公開日 2017/05/31 10:00
<山本敦のAV進化論 第133回>
ソニー史上最強のAVスマホ、「Xperia XZ Premium」の4K/HDR映像・ハイレゾ再生を試す
山本 敦
ソニーの新しいフラグシップスマホ「Xperia XZ Premium」が6月中旬にNTTドコモから発売されることが決まった。スマホ初の4K/HDR対応やさらなる音質改善を図ったハイレゾ再生など、筆者が “ソニー史上最強” と考えるAVスマホの実力に迫ろう。
なお本機に採用されているソニーの先進技術と機能の詳細や、開発に携わったキーマンへのインタビューは3月に本連載でお届けしているので、今回のレポートと合わせてご覧いただきたい。
■4K/HDRやハイレゾの技術的なハイライトを振り返る
Xperia XZ Premiumは、世界で初めて4K/HDR映像を単体で楽しめるスマートフォンだ。振り返れば2015年秋に世界初の4K対応スマホ「Xperia Z5 Premium」を発売したのもソニーだった。
最新モデルではHDR10とHLGの両方式をサポートする4K/HDR対応の映像エンジンと、約5.5インチのHDR対応液晶パネルを搭載。没入感の高い映像を楽しめるのが特徴だ。CPUにはクアルコムのモバイルデバイス向け最上位64bitオクタコアプロセッサー「Snapdragon 835」を積み、安定感が高く消費電力を抑えた4K/HDR再生に対応する。
ハイレゾについては3月の取材時点で詳細を訊ねることができなかったが、現行最上位モデルの「Xperia XZ」より改善されたと聞いていた。今回実機で試聴する機会を前に、Xperia XZ Premiumのオーディオ機能の開発をご担当されたソニーモバイルコミュニケーションズ(株)商品設計1部デバイス1課 オーディオエンジニアの池田有基氏から詳しい改善点を聞くことができた。
最新モデルのXperia XZ Premiumは、Xperiaシリーズの中でもオーディオ再生の最先端を追求した「XZ」を基準に、一段とヘッドホン出力、内蔵スピーカーともにブラッシュアップした。改善を進めるうえで定められた方向性は、ヘッドホン端子による出力は「原音再生の忠実度を高めること」で、内蔵スピーカーについては「自然なステレオ感の再現」だった。
ヘッドホン再生ではとくに左右チャンネルの分解能を高めつつ、音場の広がりと奥行き、空気感の向上も合わせて追求した。これに伴ってボーカルや楽器のディティールを再現しながら、密度の高い情報が生み出す自然な広がり感にもフォーカスしている。
具体的なアプローチとしては、より低域特性の良いキャップレスタイプのヘッドホンアンプを搭載しチャンネルセパレーションの向上を図った。
ところで、オーディオ機器として理想的な配線パターンを追求すると、通信用アンテナが抱える設計上の制約としてバッティングしてしまう。そこで最新モデルのXperia XZ Premiumではアンテナ系エンジニアとのコミュニケーションを密にし、トライアンドエラーを繰り返しながらアンテナ特性とオーディオ特性の両方をバランス良く整えた。回路構成、配線パターン、構成部品は振り出しに戻って検討を進めた。
ヘッドホン出力の場合、グラウンドのライン設計がアンテナの感度に及ぼす影響が大きく現れるため、純粋なオーディオ機器では必要としない部品をグラウンド部分に追加する必要もあるという。この手間をかけることが低域の量感、質感の強化に大きく影響を及ぼすことがわかっていたため、今回のモデルでは同じアンテナ技術のエンジニアと部品の選定からリスニングまで入念なチェックを繰り返して最良のサウンドに辿り着いたという。その効果がどれほどのものか、後ほど実機のリスニングで確かめてみよう。
本機は本体ディスプレイ側正面に向かってステレオスピーカーを配置している。最新モデルは約5.5インチと、やや画面サイズが大きいぶん、スピーカー再生時のステレオバランスの調整がシビアになるという。開発陣は様々な種類のコンテンツによる試聴を繰り返しながら、同時にスマホの持ち方や置き方にも注意を払ってサウンドのバランスを整えてきた。
