公開日 2019/11/07 06:30
[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第238回】
1位はもちろん…。「秋のヘッドフォン祭2019」高橋敦の超個人的ベスト5
高橋 敦
■自作コンテストも開催!「秋のヘッドフォン祭2019」をレポート
去る11月2日と3日の土日、それぞれ田原俊彦さんと夏川椎菜さんのライブが開催された中野サンプラザホールの直上にて、毎年恒例「秋のヘッドフォン祭」が開催された。今回はFOSTER Alliance Programとフジヤエービックによる「自作イヤホン・ヘッドホンコンテスト」作品の展示&各賞発表というトピックもあり、マニアック成分も濃厚!そんな充実のイベント内容からいつも通り勝手にランキング形式な超個人的ベスト5を紹介させていただこう。
【第5位】推し変対応!Just ear「R」モデル&音質更新サービス
個人の耳型に合わせるだけではなく、ユーザーの好みに合わせて音も調整してくれる “テーラーメイド” イヤホンブランド、Just ear。そのイヤホンが「R」仕様の「XJE-MH1R」「XJE-MH2R」にアップデートされた。
このアップデートにおける最大のポイントは、今後提供される「音質更新サービス」への対応。この新仕様モデルのオーナーは、以下4パターンの利用が可能となる。
1)プリセット音質→別のプリセット音質
2)プリセット音質→テーラーメイド音質
3)テーラーメイド音質→プリセット音質
4)テーラーメイド音質→再テーラーメイド音質
松尾氏によると、旧仕様モデルは「一旦音質調整を済ませてハウジングを完全に閉じたら、不意の衝撃などを受けても開かない&音が変わらない」ことに集中した設計であったところを、新仕様では音質更新サービスに向けて「衝撃などでは開かない&音が変わらない耐久性は確保した上で、任意に開けられて音を変えられる」ように構造を変更してあるとのことだ。
その上で、他にも耳に入れるノズル部の素材変更などもあるが、実際に音を通す音導管は従来通りであることなどから、音質においては旧仕様と有意な違いはないという。
今回の「音質更新サービス」について、松尾氏は「テーラーメイドイヤホンがかなり高価な製品であることから、長く安心して使い続けてもらえるアイテムとしてのシステムを整えることで、購入の敷居を下げられたらという想い、そして購入後もオーナーさんとの繋がりを続け、深めていきたいという想いもあって実現させた」ものだと語ってくれた。
何にせよ、オーナーさんはより長らくJust earを愛用し続けていけることだろう。様々なイヤホンを試し続けるのも悪くはない趣味だが、一つのイヤホンを愛用し続けるというのも美しいあり方だ。Just earの新仕様モデルと新サービスはそういった姿を提案するものと言える。
…なのに、「推し変対応」という言葉が脳裏をよぎるのはなぜだろう?
なお「音質更新サービス」のコンサルティングは、エンジニアが全国ソニーストアを巡るツアー形式での実施となり、ソニーストアが飲食禁止であることからコーヒーの提供が不可能とのこと。例の1杯5万円コーヒーは初回のみのプレミアムだ。
【第4位】完全ワイヤレスは三極化か?
言うまでもなく当然、完全ワイヤレスイヤホンは活況だ。なので新製品を網羅するのは難しい部分もあるので、ここでは完全ワイヤレス分野全体の状況を確認してみよう。
僕が現時点で感じる流れは「三極化」だ。魅力的な製品は以下の三パターンのどれかに該当しているように思える。製品例を添えて説明すると、
◆2万5,000円超で、ノイキャン等の明快な付加価値も備える高級機
→Apple「AirPods Pro」、Sony「WF-1000XM3」など
◆1万5,000円から2万円程度で、基本性能が高いハイパフォーマンス機
→Noble Audio「FALCON」など
◆5,000円から1万円未満程度で、十分な基本性能のハイコスパ機
→続々登場中!!!
