公開日 2018/05/23 16:30
ケン・ボール氏に3機種へのこだわりを聞いた
Campfire Audioの新イヤホン「ATLAS/COMET」&ヘッドホン「CASCADE」3機種一斉レビュー
佐々木喜洋
常に新たな挑戦を繰り返し、独自性の高いイヤホンを展開している人気ブランド「Campfire Audio」。4月28日・29日に開催された「春のヘッドフォン祭」でも、従来ラインナップとは異なる新たな筐体デザインを採用したイヤホン「ATLAS」「COMET」の2機種を登場させた(関連記事)。
今回、本国より来日した代表、Ken Ball(ケン・ボール)氏にインタビューを実施。新イヤホン「ATLAS」「COMET」の製品特徴と共に、「開発するのが夢だった」と同氏が語るブランド初のヘッドホン「CASCADE」(関連ニュース)についても詳細を伺った。本記事後半には3機種のレビューもお届けする。
■“オーディオの宝石のような”外観にこだわった新イヤホン「ATLAS/COMET」
ーー まずは新イヤホン「ATLAS」と「COMET」について、詳細を伺っていきたいと思います。今回、なぜ筐体デザインを変更したのでしょうか?
ケン・ボール氏: 高級時計のような表面仕上げをイヤホンでも出したいと思い、コーティングが不要なステンレススチールの削り出しを採用しました。耐久性もありながら美しく、オーディオの宝石のような外観で、長く使い込むことで味のある質感を出すことができます。
また、装着性についても再考しました。今回メモリーワイヤーは設けず、ストレートなインイヤー式と耳かけ式の両対応デザインを採用してます。Campfire Audioでは一人のデザイナーが全製品を担当しているのですが、彼の才能ゆえのデザインと言えます。
ーー 2機種はダイナミック型とBA型という違いはありますが、今回は両方ともシングルドライバー構成ですね。
ケン・ボール氏: 純度の高い音を出せる、シングルドライバー構成の「シンプル・イズ・ベスト」なところが好きなんです。シングルドライバー構成でのマイナス点もありますが、私の仕事はプラス面をより良くしていくことだと考えています。
ーー それでは各製品についてさらに詳しく教えてください。まずはATLASから。名前の由来は何でしょうか?
ケン・ボール氏: 私たちは常々、単なる文字や数字の羅列ではなく、ユーザーに、より製品を認識してもらえるような名前を考えています。今回の「ATLAS」は、地図や地球といったような「大きな」ものを意味しています。
ーー ドライバーに採用している『A.D.L.C.振動板』の効果について教えてもらえますか?
ケン・ボール氏: “A.D.L.C.”は基本的に「VEGA」(関連ニュース/レビュー記事)で同様なダイヤモンドコーティングのことで、振動板に採用すると中低音がより引き締まる効果があり、また周波数特性も向上させることができます。
VEGAからの改良点は、振動板の直径を8.5mmから10mmに大きくしたことで、より多くの空気を動かすことができます。10mmより大きくなると高域の特性が落ちていくため、私たちは10mmがフルレンジのダイナミックドライバーとして一番良い大きさだと考えています。
ーー ATLASはケーブルにも特別なものを採用していますね。
ケン・ボール氏: はい、ATLASは少しプレミアムなものにしたかったので、音質に合わせた100%銀製のケーブルを採用しました。ATLAS自体がどちらかというと中低域に向いた音なので、銀製のケーブルによって多少高域を伸ばすことができ、より良いサウンドが表現できると考えたからです。「POLARIS」(関連ニュース/レビュー記事)の時も同様に、製品の音に合わせたケーブルを標準装備しました。
ーー POLARISと言えば、ドライバーに採用していたチャンバーデザインは、ATLASでも採用されていますか?
