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公開日 2017/08/01 10:00
【特別企画】ベーシックモデル「M-100」もチェック

有線でハイレゾにも対応!米V-MODAのワイヤレスヘッドホン「CROSSFADE II WIRELESS」をレビュー

高橋 敦

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2004年にDJでミュージシャンでもあるヴァル・コルトンによって立ち上げられたアメリカ発のブランド、「V-MODA」。同社のヘッドホンは、プロDJからも圧倒的な支持を集め、サンダー・クライネンバーグやポール・オーケンフィールドなど、著名なDJが愛用していることでも知られる。

そして2017年。V-MODAが新たなフェーズに入ったことを象徴するような製品が登場した。それがBluetoothヘッドホン「CROSSFADE II WIRELESS」である。

「CROSSFADE ? WIRELESS」オープン価格(予想実売価格:ローズ・ゴールド 51,000円前後、マット・ホワイト/マット・ブラック 49,000円前後) 左からローズ・ゴールド、マット・ブラック、マット・ホワイト

本記事では、CROSSFADE II WIRELESSはもちろん、そのベースとなっている同ブランドのレファレンスモデル「CROSSFADE M-100」を取り上げ、彼らの製品開発におけるポリシーを浮き彫りにしたい。

「CROSSFADE M-100」オープン価格(予想実売価格32,000円前後)。左からマット・ブラック、ホワイト・シルバー、シャドウ

ベーシックモデルの魅力をそのままワイヤレス化

V-MODAのベーシックモデル「CROSSFADE M-100」と遠目に見比べても、カラーリングの他の相違点をさっと見つけられる人は少ないだろう。同社を象徴するモデルを、その魅力を一切損ねることなくワイヤレス化することに成功したモデル。それがこの「CROSSFADE II WIRELESS」だ。

音質、デザイン、装着感―すべてをリファインすることでワンステージ上のレベルになった「CROSSFADE ? WIRELESS」

何も手を加えずワイヤレスにしただけということではない。ワイヤレスという要素が加わっても同社自身が求めるサウンドクオリティを維持するため、ドライバーユニットには新たに開発した同社独自の50mm径「デュアル・ダイヤフラム・ドライバー」を採用し、このモデルのために新たなチューニングが施されている。

その一環として、ドライバーの駆動力の源であるコイルには日本製の銅クラッドアルミ線を採用。結果、有線接続時の再生周波数帯域の高域側はM-100の30kHzに対して、CROSSFADE II WIRELESSは40kHzとむしろ伸びている。加えてローズ・ゴールドモデルはBluetoothの伝送コーデックとしてaptXにも対応し、伝送過程での音質ロスも最小限にとどめている。

軽量で導電性に優れたCCAWボイスコイルを搭載し、有線接続時には5Hz〜40kHzまでのハイレゾ再生に対応。イヤーパッドもより厚くソフトになり、快適な装着性を実現する

使い勝手の面でも、2015年秋に発売されたワイヤレス初号機「CROSSFADE WIRELESS」からも進化している。大きなポイントは折りたたみ機構の搭載。従来同様の「STEELFLEX」ヘッドバンドなどによる耐久性も備えており、丈夫さに加えて携帯性の面でもさらに使いやすいヘッドホンになった。低反発フォームを採用したイヤーパッドはより厚みを増した。しっとりとした肌触りで、長時間の試聴も快適だ。

またハウジングのリモコンボタンは、右手を耳に当てると指先が自然に当たる場所に配置。さらに中央ボタンが六角形ハウジングの頂点に置かれているので、手探りでもそこを目印にすれば左右のボタンの位置も指先ですぐに把握できる。デザインとインターフェースを巧みに一体化した好例だ。

イタリア・ミラノでデザインされ、仕上げの細部にまでこだわり抜かれた逸品。ヘッドホンが折り畳まれていない状態でヘッドバンドを押すと、ヒンジが蝶番のように曲がり即座に折り畳むことができる技術「CLIQFOLD」設計を採用している

右側のイヤーカップ上部には操作ボタンが配されており、音楽再生操作や音量調整のほか、通話応答などができるようになっている。六角形上部にあるボタンは「マルチ・ファンクション」ボタンで、1回押しで音楽再生/一時停止、2回押しで曲送り、3回押しで曲戻り、3秒以上の長押しでSiriやGoogle Nowを操作することができる。

音も装着感もリラックス志向、リスニングでの快適性を追求

サウンドは、おおよその傾向はM-100と共通。バンドサウンドからクラブミュージックまで広い意味でのコンテンポラリーミュージック全般に対応できる、クリアなサウンドだ。しかし恐らく意図的にだと思うが、M-100ほどカチッとしたクリアな音には仕上げていない。

例えばロックバンド「ペトロールズ」のベースは、低音の引き締めを少し緩め、音色のボリューム感を少し多めに出す。ヒップホップ的な要素を含むジャズ・ユニット「ロバート・グラスパー・エクリペリメント」の『Human』も低音の広がりをたっぷり生かす印象だ。このサウンドの実現には、ドライバーのチューニング変更に加えて、ソフトで厚めのイヤーパッドも貢献しているかもしれない。

M-100と比べて装着感もサウンドも、ややリラックスしたゆったり傾向。DJなどプロユースにも対応できるM-100に対して、こちらはリスニングユースでの快適さが光る。単なるワイヤレス版ではないバリエーションだ。

ハードなルックスは意外に女性にもマッチ。コーディネートのアクセントとしても使えそうだ

レファレンスモデル「M-100」の実力とは?

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