といった感じだ。
逆に上記に合致しない、例えば「音が良いとか駆動時間が長いとかの基本性能は優れているんだけど、ノイキャンみたく明快でキャッチーな売りはない高級機」というような製品は、現状だとアピールがなかなか難しいと感じる。
この祭で発表の新製品だと、finalブランドを展開するS'NEXTが一挙3モデル投入で新たに展開する「ag」ブランドのモデルのうち、「TWS02R」というモデルが、上記の「5,000円から1万円未満程度で、十分な基本性能のハイコスパ機」に合致していて良さげな製品だった。11月15日発売で税込8,480円とのこと。
優しく温かみがあり親しみやすそうなフォルムとカラーバリエーション。サウンド面でも、技術は元より、音作りのセンスに定評のあるfinal監修によるものとなれば実に安心だ。
ケースは小型ではないが薄めのラウンド形状なので、バッグ等への収まりも良さそう。しかも2,000mAhのモバイルバッテリー機能まで備えており、ケース込み最大39時間の長時間再生に加えて、スマホ等のバッテリー切れへの保険にもなる。
またイヤホン本体のフォルムではステム(?)に注目。ちょっと飛び出る凸部がある。装着すると、ここが耳にハマって安定してくれる感覚があるのだ。また先端に口元に向いたマイクらしき穴があり、通話音質も期待できそう。
ということはこの凸部、AirPodsの「うどん」ステムのような役割を果たしているのでは?それでいて「うどん」のように目立つことはないというのが、デザイン的にうまいところである。
去る11月2日と3日の土日、それぞれ田原俊彦さんと夏川椎菜さんのライブが開催された中野サンプラザホールの直上にて、毎年恒例「秋のヘッドフォン祭」が開催された。今回はFOSTER Alliance Programとフジヤエービックによる「自作イヤホン・ヘッドホンコンテスト」作品の展示&各賞発表というトピックもあり、マニアック成分も濃厚!そんな充実のイベント内容からいつも通り勝手にランキング形式な超個人的ベスト5を紹介させていただこう。
【第5位】推し変対応!Just ear「R」モデル&音質更新サービス
個人の耳型に合わせるだけではなく、ユーザーの好みに合わせて音も調整してくれる “テーラーメイド” イヤホンブランド、Just ear。そのイヤホンが「R」仕様の「XJE-MH1R」「XJE-MH2R」にアップデートされた。
このアップデートにおける最大のポイントは、今後提供される「音質更新サービス」への対応。この新仕様モデルのオーナーは、以下4パターンの利用が可能となる。
1)プリセット音質→別のプリセット音質
2)プリセット音質→テーラーメイド音質
3)テーラーメイド音質→プリセット音質
4)テーラーメイド音質→再テーラーメイド音質
松尾氏によると、旧仕様モデルは「一旦音質調整を済ませてハウジングを完全に閉じたら、不意の衝撃などを受けても開かない&音が変わらない」ことに集中した設計であったところを、新仕様では音質更新サービスに向けて「衝撃などでは開かない&音が変わらない耐久性は確保した上で、任意に開けられて音を変えられる」ように構造を変更してあるとのことだ。
その上で、他にも耳に入れるノズル部の素材変更などもあるが、実際に音を通す音導管は従来通りであることなどから、音質においては旧仕様と有意な違いはないという。
今回の「音質更新サービス」について、松尾氏は「テーラーメイドイヤホンがかなり高価な製品であることから、長く安心して使い続けてもらえるアイテムとしてのシステムを整えることで、購入の敷居を下げられたらという想い、そして購入後もオーナーさんとの繋がりを続け、深めていきたいという想いもあって実現させた」ものだと語ってくれた。
何にせよ、オーナーさんはより長らくJust earを愛用し続けていけることだろう。様々なイヤホンを試し続けるのも悪くはない趣味だが、一つのイヤホンを愛用し続けるというのも美しいあり方だ。Just earの新仕様モデルと新サービスはそういった姿を提案するものと言える。
…なのに、「推し変対応」という言葉が脳裏をよぎるのはなぜだろう?
なお「音質更新サービス」のコンサルティングは、エンジニアが全国ソニーストアを巡るツアー形式での実施となり、ソニーストアが飲食禁止であることからコーヒーの提供が不可能とのこと。例の1杯5万円コーヒーは初回のみのプレミアムだ。
【第4位】完全ワイヤレスは三極化か?
言うまでもなく当然、完全ワイヤレスイヤホンは活況だ。なので新製品を網羅するのは難しい部分もあるので、ここでは完全ワイヤレス分野全体の状況を確認してみよう。
僕が現時点で感じる流れは「三極化」だ。魅力的な製品は以下の三パターンのどれかに該当しているように思える。製品例を添えて説明すると、
◆2万5,000円超で、ノイキャン等の明快な付加価値も備える高級機
→Apple「AirPods Pro」、Sony「WF-1000XM3」など
◆1万5,000円から2万円程度で、基本性能が高いハイパフォーマンス機
→Noble Audio「FALCON」など
◆5,000円から1万円未満程度で、十分な基本性能のハイコスパ機
→続々登場中!!!
といった感じだ。
逆に上記に合致しない、例えば「音が良いとか駆動時間が長いとかの基本性能は優れているんだけど、ノイキャンみたく明快でキャッチーな売りはない高級機」というような製品は、現状だとアピールがなかなか難しいと感じる。
この祭で発表の新製品だと、finalブランドを展開するS'NEXTが一挙3モデル投入で新たに展開する「ag」ブランドのモデルのうち、「TWS02R」というモデルが、上記の「5,000円から1万円未満程度で、十分な基本性能のハイコスパ機」に合致していて良さげな製品だった。11月15日発売で税込8,480円とのこと。
優しく温かみがあり親しみやすそうなフォルムとカラーバリエーション。サウンド面でも、技術は元より、音作りのセンスに定評のあるfinal監修によるものとなれば実に安心だ。
ケースは小型ではないが薄めのラウンド形状なので、バッグ等への収まりも良さそう。しかも2,000mAhのモバイルバッテリー機能まで備えており、ケース込み最大39時間の長時間再生に加えて、スマホ等のバッテリー切れへの保険にもなる。
またイヤホン本体のフォルムではステム(?)に注目。ちょっと飛び出る凸部がある。装着すると、ここが耳にハマって安定してくれる感覚があるのだ。また先端に口元に向いたマイクらしき穴があり、通話音質も期待できそう。
ということはこの凸部、AirPodsの「うどん」ステムのような役割を果たしているのでは?それでいて「うどん」のように目立つことはないというのが、デザイン的にうまいところである。