公開日 2018/11/01 06:30
<山本敦のAV進化論 第167回>
ソニー “BRAVIA MASTER” が搭載した「Netflix画質モード」とは何か? ねらいと効果を聞いた
山本 敦
ソニーのブラビア 2018年モデル「MASTERシリーズ」のA9FとZ9Fに、新機能「Netflix画質モード」が搭載された。しかし、これがどのような機能で、Netflixのコンテンツを観る時にどんなメリットが得られるのか、よくわからないという声もある。
今回、Netflixのパートナーマーケティング・ディレクターであるコバリ・クレチマーリ シルビア氏(以下:コバリ・クレチマーリ氏)に詳細を訊ねた。
■Netflix画質モードは画質向上のための新たな挑戦
まずはNetflix画質モードがソニーの新しいブラビアに搭載されることになった経緯から、コバリ・クレチマーリ氏に聞いた。
「テレビの画質にこだわるソニーのエンジニアと、質の高いコンテンツをユーザーに届けることをミッションとする当社のエンジニアとの間で意気投合したことがきっかけでした。当社は先端のネットワーク技術によってVODサービスを提供するテクノロジーカンパニーとして、片方の軸足をシリコンバレーに、そしてもう片方はエンターテインメント産業の中心地であるハリウッドにも置くユニークな企業です。サービスが立ち上がったころから、当社で配信するコンテンツは映像も音もすべて最高のクオリティでユーザーの皆様にお届けするため、技術に磨きをかけてきました」(コバリ・クレチマーリ氏)。
「現在多くのスマートテレビに採用いただいているNetflixボタンは、視聴の利便性を向上させるための取り組みの一つですが、同時にDolby Atmosのオブジェクトオーディオなど、4K/HDRコンテンツのクオリティアップにも積極的に取り組んでいます。今回のNetflix画質モードも、新たな画質向上のための挑戦です」(同氏)。
またNetflixオリジナル作品『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の総合製作者であるダッファー兄弟は「自身が手がけたコンテンツにソープオペラ効果(テレビのフレーム補間技術によって映像が不自然に感じる現象)が加わってしまうことが残念。私たちが意図した通りの映像をNetflixのユーザーに届けたい」と話したこともあったというが、Netflix画質モードが生まれた背景には、同社がこうしたクリエイターの声を大切にしていることも挙げられるだろう。
■多くのプロフェッショナルから「お墨付き」
新設されたモードの画質設計は、クリエイターの声を集めながら、ソニーのMASTERシリーズを担当する熟練のエンジニアと、Netflixのエキスパートがタッグを組んで作り上げた。その作業がどのような道筋をたどってきたのか、コバリ・クレチマーリ氏を通じて、ソニーとNetflixのエンジニアに詳細を聞いた。
Netflix画質モードの「基準」になるのは、作品の作り手であるディレクターやカラリストをはじめとするクリエイターの目であり、彼らが意図する画質だ。チューニングはポストプロダクションの段階で、ユーザーの室内環境を想定して照明を調整した場所で、リファレンスモニターで行われている。
画づくりについては、映像評価に最適な条件が整う製作現場や暗転が可能な映画館と違い、生活環境レベルの明るさがあり、しかも遮光条件や視聴時間帯などが異なる中でもクリエイターの意図を正確に反映させるという、難しいテーマが課せられた。
今回、Netflixのパートナーマーケティング・ディレクターであるコバリ・クレチマーリ シルビア氏(以下:コバリ・クレチマーリ氏)に詳細を訊ねた。
■Netflix画質モードは画質向上のための新たな挑戦
まずはNetflix画質モードがソニーの新しいブラビアに搭載されることになった経緯から、コバリ・クレチマーリ氏に聞いた。
「テレビの画質にこだわるソニーのエンジニアと、質の高いコンテンツをユーザーに届けることをミッションとする当社のエンジニアとの間で意気投合したことがきっかけでした。当社は先端のネットワーク技術によってVODサービスを提供するテクノロジーカンパニーとして、片方の軸足をシリコンバレーに、そしてもう片方はエンターテインメント産業の中心地であるハリウッドにも置くユニークな企業です。サービスが立ち上がったころから、当社で配信するコンテンツは映像も音もすべて最高のクオリティでユーザーの皆様にお届けするため、技術に磨きをかけてきました」(コバリ・クレチマーリ氏)。
「現在多くのスマートテレビに採用いただいているNetflixボタンは、視聴の利便性を向上させるための取り組みの一つですが、同時にDolby Atmosのオブジェクトオーディオなど、4K/HDRコンテンツのクオリティアップにも積極的に取り組んでいます。今回のNetflix画質モードも、新たな画質向上のための挑戦です」(同氏)。
またNetflixオリジナル作品『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の総合製作者であるダッファー兄弟は「自身が手がけたコンテンツにソープオペラ効果(テレビのフレーム補間技術によって映像が不自然に感じる現象)が加わってしまうことが残念。私たちが意図した通りの映像をNetflixのユーザーに届けたい」と話したこともあったというが、Netflix画質モードが生まれた背景には、同社がこうしたクリエイターの声を大切にしていることも挙げられるだろう。
■多くのプロフェッショナルから「お墨付き」
新設されたモードの画質設計は、クリエイターの声を集めながら、ソニーのMASTERシリーズを担当する熟練のエンジニアと、Netflixのエキスパートがタッグを組んで作り上げた。その作業がどのような道筋をたどってきたのか、コバリ・クレチマーリ氏を通じて、ソニーとNetflixのエンジニアに詳細を聞いた。
Netflix画質モードの「基準」になるのは、作品の作り手であるディレクターやカラリストをはじめとするクリエイターの目であり、彼らが意図する画質だ。チューニングはポストプロダクションの段階で、ユーザーの室内環境を想定して照明を調整した場所で、リファレンスモニターで行われている。
画づくりについては、映像評価に最適な条件が整う製作現場や暗転が可能な映画館と違い、生活環境レベルの明るさがあり、しかも遮光条件や視聴時間帯などが異なる中でもクリエイターの意図を正確に反映させるという、難しいテーマが課せられた。