公開日 2022/03/18 06:30
【特別企画】AAEX2022 グランプリ
ノイズポンプの切り札「パワーアレイ・プロフェッショナル」。“プロ”の名に相応しい絶大な効果を実感
井上千岳/生形三郎/鈴木 裕/炭山アキラ/林 正儀/福田雅光
「グラウンドアレイ」を始めとするコード・カンパニーの大ヒットシリーズ “ノイズポンプ” に、さらなる強力なアイテムがラインナップされた。電源用として従来の「パワーアレイ」10個分以上の効果を謳う「パワーアレイ・プロフェッショナル」。「オーディオアクセサリー銘機賞」にて、3年連続グランプリを果たした “ノイズポンプ” 、その最終形態を全審査委員がレポートする。
■「アレイテクノロジー」を応用した “プロ向け” バージョン(井上)
コード・カンパニーの「グラウンドアレイ」は、ケーブル用のノイズ吸収技術「アレイテクノロジー」を応用して誕生した。機器の空き端子に挿してノイズを吸収するアクセサリーだが、コンデンサーやコイルなどのフィルター回路を使わず信号自体に独自の味付けをしない構造が大きな特徴となっている。電源コンセントに挿入する「パワーアレイ」も原理は同じで、この点で従来からある並列型フィルターとはまったく構成を異にするものである。
電気信号は接点等、インピーダンスが急変する箇所で反射ノイズを出す。これを別のラインに導き、熱に変換して解消してしまうというのがアレイテクノロジーである。
機器の空き端子に挿入する「グラウンドアレイ」では信号グラウンドのみからノイズを吸収していたが、「パワーアレイ」はホット/コールド/アースのそれぞれに個別に作用する。原理は同じだが、用途によって作用のしかたを最適化しているわけである。
さて本題のプロフェッショナル・バージョンだが、構成としては「パワーアレイ」と同様に考えていい。なぜプロフェッショナルかというと、録音などプロの現場で使ってほしいという意図だという。
家庭の試聴室と違ってスタジオなどでは、コンセントもケーブルも数が違う。ひとつひとつノイズポンプを挿していたのでは始まらないので、なかなか使ってもらえないという事情があったそうだ。
そこでたった一カ所に挿すだけで、従来品を全カ所に使った以上の効果が得られるモデルを開発しようと考えた。それが「パワーアレイ・プロフェッショナル」である。
■静寂感の中にくっきりとした音像が立ち上がる
形状はこれまでのプラグ型ではなく、ボックスに入ってケーブルが出ている。100ないし250Vという電源環境下で十分な効果を発揮させるため、大容量化を行ってより大きなノイズまで吸収できるよう特化した設計だ。扱う信号が強くなれば、それだけノイズも大きくなる勘定である。その大きさに余裕をもって対応できるだけの容量を持たせたということだ。
内部の素子は高硬度の樹脂で固定して、振動の影響を排除する。またシールドは最高峰ケーブル「コードミュージック」と同等のものとし、アンテナ効果を防止する万全の対策を施している。
ちょっと実験的な試聴を行ってみた。何も挿さない状態から始めて「グラウンドアレイ」、次いで「パワーアレイ」という具合に少しずつ増やしてゆき、最後にもう一度全て外して「パワーアレイ・プロフェッショナル」だけに挿し換える。1対オールという具合である。
「グラウンドアレイ」の効果は不思議なもので、最初に1本挿すとノイズが収まって静かになると同時に、エネルギーが一気に増加するのがそれ以上の驚きになる。一音一音のダイナミズムが広がるのだろうが、音楽全体として見ると音圧が高まったのと同じである。
CDプレーヤーからプリアンプ、パワーアンプと足してゆくにつれ、ノイズが段々消えて音の輪郭がはっきりしてくるのが分かる。そこで今度は「パワーアレイ」を電源コンセントに挿入。これでノイズフロアがぐんと下がり、音の周囲が俄然静寂になる。真っ暗という雰囲気で、音の立ち上がり方がいままでと違うのである。
こんな状態でピアノや声楽などを聴いていると、暗い中でそこにだけ照明が当たっているようなコントラストを感じる。音が見える感覚と言ってもいい。これも電源タップの空きコンセントなど徐々に足していって、もうこれ以上挿す場所がないところまで来た。静寂感の中にくっきりとした音像があちこちに点在している印象で、こういうのを実在感と呼ぶのだ。
ここで全ての “ノイズポンプ” を抜いてしまう。そして電源コンセントにひとつだけ、「パワーアレイ・プロフェッショナル」を挿入するのである。
