公開日 2024/06/19 06:30
米フロリダ州に本拠を置く「CTM(Clear Tune Monitors)」は、アメリカ本国はもとよりラテンアメリカやヨーロッパなど、世界中から人気を集めるインイヤーモニターブランド。
ブランド名称から分かるとおり、プロ向けのカスタムIEMをメインとしたラインナップを主軸としており、TOTOやFourplayのサウンドエンジニアを務めるケン・フリーマン氏など、世界的プロにも支持を受けている。その確かな音質や筐体作りの品質が認められ、プロフェッショナルユーザーだけでなく、音楽ファンのリスニング用イヤホンとしても注目を集めている。
そんなCTMから、ユニバーサルタイプのイヤーモニター製品シリーズが登場した。新たに “CE Series” と名付けられた本シリーズでは、現在「CE110」「CE220」「CE320」の3モデルをラインナップ。最近高価になりがちなイヤーモニターのなかでは、エントリーからミドルクラスに位置するお手頃な価格設定を実現している。
同シリーズの共通仕様として、音が耳に至るまでの経路を最適化することで、原音に忠実なサウンドを実現するCTMの独自技術「W.I.S.E.(Wave Integrating Sonic Element)テクノロジー」を搭載することで、高価格帯のカスタムIEMに引けを取らない音質を確保。さらに、カスタムIEMで培ったノウハウを活かした独自の筐体デザインによって、快適な装着感と遮音性の高さ、抜群のホールド感を実現しているという。
結果、ユニバーサルタイプでありながら、激しいステージパフォーマンスに問題なく対応できるとのこと。その実例として同社オフィシャルページには、ロックバンド「Crab 蟹 Club」が、ライブステージで実際にCE320を使用した感想を語るスペシャルインタビューも紹介されている。
そこで本稿では、そんなCE Seriesのユニバーサル・イヤーモニター3モデルについて、気になる装着感や音質などをレビューさせていただこうと思う。
まずは、約1.5万円という手頃な価格を実現したスタンダードモデル「CE110」から。本モデルは、独自デザインの小型&薄型筐体に、ダイナミック型ドライバーが1基搭載されている。カラーバリエーションはCLEARの1色展開。
シンプルでオーソドックスな構成ながら、W.I.S.E.テクノロジーを実現するためのモノと思われるインナーケースを採用した内部構造や、耐久性と音質の両面から採用されたのであろう金属ノズル、0.78mm 2PIN・着脱式ケーブルの採用など、随所にこだわりが垣間見られる。
装着はいわゆる “耳掛け型” で、ケーブルを耳たぶの上側に回して耳たぶ後ろから下に落とすスタイル。ケーブルに耳掛け型のクセが付けられていること、筐体が比較的薄型であること、そもそも絶妙なデザインの筐体からフィット感はかなり良い。
また、シリコンとフォームの2タイプ×3サイズ(計6種類)が付属するイヤーピースによって、ユーザーそれぞれにベストな装着感を得ることができる。筆者としては、装着感と遮音性が比較的に高いフォームタイプをオススメしたい。
さて、肝心のサウンドはというと、力強い表現の中域重視な帯域バランスが特徴。低域は充分な量感をもつが、無駄に存在感を主張しないジェントルな音色が好ましい。高域はゆるやかに減衰しているが、伸びがないというよりも耳障りにならない自然な表情といった印象。おかげで、男性ボーカルも女性ボーカルも、アコースティック楽器も打ち込み系も得手不得手なく再生してくれる。
音場的には、ボーカルなどセンターの距離感が近いものの、同時に充分な広がり感も感じられる。解像感は価格相応なレベルだが、音数は充分。なによりも、音のひとつひとつがリアルに感じられる音色がいい。満足できる迫力を持ちつつも長時間聴き続けられる、絶妙なサウンドの製品だ。軽快な装着感も含め、この価格でこの完成度の高さは望外といえる。
「CE110」「CE220」「CE320」のキャラクターをチェック
プロユースから音楽リスニングまで両立!CTMのイヤホン「CE Series」の3機種を比較レビュー
野村 ケンジ■プロ向けカスタムIEMを展開するCTMから、ユニバーサルモデル3機種が登場
