で販売を展開できていなかった地域にもさらに拡大したから」とLange氏は説明する。2018年はさらに前年比40%のセールスアップを狙う。さらにシャープとしては、2020年までに欧州のメーカー別シェア3位以内に食い込むことを目標に掲げているようだ。
Lange氏によると、欧州ではいま「55インチから60インチ」の4Kテレビが伸び盛りだという。「テレビの価格がこなれてきたことや、4K映像を体験したユーザーが50インチ以上の大画面の必然性を理解したこと」のほか、欧州のリビングでインテリアのミニマリズムがトレンドになりつつあることをLange氏は理由に挙げる。「デザインがスリムになってきたので、なるべく大きな画面のテレビを壁面側に置いて、過剰なデコレーションを廃したインテリアのコーディネートが好まれている」のだという。
欧州で販売を開始する「LV-70X500E」はチューナレスの8Kモニターだが、Lange氏は「チューナーやスマートOSを搭載せず、ピュアに映像を楽しめるモニタースタイルの方が、欧州のハイエンドマーケットから期待されている」と仕様の意図を語る。欧州各国では、まだ8Kのネイティブコンテンツが供給される明確な見通しが立っていないようだが、Lange氏は「4K/フルHDからのアップコンバート機能を活用したり、デジタル一眼レフカメラで撮影した写真の表示、ハイエンドPCによる8Kグラフィックスを駆使したハイスペックなゲーム、あるいは既に8K映像コンテンツのアップロードに対応しているYouTubeなど、シャープの8Kモニターで様々なコンテンツが楽しめる」とした。
最新の8Kモニターの販売については、いわゆるホームシアターの専門店に限らず家電量販店でも展開される予定だが、「販売員が商品、および4K/8K映像の魅力を的確に説明できるフラグシップストアを中心に売り場を広げていきたい」とLange氏は語る。
本機は日本で昨年12月1日に発売された“AQUOS 8K”「LC-70X500」(関連ニュース)からチューナーを省いた民生用機。シャープが昨年のIFA2017に出展した際、すでに欧州市場での発売を予告していた商品が、いよいよ店頭に並ぶことになる。
発表会に登壇したシャープ欧州法人のマーケティング&セールス部門のバイスプレジデント、Sascha Lange氏は「デジタル放送のフルHD、4Kコンテンツも高精度な8Kアップコンバート表示が可能。購入後からすぐに楽しんでもらえるだろう」と胸を張る。BtoBでの拡販もターゲットに入れた商品であることから、「医療の現場、交通インフラやセキュリティなど産業用の高精細モニターとしても訴求したい」と展望を語った。
シャープではフランスの公共放送局であるフランス・テレビジョンとパートナーシップを組み、フランスで5月21日に開幕するテニスの大会「全仏オープン/ローラン・ギャロス」を8K映像で撮影・視聴するための実証実験を行う。
発表会後の展示会場でSascha Lange氏、ならびに日本から参加したシャープ(株)TVシステム事業本部 堺開発センター 第2開発部長 工学博士の藤根俊之氏に、欧州で発売される新製品への意気込みを聞いた。またフランス・テレビジョンのテクニカル・イノベーション部門長のBernard Fontaine氏にも8K実証実験の詳細を訊ねた。
IFA2017では、シャープがAV製品を展示するブースが “復活” し、最新の4K/8K製品、スマートフォンの展示が話題を呼んだ(関連ニュース)。Lange氏は「2017年はシャープのテレビが躍進を遂げた1年」だったと振り返る。液晶テレビの販売台数が2016年比で50%の伸びを達成したからだ。
この要因について「シャープのテレビがベネルクス3国をはじめ、欧州で販売を展開できていなかった地域にもさらに拡大したから」とLange氏は説明する。2018年はさらに前年比40%のセールスアップを狙う。さらにシャープとしては、2020年までに欧州のメーカー別シェア3位以内に食い込むことを目標に掲げているようだ。
Lange氏によると、欧州ではいま「55インチから60インチ」の4Kテレビが伸び盛りだという。「テレビの価格がこなれてきたことや、4K映像を体験したユーザーが50インチ以上の大画面の必然性を理解したこと」のほか、欧州のリビングでインテリアのミニマリズムがトレンドになりつつあることをLange氏は理由に挙げる。「デザインがスリムになってきたので、なるべく大きな画面のテレビを壁面側に置いて、過剰なデコレーションを廃したインテリアのコーディネートが好まれている」のだという。
欧州で販売を開始する「LV-70X500E」はチューナレスの8Kモニターだが、Lange氏は「チューナーやスマートOSを搭載せず、ピュアに映像を楽しめるモニタースタイルの方が、欧州のハイエンドマーケットから期待されている」と仕様の意図を語る。欧州各国では、まだ8Kのネイティブコンテンツが供給される明確な見通しが立っていないようだが、Lange氏は「4K/フルHDからのアップコンバート機能を活用したり、デジタル一眼レフカメラで撮影した写真の表示、ハイエンドPCによる8Kグラフィックスを駆使したハイスペックなゲーム、あるいは既に8K映像コンテンツのアップロードに対応しているYouTubeなど、シャープの8Kモニターで様々なコンテンツが楽しめる」とした。
最新の8Kモニターの販売については、いわゆるホームシアターの専門店に限らず家電量販店でも展開される予定だが、「販売員が商品、および4K/8K映像の魅力を的確に説明できるフラグシップストアを中心に売り場を広げていきたい」とLange氏は語る。