製品情報
DENON
PMA-2000SE
¥170,000(税抜)
最小単位の増幅素子で通常の3〜10倍の電流供給能力を実現し、高い表現力と出力を実現
【SPEC】●定格出力:両チャンネル駆動(CD→SP OUT)80W+80W(負荷8Ω、20Hz〜20kHz、T.H.D. 0.07%) ●実用最大出力:160W+160W(負荷4Ω、1kHz、T.H.D. 0.7%) ●全高調波歪み率:0.01%(定格出力―3dB時、負荷8Ω、1kHz) ●周波数特性:5Hz〜100kHz(0〜-3dB) ●SN比(Aネットワーク):LINE 108dB(入力端子短絡時)、PHONO MM 89dB(入力端子短絡時、入力信号5mV時)、PHONO MC 74dB(入力端子短絡時、入力信号0.5mV時) ●消費電力:275W ●外形寸法:434W×181H×435Dmm ●質量:24.0kg
※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。
コンストラクションの徹底した見直しにより音質を向上
オリジナルから数えて6世代目となる本機。オリジナルは1996年に誕生し、価格は10万円であった。当時人気のサンスイやオンキヨーの製品と比べるとひときわ大きく重量もあり、こうして投じられた物量が音の力強さにつながっていたし、重量も当初から 20kgと群を抜いた重さであった。前モデルは2005年6月に更新された2000AEで、フロントパネルを一見すると、このSEとの違いはほとんどを見つけ出すことができないが、シャーシの奥行きは5cm近くも小さくなっている。これまでの2000番は確かに大きいことが特徴であり、ラックなどからはみ出すことがあったようだ。小さくすることで、信号系路も短縮化されている。
歴代の2000シリーズの特徴と同様に出力素子はUHC-MOSシングルプッシュプル、SEも出力は8Ωで80W+80Wで、カタログから読み取れる数値に変更はない。重量も前モデルと同じ24kgである。シャーシを小型化しながらも同じ重量であるということは、構造として剛性面で有利に働くことになる。
パワー部は左右対称のモノラル・コンストラクションである。ヒートシンクの形状も再検討され、フィンの長さを微妙にコントロールするなど、共振を分散させる形状となり、シャーシへの取り付けもより強固に安定度の高い方法に変更されている。2個のパワートランスを並列使いとし、電力出力段と増幅段を巻き線から独立させた手法に変更はなく、互いにリーケージ・フラックスをキャンセルすることに違いはない。しかし、寸法が若干狭められたシャーシへの固定方法が再検討され、より振動を受けにくい合理的な固定方法が取り入れられ、このふたつのパワートランスは振動的にほとんどフロート状態となっているようだ。パーツの再選択や主要プリント基盤も書き換えられるなど、フルモデルチェンジされていることになる。
また、歴代の2000シリーズは大型のボリュームが使われているため、リモコンからの音量調節が不可能だったが、SEではこれを解決し、直径27mmの大型の高音質タイプのボリュームが電動化されている。フロントパネルにパワーアンプダイレクトスイッチを設けてAVシステムとの併用に配慮し、サブウーファーなどと組み合わせるためのプリアウトもある。歴代モデルも同様だったが、MM、MCへの対応があり、イコライザーアンプは初段にローノイズFETを用い、また専用電源から供給される。
DCD-1650SEとPMA-2000SE、そしてJBLのK2 S9900を組み合わせて聴いた。独奏のチェンバロ曲は明瞭な音像感をと共に十分に大きな空間、豊かな音場性を聴かせる。バリトンの歌曲でも声に幅があり、たっぷりと歌い上げていて、芯のしっかりとした歴代の2000シリーズの伝統を踏まえつつ、刻々と変化していく声の表情が美しい。サ行の透明度も高く、スッキリと十分なエネルギーだが、濁りのない心地良さはCDプレーヤー側の持ち味が表現されているのであろう。
また、オーケストラのトゥッティ部分での中低域から低域、特にチェロやコントラバス、さらにティンパニなどのエネルギーもS9900のスケール感と相まって十分な力となっている。しかも力で押し切るのではなく、弾むべきところでは弾み、ジャズのようにスイングするところはスイングするといった表情が豊かに伝わるようである。
(text:石田善之)
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