PRNCF素材を信号系プラグに初採用
明確な進化を実現させたフルテック最高峰RCAケーブルでアナログを聴く
角田郁雄氏による「Lineflux NCF(RCA)」の音質レポート
■解像度や弱音の再現性が向上、奏者の動作や余韻も浮き彫り
そんなことを考えながら今回、試聴を実施した。プレーヤーは、オルトフォンのカートリッジMC Verismoを装着したテクニクスのSL-1000Rで、フォノイコライザーにはアキュフェーズのC-47、プリアンプに同C-3900、パワーアンプに同A-75を使用し、スピーカーシステムはB&W 803D3をドライブした。
インターコネクトケーブル「Lineflux(RCA)」と「Lineflux NCF(RCA)」は、フォノイコライザーとプリアンプ間に接続して比較した。実際に再生すると、予想外にその音質差が大きいことが理解できた。新製品「Lineflux NCF(RCA)」では、S/Nが明らかに向上し、いままで聴こえてはいたが、あまり意識していなかった微弱音がクローズアップされた。
ECMのトルド・グスタフセン・トリオでは、ピアノやシンバルの余韻が明らかに増え、奏者の微妙な動作も浮き彫りとなった。解像度が向上したうえ、弱音の再現性が高まったのだ。さらに音の立ち上がりに強調感がなく、明瞭度が高まっている。一枚も二枚もベールを剥いだ透明度の高い音質が確認でき、奏者の空間描写性がリアルになっている。音数も増えた印象で、倍音が実に豊富となった。
したがって、私のレファレンスのヴォーカル曲『クワイエット・ウィンター・ナイト』では、空間性に溢れた美音、美声が堪能できた。さらに、オルトフォンMC Verismoが搭載しているダイアモンド・カンチレバーの、広いダイナミックレンジと高解像度特性を存分に体験させてくれた。
次に、フルテックのケーブルホルダー「NCF Booster-Signal-L」を、床とフォノイコライザー側端子の2カ所に設置。すると、音の明瞭度と音場の見通しが向上した。
本インターコネクトケーブル「Lineflux NCF(RCA)」はこのように、高解像度でピュアな伝送を実現し、その効果は実に大きい。高く評価したい。こうした特性を備えるので、特にアナログ再生では、RCA出力のプレーヤーとフォノイコライザー間の微弱信号伝送にも効果を発揮することであろう。個人的には今後、NCF仕様のDIN-RCAフォノケーブルや、XLRバランスケーブルの登場も期待したいところだ。
【Lineflux NCF(RCA)】●導体:1.3mm単芯α(アルファ)OCC導体●シールド:2層●絶縁/誘電体:高級ポリエチレン●共振減衰材料:シース内のナノセラミック/カーボンパウダーコンパウンド●ケーブル外径:約13.0mm●プラグ外径:全長約φ14.0mm×54.0mm
(協力:フルテック)