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公開日 2022/06/17 06:40
NCF素材を信号系プラグに初採用

明確な進化を実現させたフルテック最高峰RCAケーブルでアナログを聴く

角田郁雄

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フルテックの近年の製品は、特殊素材NCFの採用が目立つ。さまざまな部分で従来の性能を超えるクオリティアップを実現し、すでに大きな評価を得ているのはご存知の通り。しかも安易な導入ではなく、徹底して品質と音を突き詰め、聴いて納得のいく品が完成して初めて製品化する姿勢も評価されるポイントだ。今作は、NCFで信号系ケーブルを進化させる嚆矢となるモデル。聴けば音の違いを明確に感じる、大きな進化を遂げた新作ケーブル「Lineflux NCF(RCA)」の魅力を角田氏がアナログレコードで検証した。

フルテックのRCAインターコネクトケーブル「Lineflux NCF(RCA)」(225,170円/1.2mペア、税込)。右側の黒いスタンドは、低い位置にある端子にも対応できる、フルテックのコネクター/ケーブルホルダー「NCF Booster-Signal-L」(16,280円、1個、税込)

新開発RCAプラグがレコード音楽の魅力を一層引き出す(Text by角田郁雄)
■プラグにNCF素材を採用して入念に作り込み、大幅進化したインターコネクト

フルテックはNCF素材を開発して以来、さらに躍進を遂げている。世界のオーディオブランドも、その振動低減と帯電防止効果を高く評価して自社製品にNCF電源プラグを採用したり、併せてケーブルの振動と帯電を防止するケーブルサポート、NCF Boosterシリーズも導入したりし始めた。

こうしたなかでフルテックは、いかにして信号系コネクターにNCFを使うべきか、数年にわたり研究と試作を行ってきた。そして遂に昨年後半、RCAプラグ「CF-102 NCF(R)」を実用化。ロングランモデルであった同社フラグシップ・インターコネクトケーブル、「Lineflux(RCA)」を進化させ、新たに「Lineflux NCF(RCA)」を登場させた。

その導体は長年、高評価を受けているαOCC単線銅で、シールド材も同材を使用し、2芯シールド構造としていることが特徴だ。さらに静電容量を下げるため、多数のポリエステル糸で信号線を覆い、さらには振動を低減する素材を採用した。多層構造のケーブルなのだ。プラグも高品位で、ステンレスとカーボンファイバーを使用したハウジング(コネクターカバー)により、確実な接触と振動低減を実現していた。

究極の帯電防止および共振減衰材料NCFを調合した、新設計のRCAプラグ部

そのRCAプラグが今回、従来の「CF-102(R)」から「CF-102 NCF(R)」となった。その構造は実に精密感に溢れている。中心のホット(+)ピンは、従来から中空になっていたが、そこにNCF素材を充填し、その延長をやや大きな円形とし、コールド(−)側の絶縁体となるように成形した。さらに、その外周に銅合金制振材固定リングを設置し、振動低減と強度向上を行った。この部分は、非磁性ステンレス製ハウジング(α銅合金ロジウムメッキ仕上げ)の先端部に設置される。

導体は、ハウジング中間にあるスペースで、銅合金ネジで固定できる仕組みになっている。なお、ホット線のネジ止め部には、ワンピースαOCC導体チューブが採用されている。このハウジングの外周には、ハウジングカバーが配置されるが、その外周表面にはNCF素材と銀メッキの3Kカーボンファイバーをコンポジットした独自素材を採用している。この仕様はNCF仕様の最高峰電源プラグと同じく、今回注目される技術だ。

RCAプラグのセンターピンは、チューブ状のα(アルファ)OCCロジウムメッキのワンピース中心導体内部に、静電気対策としてフルテックの特殊素材「NCF」を注入

これらの仕様で注目されることは、推察となるが、ホット線の振動低減や帯電防止をするだけではなく、ホットとコールド間の絶縁体における静電容量を下げることも可能になるであろうことだ。その結果として、コネクターによる固有音(アタックが強くなる、硬めの音になるなど)も低減するであろうと推察される。

角田郁雄氏による「Lineflux NCF(RCA)」の音質レポート

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