【特別企画】AAEX2022 グランプリ
ノイズポンプの切り札「パワーアレイ・プロフェッショナル」。“プロ”の名に相応しい絶大な効果を実感
■背景は静けさを増し、音楽の濃度が飛躍的に向上(生形)
発売と同時に大ヒットを記録したコード・カンパニーのノイズポンプシリーズ 「パワーアレイ」に、旗艦モデルとなる「プロフェッショナル」バージョンが登場した。パワーアレイは、同社のアレイテクノロジーを応用した電源ノイズ対策アクセサリーだ。フィルター機能は内蔵せず、 信号ラインおよびグラウンドの個々に触れることで接続機器の電源ノイズを吸収するという独自設計だが、今回のプロフェッショナルは、サイズや価格等の制約無しに「理想」を追求したフラグシップモデルとなっている。
その効果は実に強大なものだ。これ一台を接続するだけで、システム全体のサウンドを掌握するほどのサウンド・コンディショニング効果を得られるものとなっている。イメージ的には、パワーアレイで得られる音のプレゼンスや静寂感が数倍の濃度で得られる感覚だ。
アンダンテラルゴの試聴室でその効果を確認したが、適用後は一聴してヴォーカルの密度が濃厚となり、歌声に張りが生まれた。背景は静けさを増し、歌声や楽器の演奏が瞭然と前に出てきて、音楽再生の濃度を飛躍的に高めてくれるのである。
■音楽信号がストレスなく伝送される再生音に驚く(鈴木)
アレイテクノロジーの基本的な考え方は、ケーブルの接点において情報の一部が反射し、ノイズを発生させてしまう信号反射。このノイズ成分と外来の高周波ノイズをアレイ線という追加の配線で吸収・減衰して伝送の正確化を図る技術だ。それを応用してグランドアレイやパワーアレイが作られてきた。
テストではそれらを合計8個使っていたシステムをまず聴いて、その8個を取り外した後、このパワーアレイ・プロフェッショナルをひとつ使った。その結果はほぼ同様のノイズのリジェクトと、電流が気持ち良く流れ、音楽信号がストレスなく伝送されるような再生音に心の底から驚いた。
目の前で聴いているのに現実が飲み込めなかった。しかも、パワーアレイ・プロフェッショナルを使った状態で個々のコンポーネントにグランドアレイを挿してみたり、パワーアレイを使ってみると、やはりきちんとそれぞれの効果が出て、さらに再生音のレベルは向上する。この驚き。オーディオにおける信号反射の存在を痛感するとともに、それをクリアするコード・カンパニーの技術。高額だがそれだけの価値があると屈伏した。
■従来モデルを遥かに凌駕する見晴らしの良さ(炭山)
英コード・カンパニーが開発した “ノイズポンプ” は、電源コンセントやRCA/XLRジャック等、空き端子に挿すことで再生音の雑味やザラつきを見事なまでに拭い去り、再生音の品位を劇的に高めてくれる特効薬といってよい存在である。今回、それらと同じ原理を用いつつ、開発者のアラン・ギブ氏の「やりたいこと」を価格やサイズの制限なしに詰め込んで登場したのが、新作の「パワーアレイ・プロフェッショナル」だ。
我が家ではRCAと電源に “ノイズポンプ” を1本ずつ使用しているが、その両方の効果を遥かに凌駕する清明さ、見晴らしの良さを実現するのに驚いた。RCAと電源に従来品を複数個使うと、1個使いよりもまた遥かに効果が上がるのだが、そうしてなお、プロフェッショナル1個に歯が立たないのだ。
しかし、だからといって従来のノイズポンプを下取りに出す必要はまったくない。「プロフェッショナル」に「グラウンドアレイ」と「パワーアレイ」を足してゆくと、これまたプラスアルファ以上の相乗効果を見せてくれるのも非常に重要なポイントなのである。
一見するととてつもない価格に見えてしまうが、実際の効果を考え併せてみると、高いどころかむしろずいぶん割安なのではないか、とすら感じてくる。途方もなく素晴らしい、そしてある意味恐ろしいグッズである。
■未踏の領域に誘う静けさと躍動感(林)
アレイテクノロジーの集大成といえる「パワーアレイ・プロフェッショナル」である。その能力は電源用 “ノイズポンプ” 「パワーアレイ」の10個分にも匹敵しよう。実際に比較試聴してみるとそれ以上かもしれない。
オーディオ・映像機器の繊細な信号を守ることに特化した「グラウンドアレイ」は、コード・カンパニーが誇るタイロン絶縁システムや多層シールドを採用。その効果は圧巻のレベルだが、次へのステップとして「パワーアレイ」を知り、さらにその上の未到の領域に「パワーアレイ・プロフェッショナル」が誘ってくれたのだ。
信じられないほどの静けさと天空を駆けるがごとき音楽の躍動がそこにある。その名のとおりプロフェショナルな録音現場(スタジオ)でもこれ一台あれば、電源全体を超パワフルかつクリーンにしてくれる夢のアイテムだと思う。中身はブラックボックスだが、電源用のとてつもなく巨大な “ノイズポンプ” だ。今までの「パワーアレイ」が一戸建ての “ノイズポンプ” だとすれば、これはビルに匹敵する。それくらいの能力があるのではないか。グランプリモデルに相応しい。
■ダンピングとエネルギーを強力かつ効率的に引き出す(福田)
英コード・カンパニーから電源の空きコンセントに装着して音質を改善するパワーアレイの上位モデル「パワーアレイ・プロフェッショナル」が登場した。構造的には重厚なアルミボディとなり、ここから電源ケーブルが出ているタイプとなった。これはオーディオ電源経路に並列に作用して効果を得る製品となるが、フィルター構造を用いず接続機器の電源ノイズを吸収するという仕組みだ。
試聴して実際の効果を試すと、確かにSN比や音のコントラストが高まる。輪郭がくっきりと表現されるようになり、音の精度が高まる。しかし、ノイズフィルターとは違って副作用が無い。この効果は魅力である。中音と高音のトランジェントが改善されるため、切れ味がよくなる。低音はより瞬発力を高め、強力なダンピングとエネルギーを効率的に引き出すような印象がある。
それでは、この「パワーアレイ・プロフェッショナル」を外すとどうなるのか? 何か力がなくなり音は薄くなる。低音はあまくぼやけて明確さが後退することが分かる。
(提供:アンダンテラルゴ)
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.183』からの転載です。