ケン・ボール氏: はい、採用しています。ATLASのダイナミックドライバーも、3Dプリントされた空間に空気が入り、出入りの流れを調整しています。これはスピーカーのキャビネットのような役割で、出入りする空気量はチューニング時の最重要素なのです。
また、ステンレススチールの外殻の内部には3Dプリントされたパーツを使用して、空気の流れを制御しています。VEGAでもこうした空気の流れには注意していましたが、より洗練された設計を施すことで、その結果、やや大きめの筐体になっています。
ーー それでは続いて「COMET」について、こちらも名前の由来を教えてください。
ケン・ボール氏: COMETは従来と同じく、天体関連から名付けた名前で「彗星」の意味です。見た目にもスマートで速さを感じるデザインにしました。
今回、本国より来日した代表、Ken Ball(ケン・ボール)氏にインタビューを実施。新イヤホン「ATLAS」「COMET」の製品特徴と共に、「開発するのが夢だった」と同氏が語るブランド初のヘッドホン「CASCADE」(関連ニュース)についても詳細を伺った。本記事後半には3機種のレビューもお届けする。
■“オーディオの宝石のような”外観にこだわった新イヤホン「ATLAS/COMET」
ーー まずは新イヤホン「ATLAS」と「COMET」について、詳細を伺っていきたいと思います。今回、なぜ筐体デザインを変更したのでしょうか?
ケン・ボール氏: 高級時計のような表面仕上げをイヤホンでも出したいと思い、コーティングが不要なステンレススチールの削り出しを採用しました。耐久性もありながら美しく、オーディオの宝石のような外観で、長く使い込むことで味のある質感を出すことができます。
また、装着性についても再考しました。今回メモリーワイヤーは設けず、ストレートなインイヤー式と耳かけ式の両対応デザインを採用してます。Campfire Audioでは一人のデザイナーが全製品を担当しているのですが、彼の才能ゆえのデザインと言えます。
ーー 2機種はダイナミック型とBA型という違いはありますが、今回は両方ともシングルドライバー構成ですね。
ケン・ボール氏: 純度の高い音を出せる、シングルドライバー構成の「シンプル・イズ・ベスト」なところが好きなんです。シングルドライバー構成でのマイナス点もありますが、私の仕事はプラス面をより良くしていくことだと考えています。
ーー それでは各製品についてさらに詳しく教えてください。まずはATLASから。名前の由来は何でしょうか?
ケン・ボール氏: 私たちは常々、単なる文字や数字の羅列ではなく、ユーザーに、より製品を認識してもらえるような名前を考えています。今回の「ATLAS」は、地図や地球といったような「大きな」ものを意味しています。
ーー ドライバーに採用している『A.D.L.C.振動板』の効果について教えてもらえますか?
ケン・ボール氏: “A.D.L.C.”は基本的に「VEGA」(関連ニュース/レビュー記事)で同様なダイヤモンドコーティングのことで、振動板に採用すると中低音がより引き締まる効果があり、また周波数特性も向上させることができます。
VEGAからの改良点は、振動板の直径を8.5mmから10mmに大きくしたことで、より多くの空気を動かすことができます。10mmより大きくなると高域の特性が落ちていくため、私たちは10mmがフルレンジのダイナミックドライバーとして一番良い大きさだと考えています。
ーー ATLASはケーブルにも特別なものを採用していますね。
ケン・ボール氏: はい、ATLASは少しプレミアムなものにしたかったので、音質に合わせた100%銀製のケーブルを採用しました。ATLAS自体がどちらかというと中低域に向いた音なので、銀製のケーブルによって多少高域を伸ばすことができ、より良いサウンドが表現できると考えたからです。「POLARIS」(関連ニュース/レビュー記事)の時も同様に、製品の音に合わせたケーブルを標準装備しました。
ーー POLARISと言えば、ドライバーに採用していたチャンバーデザインは、ATLASでも採用されていますか?
ケン・ボール氏: はい、採用しています。ATLASのダイナミックドライバーも、3Dプリントされた空間に空気が入り、出入りの流れを調整しています。これはスピーカーのキャビネットのような役割で、出入りする空気量はチューニング時の最重要素なのです。
また、ステンレススチールの外殻の内部には3Dプリントされたパーツを使用して、空気の流れを制御しています。VEGAでもこうした空気の流れには注意していましたが、より洗練された設計を施すことで、その結果、やや大きめの筐体になっています。
ーー それでは続いて「COMET」について、こちらも名前の由来を教えてください。
ケン・ボール氏: COMETは従来と同じく、天体関連から名付けた名前で「彗星」の意味です。見た目にもスマートで速さを感じるデザインにしました。