Xperia XZに比べると内部のメカ設計や基板の部品配置を見直し、スピーカーボックスの容量拡大と剛性強化が実現できたことが低域のレスポンス改善につながり、生楽器はグラマラスなボディ感も再現できるという。こちらもリスニング時のポイントとして頭に入れておこうと思う。
なお本機に採用されているソニーの先進技術と機能の詳細や、開発に携わったキーマンへのインタビューは3月に本連載でお届けしているので、今回のレポートと合わせてご覧いただきたい。
■4K/HDRやハイレゾの技術的なハイライトを振り返る
Xperia XZ Premiumは、世界で初めて4K/HDR映像を単体で楽しめるスマートフォンだ。振り返れば2015年秋に世界初の4K対応スマホ「Xperia Z5 Premium」を発売したのもソニーだった。
最新モデルではHDR10とHLGの両方式をサポートする4K/HDR対応の映像エンジンと、約5.5インチのHDR対応液晶パネルを搭載。没入感の高い映像を楽しめるのが特徴だ。CPUにはクアルコムのモバイルデバイス向け最上位64bitオクタコアプロセッサー「Snapdragon 835」を積み、安定感が高く消費電力を抑えた4K/HDR再生に対応する。
ハイレゾについては3月の取材時点で詳細を訊ねることができなかったが、現行最上位モデルの「Xperia XZ」より改善されたと聞いていた。今回実機で試聴する機会を前に、Xperia XZ Premiumのオーディオ機能の開発をご担当されたソニーモバイルコミュニケーションズ(株)商品設計1部デバイス1課 オーディオエンジニアの池田有基氏から詳しい改善点を聞くことができた。
最新モデルのXperia XZ Premiumは、Xperiaシリーズの中でもオーディオ再生の最先端を追求した「XZ」を基準に、一段とヘッドホン出力、内蔵スピーカーともにブラッシュアップした。改善を進めるうえで定められた方向性は、ヘッドホン端子による出力は「原音再生の忠実度を高めること」で、内蔵スピーカーについては「自然なステレオ感の再現」だった。
ヘッドホン再生ではとくに左右チャンネルの分解能を高めつつ、音場の広がりと奥行き、空気感の向上も合わせて追求した。これに伴ってボーカルや楽器のディティールを再現しながら、密度の高い情報が生み出す自然な広がり感にもフォーカスしている。
具体的なアプローチとしては、より低域特性の良いキャップレスタイプのヘッドホンアンプを搭載しチャンネルセパレーションの向上を図った。
ところで、オーディオ機器として理想的な配線パターンを追求すると、通信用アンテナが抱える設計上の制約としてバッティングしてしまう。そこで最新モデルのXperia XZ Premiumではアンテナ系エンジニアとのコミュニケーションを密にし、トライアンドエラーを繰り返しながらアンテナ特性とオーディオ特性の両方をバランス良く整えた。回路構成、配線パターン、構成部品は振り出しに戻って検討を進めた。
ヘッドホン出力の場合、グラウンドのライン設計がアンテナの感度に及ぼす影響が大きく現れるため、純粋なオーディオ機器では必要としない部品をグラウンド部分に追加する必要もあるという。この手間をかけることが低域の量感、質感の強化に大きく影響を及ぼすことがわかっていたため、今回のモデルでは同じアンテナ技術のエンジニアと部品の選定からリスニングまで入念なチェックを繰り返して最良のサウンドに辿り着いたという。その効果がどれほどのものか、後ほど実機のリスニングで確かめてみよう。
本機は本体ディスプレイ側正面に向かってステレオスピーカーを配置している。最新モデルは約5.5インチと、やや画面サイズが大きいぶん、スピーカー再生時のステレオバランスの調整がシビアになるという。開発陣は様々な種類のコンテンツによる試聴を繰り返しながら、同時にスマホの持ち方や置き方にも注意を払ってサウンドのバランスを整えてきた。
Xperia XZに比べると内部のメカ設計や基板の部品配置を見直し、スピーカーボックスの容量拡大と剛性強化が実現できたことが低域のレスポンス改善につながり、生楽器はグラマラスなボディ感も再現できるという。こちらもリスニング時のポイントとして頭に入れておこうと思う。
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