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VICTOR
DLA-HD550
¥550,000(税抜)
ビクター独自の映像フレーム補間技術「Clear Motion Drive」を搭載、動きの速い映像のクリアな表現力を向上
【SPEC】●表示デバイス:フルハイビジョン対応D-ILA デバイス ●パネルサイズ:0.7インチ×3(16:9) ●解像度:1920×1080 ●レンズ:2倍電動ズーム・フォーカスレンズ f=21.4〜42.8mm F=3.2〜4 ●レンズシフト:上下80 %、左右34 % ●投影サイズ:60インチ〜200インチ ●光源ランプ:200W超高圧水銀ランプ ●輝度:1000lm ●コントラスト:30000対1 ●ビデオ入力端子:HDMI2、コンポーネント1、S映像1、コンポジット1、RS-232C ●騒音レベル:19dB(ランプ標準モード時) ●消費電力:310W(スタンバイ時2.7W) ●外形寸法:365W×167H×478Dmm ●質量:11.2kg
※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。
エンターテインメントプロジェクターとしての個性が光るモデル
本機は多くのスペックで上位モデルDLA-HD950と共通する性能を持っている。THXモードの搭載など徹底してシネマ画質を追求した上位機に比べて、エンターテインメントプロジェクターとしての性格が強いことがDLA-HD550の特徴だ。
使用するD-ILA素子は共通だが、HD950の方がより高精度なワイヤーグリッドを使っている。その結果、コントラストがHD950の50,000対1 に対し、HD550は30,000対1になる。200WのUHPランプも共通だが、HD950の方がパワーをやや抑えて使用しているため、結果として HD950の900lmに対しHD550は1,000lmという最大輝度の差になっている。ランプは今季から耐久時間が2,000時間から3,000時間に改善された。投影サイズと設置性は基本的に同じ、外装色がブラックのみのHD950に対し、HD550はブラックとホワイトの2色から選べる。
その他に両機の細かな相違を整理すると、HD950と比較して、HD550はメイン画質調整機能のカラーマネージメントが非搭載、THX規格およびTHX モードも非搭載となる。また、レンズシステムは基本的に共通だが、レンズアパーチャーによる明るさ調整がHD950の16段階に対してHD550は3段階となる。さらにトリガー端子(電動スクリーンやアナモフィックレンズの作動に連動)がHD550は非搭載であることから、北米でHD950の方がカスタムインスタレーション用として想定されているのかもしれない。なおHD950に採用された倍速表示対応のクリアモーションドライブ、スクリーン補正機能は HD550にも搭載される。画質モードには「シネマ3」が追加され、シネマ1/2、ステージ、ナチュラル、ダイナミック、ユーザー1/2が搭載される構成は変わらない。カスタムガンマ機能の採用や、19dBの静音性も共通である。
ビクターはHD550について、昨季のHD750の性能に近づけることを目的に設計したと性格付ける。ラインアップ展開する他社の製品間の差に比べ、ビクターの場合は主に機能面で僅差であることが特徴で、希望小売価格上の20万円の差をどう考えるか正直悩ましいのである。今回ビクターのレファレンスソフトである『きみに読む物語』、筆者の常用する『ベンジャミン・バトン』、『ある公爵夫人の生涯』、『崖の上のポニョ』で比較視聴した場合、HD950の映像の追い込みの迫力、黒の純度と暗部の抜けの良さから生まれる映像全体のたたずまいの凛とした美しさには及ばないのだが、ダイナミックアイリスの「継ぎ足し感」のないD-ILAプロジェクターの映像の自然な一体感、誇張感のなさ、明るいカラフルなシーンの透明感といった美点は遜色がない。最高のプロジェクターが欲しいならHD550、「最高以上」を追求する可能性を求めるならHD950と考えるといい。
(text:大橋伸太郎)
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- 製品批評 2009年11月4日号(10/28発行) エンターテインメントプロジェクターとしての個性が光るモデル