これは違う。静かさのレベルが違うのだ。ノイズフロアがさらに下がって、背景が真っ暗なだけでなく透明度が増している。暗くて透明というのは変な言い方だが、要するに空気が澄んでいるのだ。
その状態で例えばピアノは打鍵のひとつひとつが息をしているように間近に感じられる。細かな表情の凹凸が深い。あるいは室内楽なら、楽器ひとつひとつがそこに存在している感覚が、手で触れられそうに近い。オーケストラは指揮台から見下ろすようなスケール感で、最後部の楽器までが遠い。
本物の実在感。1台だけでこれだけの変化を呼ぶのだ。プロフェッショナルの名に相応しく、その力は絶大だ。嬉しい驚きである。
さらに嬉しかったのはこの続きである。「パワーアレイ・プロフェッショナル」を挿したまま、「グラウンドアレイ」や「パワーアレイ」を元の場所に挿していった。すると、以前よりもそれらの効果が一段とはっきり現れたのだ。これまでの “ノイズポンプ” が無駄になるどころか、より活きる。
これは「グラウンドアレイ」や「パワーアレイ」の現ユーザーにも嬉しい相乗効果と言えるだろう。確かな技術と一貫性を持つ、コード・カンパニーならではの強力な製品である。
■開発者は語る 〜コード・カンパニー社長 アラン・ギブ氏
この度の栄誉ある表彰、誠にありがとうございます。電源環境の改善は、オーディオや映像システムを構成する上で非常に大切なカギです。しかしながら、根本的な解決もまた非常に難しい問題です。フィルターやバッテリー電源、クリーン電源を使用すると、確かに “綺麗な” 電源が手に入ります。しかし同時に、家庭用電源が本来持つ活力も失われ、それが音楽や映像にも表れてしまうのです。
そのためコード・カンパニーでは、家庭用電源本来の活力、そして同時に音楽の活力を損なわずに、いかにノイズのみ取り除くかを長年研究してきました。その結果最初に生まれたのが、2020年末デビューした標準の「パワーアレイ」です。
今回の「パワーアレイ・プロフェッショナル」ではサイズやコストの制限をなくし、私どもの妥協なき最高の技術を詰め込みました。ケーブル開発で生まれたアレイテクノロジー、そして「グラウンドアレイ」および「パワーアレイ」で成功したノイズ吸収テクノロジーの全てが組み込まれています。
ぜひ輸入元アンダンテラルゴのお貸出しサービスを利用して、ご体感ください。クリーン電源等に挿してもお使いいただけますが、前述の設計コンセプトから、通常の家庭用電源でも是非お試し頂きたいと思います。
■「アレイテクノロジー」を応用した “プロ向け” バージョン(井上)
コード・カンパニーの「グラウンドアレイ」は、ケーブル用のノイズ吸収技術「アレイテクノロジー」を応用して誕生した。機器の空き端子に挿してノイズを吸収するアクセサリーだが、コンデンサーやコイルなどのフィルター回路を使わず信号自体に独自の味付けをしない構造が大きな特徴となっている。電源コンセントに挿入する「パワーアレイ」も原理は同じで、この点で従来からある並列型フィルターとはまったく構成を異にするものである。
電気信号は接点等、インピーダンスが急変する箇所で反射ノイズを出す。これを別のラインに導き、熱に変換して解消してしまうというのがアレイテクノロジーである。
機器の空き端子に挿入する「グラウンドアレイ」では信号グラウンドのみからノイズを吸収していたが、「パワーアレイ」はホット/コールド/アースのそれぞれに個別に作用する。原理は同じだが、用途によって作用のしかたを最適化しているわけである。
さて本題のプロフェッショナル・バージョンだが、構成としては「パワーアレイ」と同様に考えていい。なぜプロフェッショナルかというと、録音などプロの現場で使ってほしいという意図だという。
家庭の試聴室と違ってスタジオなどでは、コンセントもケーブルも数が違う。ひとつひとつノイズポンプを挿していたのでは始まらないので、なかなか使ってもらえないという事情があったそうだ。
そこでたった一カ所に挿すだけで、従来品を全カ所に使った以上の効果が得られるモデルを開発しようと考えた。それが「パワーアレイ・プロフェッショナル」である。
■静寂感の中にくっきりとした音像が立ち上がる
形状はこれまでのプラグ型ではなく、ボックスに入ってケーブルが出ている。100ないし250Vという電源環境下で十分な効果を発揮させるため、大容量化を行ってより大きなノイズまで吸収できるよう特化した設計だ。扱う信号が強くなれば、それだけノイズも大きくなる勘定である。その大きさに余裕をもって対応できるだけの容量を持たせたということだ。
