公開日 2024/02/29 09:10
ブランドの新たな中核モデルとして要注目
ゼンハイザー「ACCENTUM Plus Wireless」の音質は“価格以上”。ノイキャンも優秀でバランス良好
鴻池賢三
プロ用ヘッドホンやマイクで長年の実績を持ち、HiFiオーディオファンからもそのクオリティの高さで絶大な人気を誇るドイツの名門ブランド、ゼンハイザー。近年はワイヤレスイヤホンやヘッドホンのラインナップも充実して選択の幅が広がっている。
同ブランドでは既にフラグシップラインの「MOMENTUM」シリーズが定評を得ているが、そのエッセンスを引き継ぎつつ、よりシンプルな「ACCENTUM」が設定され、早くも製品第2弾となる本機「ACCENTUM Plus Wireless」が登場した。この記事では、本機のポジションや特徴、そして魅力を探って行く。
ゼンハイザーのワイヤレスヘッドホンラインナップとしてはMOMENTUMシリーズがフラグシップの位置づけで、ACCENTUMはその下位にあたるプレミアムモデル。両者の違いは、ハイレゾ相当(aptX Adaptive 96kHz/24bit)のほか、ドライバーの口径や通話およびノイズキャンセルに利用するマイクの数、タッチコントロールの機能など。
また、先に発売済みのACCENTUM Wirelessと比べると、ノイズキャンセリングは周囲の騒音状況に応じて自動的に強度を調整するアダプティブ機能を有するほか、充実したタッチコントロール機能の搭載、ノイズキャンセリング用マイクの数が1基多い6基、aptX Adaptive(48kHz/24bit)への対応などがある。
つまり、ACCENTUM Wirelessをベースとしつつも、型名の “Plus” の通り、機能面でMOMENTUMに近づいた、ミドルハイクラス的な性格を持っていることがわかる。
本機を手にして感じるのは、オーバーヘッドかつアラウンドイヤー型のヘッドホンとしてはボリュームが小さく、非常に軽量であること。「MOMENTUM 4 Wireless」は重量がスペック値で約293gに対し、本機は約227gと約30%も軽い計算だ。グレードや価格を抜きにして「軽量」という観点でも本機は注目に値するだろう。
挟圧は一般的なヘッドホンと比べると強めで、この点が特に気になるユーザーは試着による確認をお勧めしたいが、不快感を覚えないのはさすがにゼンハイザー。イヤーパッドは角度、厚み、柔らかさのバランスが良く、遮音性やホールド感を高める意図が感じられる。ほか、ヘッドバンドを最短に調整した際の “短さ” も、欧米ブランドの中では配慮を感じる。幅広いユーザーに快適な装着感をもたらしてくれそうだ。
音質は、結論から述べると非常に優秀。音の分離が良く、それが一つ一つの音の立体感、全体の立体感、空間の広さに繋がっている。
周波数バランス的な音質傾向は、リスナーそれぞれの聴覚特性や好みで評価が分かれて当然だが、本機は素の音が非常に良いという意味で、ゼンハイザーブランドを冠するにふさわしく、現フラグシップであるMOMENTUM 4 Wirelessと比べても遜色を感じない。ここに “音質傾向” という軸が加わると、むしろ本機を好ましく感じるリスナーがいても不思議はないだろう。アコースティック部はグレード差が表れやすい部分だが、一方でデジタル部の進化は日進月歩。新しい製品が有利なケースは少なくない。
同ブランドでは既にフラグシップラインの「MOMENTUM」シリーズが定評を得ているが、そのエッセンスを引き継ぎつつ、よりシンプルな「ACCENTUM」が設定され、早くも製品第2弾となる本機「ACCENTUM Plus Wireless」が登場した。この記事では、本機のポジションや特徴、そして魅力を探って行く。
■ACCENTUM Plus Wirelessの機能的な特徴
ゼンハイザーのワイヤレスヘッドホンラインナップとしてはMOMENTUMシリーズがフラグシップの位置づけで、ACCENTUMはその下位にあたるプレミアムモデル。両者の違いは、ハイレゾ相当(aptX Adaptive 96kHz/24bit)のほか、ドライバーの口径や通話およびノイズキャンセルに利用するマイクの数、タッチコントロールの機能など。
また、先に発売済みのACCENTUM Wirelessと比べると、ノイズキャンセリングは周囲の騒音状況に応じて自動的に強度を調整するアダプティブ機能を有するほか、充実したタッチコントロール機能の搭載、ノイズキャンセリング用マイクの数が1基多い6基、aptX Adaptive(48kHz/24bit)への対応などがある。
つまり、ACCENTUM Wirelessをベースとしつつも、型名の “Plus” の通り、機能面でMOMENTUMに近づいた、ミドルハイクラス的な性格を持っていることがわかる。
本機を手にして感じるのは、オーバーヘッドかつアラウンドイヤー型のヘッドホンとしてはボリュームが小さく、非常に軽量であること。「MOMENTUM 4 Wireless」は重量がスペック値で約293gに対し、本機は約227gと約30%も軽い計算だ。グレードや価格を抜きにして「軽量」という観点でも本機は注目に値するだろう。
挟圧は一般的なヘッドホンと比べると強めで、この点が特に気になるユーザーは試着による確認をお勧めしたいが、不快感を覚えないのはさすがにゼンハイザー。イヤーパッドは角度、厚み、柔らかさのバランスが良く、遮音性やホールド感を高める意図が感じられる。ほか、ヘッドバンドを最短に調整した際の “短さ” も、欧米ブランドの中では配慮を感じる。幅広いユーザーに快適な装着感をもたらしてくれそうだ。
ACCENTUM Plus Wirelessの使い勝手とサウンドクオリティ
音質は、結論から述べると非常に優秀。音の分離が良く、それが一つ一つの音の立体感、全体の立体感、空間の広さに繋がっている。
周波数バランス的な音質傾向は、リスナーそれぞれの聴覚特性や好みで評価が分かれて当然だが、本機は素の音が非常に良いという意味で、ゼンハイザーブランドを冠するにふさわしく、現フラグシップであるMOMENTUM 4 Wirelessと比べても遜色を感じない。ここに “音質傾向” という軸が加わると、むしろ本機を好ましく感じるリスナーがいても不思議はないだろう。アコースティック部はグレード差が表れやすい部分だが、一方でデジタル部の進化は日進月歩。新しい製品が有利なケースは少なくない。
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