米フロリダ州に本拠を置く「CTM(Clear Tune Monitors)」は、アメリカ本国はもとよりラテンアメリカやヨーロッパなど、世界中から人気を集めるインイヤーモニターブランド。
ブランド名称から分かるとおり、プロ向けのカスタムIEMをメインとしたラインナップを主軸としており、TOTOやFourplayのサウンドエンジニアを務めるケン・フリーマン氏など、世界的プロにも支持を受けている。その確かな音質や筐体作りの品質が認められ、プロフェッショナルユーザーだけでなく、音楽ファンのリスニング用イヤホンとしても注目を集めている。
そんなCTMから、ユニバーサルタイプのイヤーモニター製品シリーズが登場した。新たに “CE Series” と名付けられた本シリーズでは、現在「CE110」「CE220」「CE320」の3モデルをラインナップ。最近高価になりがちなイヤーモニターのなかでは、エントリーからミドルクラスに位置するお手頃な価格設定を実現している。
同シリーズの共通仕様として、音が耳に至るまでの経路を最適化することで、原音に忠実なサウンドを実現するCTMの独自技術「W.I.S.E.(Wave Integrating Sonic Element)テクノロジー」を搭載することで、高価格帯のカスタムIEMに引けを取らない音質を確保。さらに、カスタムIEMで培ったノウハウを活かした独自の筐体デザインによって、快適な装着感と遮音性の高さ、抜群のホールド感を実現しているという。
結果、ユニバーサルタイプでありながら、激しいステージパフォーマンスに問題なく対応できるとのこと。その実例として同社オフィシャルページには、ロックバンド「Crab 蟹 Club」が、ライブステージで実際にCE320を使用した感想を語るスペシャルインタビューも紹介されている。
そこで本稿では、そんなCE Seriesのユニバーサル・イヤーモニター3モデルについて、気になる装着感や音質などをレビューさせていただこうと思う。
■スタンダードモデル「CE110」<満足感の高い迫力とリアルさに富む絶妙な音色>
まずは、約1.5万円という手頃な価格を実現したスタンダードモデル「CE110」から。本モデルは、独自デザインの小型&薄型筐体に、ダイナミック型ドライバーが1基搭載されている。カラーバリエーションはCLEARの1色展開。
シンプルでオーソドックスな構成ながら、W.I.S.E.テクノロジーを実現するためのモノと思われるインナーケースを採用した内部構造や、耐久性と音質の両面から採用されたのであろう金属ノズル、0.78mm 2PIN・着脱式ケーブルの採用など、随所にこだわりが垣間見られる。
装着はいわゆる “耳掛け型” で、ケーブルを耳たぶの上側に回して耳たぶ後ろから下に落とすスタイル。ケーブルに耳掛け型のクセが付けられていること、筐体が比較的薄型であること、そもそも絶妙なデザインの筐体からフィット感はかなり良い。
また、シリコンとフォームの2タイプ×3サイズ(計6種類)が付属するイヤーピースによって、ユーザーそれぞれにベストな装着感を得ることができる。筆者としては、装着感と遮音性が比較的に高いフォームタイプをオススメしたい。
さて、肝心のサウンドはというと、力強い表現の中域重視な帯域バランスが特徴。低域は充分な量感をもつが、無駄に存在感を主張しないジェントルな音色が好ましい。高域はゆるやかに減衰しているが、伸びがないというよりも耳障りにならない自然な表情といった印象。おかげで、男性ボーカルも女性ボーカルも、アコースティック楽器も打ち込み系も得手不得手なく再生してくれる。
音場的には、ボーカルなどセンターの距離感が近いものの、同時に充分な広がり感も感じられる。解像感は価格相応なレベルだが、音数は充分。なによりも、音のひとつひとつがリアルに感じられる音色がいい。満足できる迫力を持ちつつも長時間聴き続けられる、絶妙なサウンドの製品だ。軽快な装着感も含め、この価格でこの完成度の高さは望外といえる。
2BAモデル「CE220」、3BAモデル「CE320」もチェック!
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