内部の素子は高硬度の樹脂で固定して、振動の影響を排除する。またシールドは最高峰ケーブル「コードミュージック」と同等のものとし、アンテナ効果を防止する万全の対策を施している。
ちょっと実験的な試聴を行ってみた。何も挿さない状態から始めて「グラウンドアレイ」、次いで「パワーアレイ」という具合に少しずつ増やしてゆき、最後にもう一度全て外して「パワーアレイ・プロフェッショナル」だけに挿し換える。1対オールという具合である。
「グラウンドアレイ」の効果は不思議なもので、最初に1本挿すとノイズが収まって静かになると同時に、エネルギーが一気に増加するのがそれ以上の驚きになる。一音一音のダイナミズムが広がるのだろうが、音楽全体として見ると音圧が高まったのと同じである。
CDプレーヤーからプリアンプ、パワーアンプと足してゆくにつれ、ノイズが段々消えて音の輪郭がはっきりしてくるのが分かる。そこで今度は「パワーアレイ」を電源コンセントに挿入。これでノイズフロアがぐんと下がり、音の周囲が俄然静寂になる。真っ暗という雰囲気で、音の立ち上がり方がいままでと違うのである。
こんな状態でピアノや声楽などを聴いていると、暗い中でそこにだけ照明が当たっているようなコントラストを感じる。音が見える感覚と言ってもいい。これも電源タップの空きコンセントなど徐々に足していって、もうこれ以上挿す場所がないところまで来た。静寂感の中にくっきりとした音像があちこちに点在している印象で、こういうのを実在感と呼ぶのだ。
ここで全ての “ノイズポンプ” を抜いてしまう。そして電源コンセントにひとつだけ、「パワーアレイ・プロフェッショナル」を挿入するのである。
これは違う。静かさのレベルが違うのだ。ノイズフロアがさらに下がって、背景が真っ暗なだけでなく透明度が増している。暗くて透明というのは変な言い方だが、要するに空気が澄んでいるのだ。
その状態で例えばピアノは打鍵のひとつひとつが息をしているように間近に感じられる。細かな表情の凹凸が深い。あるいは室内楽なら、楽器ひとつひとつがそこに存在している感覚が、手で触れられそうに近い。オーケストラは指揮台から見下ろすようなスケール感で、最後部の楽器までが遠い。
本物の実在感。1台だけでこれだけの変化を呼ぶのだ。プロフェッショナルの名に相応しく、その力は絶大だ。嬉しい驚きである。
さらに嬉しかったのはこの続きである。「パワーアレイ・プロフェッショナル」を挿したまま、「グラウンドアレイ」や「パワーアレイ」を元の場所に挿していった。すると、以前よりもそれらの効果が一段とはっきり現れたのだ。これまでの “ノイズポンプ” が無駄になるどころか、より活きる。
これは「グラウンドアレイ」や「パワーアレイ」の現ユーザーにも嬉しい相乗効果と言えるだろう。確かな技術と一貫性を持つ、コード・カンパニーならではの強力な製品である。
■開発者は語る 〜コード・カンパニー社長 アラン・ギブ氏
この度の栄誉ある表彰、誠にありがとうございます。電源環境の改善は、オーディオや映像システムを構成する上で非常に大切なカギです。しかしながら、根本的な解決もまた非常に難しい問題です。フィルターやバッテリー電源、クリーン電源を使用すると、確かに “綺麗な” 電源が手に入ります。しかし同時に、家庭用電源が本来持つ活力も失われ、それが音楽や映像にも表れてしまうのです。
そのためコード・カンパニーでは、家庭用電源本来の活力、そして同時に音楽の活力を損なわずに、いかにノイズのみ取り除くかを長年研究してきました。その結果最初に生まれたのが、2020年末デビューした標準の「パワーアレイ」です。
今回の「パワーアレイ・プロフェッショナル」ではサイズやコストの制限をなくし、私どもの妥協なき最高の技術を詰め込みました。ケーブル開発で生まれたアレイテクノロジー、そして「グラウンドアレイ」および「パワーアレイ」で成功したノイズ吸収テクノロジーの全てが組み込まれています。
ぜひ輸入元アンダンテラルゴのお貸出しサービスを利用して、ご体感ください。クリーン電源等に挿してもお使いいただけますが、前述の設計コンセプトから、通常の家庭用電源でも是非お試し頂きたいと思います。
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