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公開日 2025/03/31 06:30
人気モデル「KIMA 2」「DK3001BD」も試聴レビュー

中国イヤホンブランドの重鎮、DUNU。製品のこだわりと高品質の源泉を探る

岩井 喬

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近年イヤホン/ヘッドホン市場で中国ブランドの存在感が高まっているが、その中でも高い技術力と安定してバランスの良いサウンド、広い価格レンジをカバーしつつ、そのグレードの水準を超える製品を継続的に供給してきたのがDUNU(ドゥヌゥ)だ。音質優先のスタイルを貫き、有線イヤホンを中心に展開している本ブランド。その成り立ちと特色について一度振り返ってみたい。





 


いま改めて振り返る、DUNUの成り立ちと強み


DUNUは1994年に創業したOEMメーカー、TOPSOUNDを母体としており、ドライバーユニットを素材から開発する技術を生かし、世界各国へパーツを輸出していた。2000年代に入り「iPod」が登場すると、ポータブル市場が拡大することを見据え、技術を自社製品として売り出すべきであると判断。2002年に自らのブランド、DUNUを立ち上げた。


創業より8年の間に培ってきた技術/設備はアジアの最先端を行くものであったそうで、周波数測定器、無響室、ダミーヘッド、さらには耐荷重テスト計測器まで揃え、1か所の工場で開発・製造・テストまで完結できる体制を構築。今なおDUNUの強みであるダイナミック型ドライバーについても自社で開発・製造できるようラインを整えており、金型装飾からスパッタリング(物理蒸着法/PVD技術)、蒸着技術を駆使した振動板の自社生産までを一貫管理しているという。


50名を超える熟練工が高度な品質管理の下、精密部品から完成品までを手掛けるこの垂直統合型生産体制が、DUNU製品の高い完成度の裏付けとなっている。



△DUNU工場の製造風景。高度な設備を揃え、部品から完成品まで一貫した品質管理を行えるのが強みだ


 


DUNUブランド誕生とともに、チーフエンジニアとしてチームを引っ張ってきたのが、開発・企画総責任者であるアンディ・チョウ氏だ。母体となるTOPSOUNDの創業期から音響技術の最前線に身を置き、DUNU製品に向けての音質設計の哲学を確立。磁束密度理論と材料工学を融合させ独自のアプローチを実践してきた。


DUNUならではの技術的特徴といえるのが、ハイブリッド・ドライバー構成の製品を数多く手掛けていることだ。BA型とダイナミック型、近年では静電型(EST)や平面型のドライバーも柔軟に組み合わせ、ドライバーごとの得意な帯域を生かしたレンジの広いサウンドを実現。またダイナミック型ドライバーに至っては、振動板素材そのものにもこだわり、ベリリウム箔を加工する技術や、複数の素材を重ね合わせた上での蒸着処理など、細部に渡って妥協のない設計を行っている。



△DUNUの特色のひとつが、複数種類のドライバーユニットを組み合わせるハイブリッド設計だ


 


こうしたドライバー単位での設計開発を基に、素性や方式の違うドライバー間の調和を取り、アコースティックなキャビティの調整を製品ごとに実施。チョウ氏を筆頭とするエンジニア陣が細やかなチューニングを行い、バランスの整ったサウンドを確立している。


いくら最新の素材、技術を用いたからといって、それが必ず良い音に繋がるとは限らない。創業から30年。この長きにわたる研鑽の日々によって、優れた素材や技術をまとめあげ、良質な音へと仕上げるノウハウを手中に収めたのである。


ただ音が良いだけではなく、体に密着して使用するイヤホンであるからこそ、フィット感の良いものでなくてはならない。人間工学に基づくボディデザインを研究するとともに、高い装着性・遮音性を実現するイヤーチップに関しても素材や形状、肌触りにこだわり、独自のものを開発。特にボディに関しては航空アルミ合金やジルコニウム合金など、音響的に優れた金属素材を多用しており、それらを高精度なCNC加工によって、音質、耐久性、デザイン性に優れたハウジングへと昇華。所有欲をそそる上質な装いを実現している。


 


主な製品ラインは3種類。コンセプトもはっきり違う

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